「The Next Wave」。
<嫁をもらった吉之助は
それから半年もたたないうちに→
父と母を相次いで亡くしました。→
悲しい一年が終わり西郷家は 新しい年を迎えました>
(きみ)今年こそ
よか年になりますように。
(吉之助)みんな
健やかに過ごせますように。
(須賀)私がおっで
よか年にはならんち→
みんな
思っちょっとでございもんそ。
ないを言うか。
近所の人たちが私を 何ち呼んじょっか→
知っちょいもすか?
んにゃ。
不吉な嫁じゃち。
はあ?
私が嫁いだ途端 立て続けに→
義父上も義母上も亡くなってしもうて。
須賀どん だいが何ち言おうと→
おはんは不吉な嫁なんかじゃなか!
じゃっどん…。
きっと! きっと今年こそ→
よかこっがあっはずじゃ。
そいを信じっど。
(手をたたく音)
よか年にないもすように。
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
<その年の5月>
(信吾)あんフッカフカの布団は
どげんしもした?
(小兵衛)フッカフカは?
(熊吉)そういえば 須賀さぁの→
お嫁入り道具のお布団は
どげんしもしたかのう?
とっくに質に入れもした。
こげな大所帯じゃし→
食べるものだけで
銭が飛んでいくようじゃ。
ほんのこて
苦労をかけて すんもはん。
あ… 旦那さぁ
今日は はようございもすなぁ。
いまじゃった。
(きみ)吉之助!
帰るなり悪かどん 川へ行って
晩ごはんに→
鰻でん とってきてくいやい。
分かいもした。
すぐに行ってきもす。
(正助)吉之助さぁ!
正助どん どげんした?
たった今お城から お達しがあって→
ついに謹慎が解かれもした!
記録所書役助に戻れる事にないもした!
ほんのこいな!?
はい こんとおり!
めでたか~!
吉之助さぁのおかげじゃ!
んにゃんにゃ!
切腹覚悟で殿様に直訴してくれたおかげじゃっ!
正助 おめでとう!
(一同)おめでとうございもす!
(福)吉之助さぁ
まっこて あいがとさげもした。
正助さぁも
3年間 よう辛抱したなぁ。
母上…。
(妹たち)おめでとうございもす。
一生懸命 お勤めを気張れば→
父上も喜界島から御赦免にないもんそ。はい。
なあ 須賀どん。
旦那さぁそいは結構でございもすが→
我が家の晩ごはんの鰻は?
おっ そうじゃった~!
<そのひとつき後
国中を揺るがす→
とんでもない騒ぎが起こりました。
嘉永6年6月3日→
ペリー率いるメリケンの艦隊が
幕府に開国を求め→
浦賀に現れたのです>
阿部殿 メリケンは何と?
(阿部)メリケンからの贈り物でござる。
献上品でござるか?
西洋では 白旗は降伏の印。
この白布を掲げねばすぐに砲撃を開始すると!
なんと!
<江戸中が大混乱を来している頃→
斉彬は 参勤交代の帰路で
尾道にいるところでした>
(山田)殿~!→
大変でございます。大変でございます!
メ… メリケンの船が4艘
浦賀港に進入したとの知らせが→
たった今 届きました!
(斉彬)そうか。
思ったよりも早かったな。
はっ? いや 殿!
それが メリケンの船は
とんでもなく大きなもので→
江戸は大騒ぎになっております!
船の上にそびえ立つ太い筒からモクモクと黒い煙を吐き→
飛ぶが如く海上を走る。
横腹からは大砲が幾多も顔をのぞかせる。
乗り込む者の数は
我が国の大船など足元にも及ばぬ。
まさに ここに記してあるとおり。
まさか殿は どこかでその船を御覧になった事が→
あるのでしょうか?
ない! ないが→
琉球からの報告
ジョン万次郎の話では そうであった。
して ご公儀の対応は?
(山田)はっ。
<急ぎ [外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に戻った斉彬は
矢継ぎ早に指令を発しました>
(斉彬)何じゃ このレンガは!
反射炉に使うレンガ一つ作れぬようでは→
鉄の大砲など いつ出来るんじゃ!
すぐに原因を探れ。
はっ。
山田。はっ。
長崎と江戸に 90の兵を送れ。
沿岸の防御も強固に固めさせよ。
かしこまりました。
ほかに何か意見があるやつはおるか?
申してみよ。
(関)畏れながら やはり メリケンは→
戦を仕掛けてくっとで
ございもすか?
ない。 すぐに
戦を仕掛けてくるつもりは→
メリケンには ない!
ならば 何故 殿は→
江戸や長崎に兵を送り込み→
鉄の大砲づくりを急がせておられるのですか?
メリケン船の来航を
我が[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩の好機とするのよ!
(山田)好機?
メリケンと今 戦をしてはならぬ。
そのために
沿岸の備えを固めさせ→
対等の立場で
談判に挑まねばならん!
もし 開国ともなれば
いち早く兵を出した我が藩こそ→
新しき政の一翼を担う事になる。
なるほど!ほかに なすべき事は?
ここからが最も重要じゃ。
久武 使いを頼む。
はっ。
8月 於篤を江戸に向かわせる。
(関)いよいよ 篤姫様
お輿入れでございもすか!?
腹が減った! 飯にする!
はっ!
(久武)本日は 殿より…。
<斉彬の養女となる事が決まった於一は→
それを機に 篤姫と名を改め→
急ぎ 江戸へ向かう準備を進める事になりました。→
そして黒船は 吉之助の運命も→
大きく変えようとしていたのです>
(久武)吉之助どん!
わざわざ呼び立てて すまんなぁ。
桂様 ご無沙汰しちょいもす。
まあ 手を上げっくいやい。
はっ。
実は内々の話じゃっどん 殿が急ぎ江戸へ ご出府ちなってなぁ。
は!? 戻られたばかりでは
ございもはんか。
じゃっどん 老中首座の阿部様から
じきじきのお召しがあってなぁ。
はぁ~
さすがは我が殿でございもすな!
ついては おはんにも
そんお供で→
江戸に行ってもらいたかとじゃ。
おいがでございもすか?
殿じきじきの
お申しつけじゃっで。
斉彬様じきじきの…!?
出立は 年明けすぐ。
しっかい用意しちょってくいやい。
ははっ…。
あ…
ありがたき幸せにございもす!
♪♪~
帰ったど~!
父上 母上→
こん度 殿のお供で江戸に行っこつにないもした。
ちゅうこっちゃ!
(吉二郎)兄さぁが江戸へ!?
(琴)殿のお供とは 兄さぁは
ほんのこて すごかなぁ!
あいがたか…。
やっぱい 吉之助は無敵斎様の生まれ変わりじゃった。
ばあ様。
旦那様や奥様が生きておられもしたら→
どいだけ喜ばれたか。
兄上 おめでとうございもす。
兄上の日頃のご精勤が
認められたとでございもんそ。
(琴)私たちにとっても
こい以上なか喜びでございもす。→
ほんのこて
おめでとうございもす!
(一同)おめでとうございもす。
おはんら あいがとな!
私は めでたくなか!
支度金がいくらかかっかご存じでございもすか?
ご存じなかとでございもすか。
んにゃ 分からん。
30両でございもす。
30両!
あいた~!
父のご同輩が江戸に参られた時には→
30両工面したち聞きもした。
ほんのこいな?はい。
こん家で 30両もの大金が
作れる訳があいもはん。
んにゃ 兄上 諦めたらいけもはん。
そうじゃ! こん畑を売ったらいくらかにはないもんそ。
(琴)じゃ じゃ! 畑を売りもんそ。
そいはならん。
畑で作った芋やネギがなければ
おはんらが→
ひもじか思いをすっで。
(吉二郎)じゃっどん!
みんな
少しずつ お金を借りもんそ。
江戸お供のためち言えば… な!
(ため息)
お言葉じゃっどん ばあ様
こん家には→
まだ返してなか借金が
山んようにあっち聞きもした。
こん上 お金を貸してくるっ所など
あっはずもなか。
須賀どん もう言うな。
みんな 分かっちょ。
そいに 江戸へ行ったら→
いつ帰ってこらるっとでございもすか?
いつ帰ってくっか分からん
旦那さぁを→
借金まみれの家で待つなど
私は 御免被りもす!
貧乏は はがいかぁ…。
♪♪~
(物音)
吉之助さぁまだ そげな紙を持っちょったか。
ああ 子どもん頃を
思い出しちょった。
相変わらず 殿 殿じゃの
吉之助さぁは。
ないかあったとか?
実はの 年明け早々→
また殿が 江戸に
上がらるっこつになっての→
そんお供に選ばれたとじゃ。
だいに?
殿に。
じきじきに!?じゃ。
まだ内々の話じゃっどん。
さすが吉之助さぁじゃ。おめでとうございもす。
ないな うれしくなかとか?
うれしか。
じゃっどん 金がなか。
金?
30両ないと行くこっができん。
おはん まさか諦むっ気じゃなかろうな?
金が何じゃ お殿じきじきの
ご指名じゃっどが!
分かっちょっ! じゃっどん→
おいには一家の主としての務めもある。
信吾や小兵衛も まだ小さか。
琴も ちゃんと嫁がせんにゃ。
ばあ様も心細かで
須賀も不服じゃっち…。
おはん 正気で言うちょっとか?
バカな事 言うもんじゃなか!
下に おりんか! 話をつくっど!
はよ来んか!
見損なったど 吉之助さぁ!
正助どん 声がふとか。
おいじゃったら そげん
バカなこつは断じてせんど!
斉彬様に思い焦がれて ようやく
近くへ行けるっちゅうとに!
そげんこつは
おいが一番分かっちょっ!
ほいなら ないごて江戸へ行かん?
ないごて斉彬様のために尽くさんとか? おいは許さんど!
んにゃも やかましか!
そいなら おはんが江戸へ行け。何じゃち!?
わいは おいのような
しがらみもなか!
おいより学問もできる!
わいが江戸へ行かんか!
行けるもんなら行きたかぁ!
じゃっどん→
選ばれたとは わいじゃなかとか?
そいを逃ぐっとか!?
逃げちょらんどが!
逃げちょっどが!
このやっせんぼが!
(琴)兄さぁ!(吉二郎)正助さぁ!(熊吉)やめてたもんせ!
どかんか!
立たんか こん大バカ者が!やめてくいやんせ!
旦那さぁは 私のために→
江戸行きを諦めてくれたとでございもす!
何じゃち?
夫婦の事に他人は口を挟まんでもらいたか!
はぁ… こげな嫁の
言いなりにないおって!
こげな嫁じゃち…!
人の女房の悪口を言うな!
兄さぁ!
このやっせんぼが!
兄さぁ! 兄さぁ!
兄さぁ…!ちょっちょっ…!
兄さぁ 落ち着いて! 兄さぁ!
<明くる日 吉之助は→
重臣の桂 久武に
呼び出されました>
おお! 吉之助どん 待たせたなぁ。
どうじゃ 江戸行きの支度は首尾よく進んじょっとか?
はい…。
実はの→
今度は 篤姫様からのお召しで
指宿に行ってもらいたかとじゃ。
篤姫様?
今 篤姫様は→
今和泉の屋敷におられて
5~6日のうちには→
こん鶴丸城まで
上がってこらるっこつになった。
そん警護役じゃ。
じゃっどん ないごて おいに?
おいも分からん。
じゃっどん 殿に篤姫様にと→
おはんは人気があっとじゃのう。
はぁ…。
ところで どげんした? その顔。
あ… んにゃ ないも。
お願いしもす。 兄さぁに
江戸に行くよう話してくいやんせ。
おはんらも聞いちょったどが
もう話はした。
もう一度 話をしてくいやんせ。
吉之助さぁが どげんしようとおいには関わりなか。
そげん言わず!
江戸行きを断ったとなれば→
亡くなった
大旦那様と旦那様と奥様が→
3人で枕元に立ってしまいもす。
そいで よかとでございもすか!?
私たちは 兄さぁを
江戸へ行かせてやりたか。
正助さぁ どうか お願いしもす!
お願いしもす。
お願いしもす!
おいを巻き込まんでくいやい。
♪♪~
(吉二郎)熊吉 大丈夫か?(熊吉)大丈夫 大丈夫。
内職の仕事をもろうてきた。
さあ 気張いもんそ。(鷹 安)はい!
売れるもんは
もう ないもなかかね?
あっ!
こん焼酎は どげんじゃろ?なるほど。
旦那様のつくった焼酎は→
なかなかのもんでございもす。じゃっ。
こん熊吉が高く売ってきもんそ!
おお!
(信吾)兄さぁ!
おいも金を作りもす!信吾には まだ無理じゃ。
無理なこつあいもはん。
おいだって できもす!
小兵衛 行っど。
うん。
おっ 気ぃ付けろよ!
(大久保キチ)琴さぁ私たちも内職を手伝いもす。
正助さぁが謹慎の時の
お返しをさせてくいやんせ。
あいがとなぁ。
(琴 吉二郎)あいがとさげもす。
無駄です。
こげな事をしてもないの役にも立ちもはん。
里へ帰らせてもらいもす。
<そのころ 吉之助は篤姫の警護役として→
指宿から鶴丸城へと向かう
道中でした>
西郷! 西郷吉之助はおるか?
はっ!西郷吉之助 ここにおいもす。
ついてまいれ。
はっ。
こん先じゃ。
は?行け。はい。
お呼びでございもすか?
(篤姫)構わぬ 面を上げよ。
西郷吉之助 そなたに
礼を言いとうて呼び立てもした。
礼でございもすか?
御前相撲で賭けに勝たなかったら私は ここにおらんかった。
はぁ…。
分からんでもよか。私は そなたのおかげで→
お殿様の娘になり [外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩とも
お別れをする事にないもした。
そいは
どげなこっでございもすか?
お城に上がり
またすぐに江戸へ行きもす。
江戸へ?
江戸で お役に立てるかどうか分かいもはん。
まっこて
今和泉家に生まれた私が→
江戸に行き お殿様のために
働く事ができるなど→
信じられもはん。
西郷 次は江戸で会おう。
お殿様を思いっきり投げ飛ばした
そなたを 放っておくはずがなか。
そげな男は こん[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に
西郷一人だけじゃ。
篤姫様。
西郷 共にお殿様のために尽くそうぞ。
はい!
♪♪~
有馬さぁ! 新八!
(有馬)おお 正助 どげんした?
頼みがあいもす!
金を貸してくいやんせ。
(有馬)はあ? おはんは
ないを言うちょっとじゃ。
(新八)金なんど おいたちに
ある訳がなかでごわす。
金がいっとじゃ! 吉之助さぁを
お江戸へ送り出すための金じゃ!
吉之助さぁの?
じゃっ!
ほいなら おいたちで
ちっとずつ かき集めれば→
なんとかないもんそ。
(有馬)じゃ じゃ。
郷中のやつらに声をかけっが。
行っど!おう。
よろしく頼みもす!
(有馬)おう 任せ!
♪♪~
板垣さぁ無礼は承知しておいもす。
じゃっどん そこをなんとか
30両 貸してくいやんせ。
西郷吉之助さぁを 江戸に行かせて
やりたかとでごわす!
こんとおり お願い致しもす!
(板垣)前に 西郷様もそげんして頭を下げられもうした。
そん時に 百両
用立てさせてもらいもした。
はい…。
まずは そいを返してからうちに来るっちゅうのが→
筋ちゅうもんでございもす。
どうぞ お引き取りを。
待ってくいやんせ 板垣さぁ!
吉之助ちゅう男はふとか男でごわす。
殿のためだけじゃのうて
お百姓んためにも→
女子んためにも
惜しまず命を懸ける男でごわす!
こげな おいのためにも
命懸けで…。
板垣さぁ お願い致しもす。
吉之助じゃのうて→
おいに 30両貸してくいやんせ!
おいの命に懸けて必ず お返し致しもす!
大久保様の 友を思うお心→
よう分かいもした。
5両あいもす。
西郷様への餞別でございもす。えっ?
大久保様と同じく
私も何だか西郷吉之助様が→
好きでございもす。
あいがとさげもす。ほんのこて あいがとさげもす!
(吉二郎)7 8 9両。
(熊吉)はぁ~ 30両は遠かでございもすのう。
(ため息)
(信吾)兄さぁ!
(吉二郎)おお どげんした?
銭でごわす。銭でごわす。
信吾 こん銭は
どげんしたとじゃ?
まさか 悪さでもして…。
悪さなどしちょらん!
タニシを売ったり
用聞きをして稼ぎもした。
兄さぁのためじゃ!
ようやったの!
こん5両は
板垣さぁからの餞別でごわす。
あとの6両は 郷中のみんなから
かき集めもした。
正助さぁ。
ほんのこて あいがたかこっじゃ。
合わせて 20両。
正助さぁ こいだけあれば…!
♪♪~
いまじゃった。
正助どん。
吉之助さぁ 話があいもす。
話っち ないな?
まあ 座ってくいやい。
20両あいもす。
20両!?
こん金があれば
江戸へ行けもんそ!
こげな… もらえん。
んにゃ受け取ってもらわんと困る!
こいは 郷中の者たちが
少しずつ出し合い→
吉二郎や琴たち
熊吉に信吾も小兵衛も→
吉之助さぁのために
必死に作った金子でごわす!
斉彬様と一緒に 江戸へ行け!
おいに もう一発殴られたかとか?
んにゃ… 正助どんと殴り合いは
二度と御免じゃ。
あいがとございもす!
おいは 江戸へ行っど!
≪(熊吉・涙声で)若さぁ。
おはんら こげな所で!
大旦那様 旦那様 奥様!
若さぁが江戸へ行きなさっど~!
(一同)兄さぁ!
あいがとな…。
おはんら あいがとございもす!
≪(直五郎)お頼み申す。
須賀どん おいが留守の間に→
ないか つらかこつでもあったとか?
(直五郎)吉之助どん すまん!
須賀と離縁してくれ。
離縁ち!?
おいは おはんに惚れて須賀を嫁にやったが→
こいは おはんの嫁には
ふさわしくなか未熟者じゃ!
そげんこつはなか! 須賀どんは→
こん貧しか大所帯でいたずら盛りの弟たちの世話も→
精いっぱい
やってくれちょいもす。
須賀は
おはんの嫁にはなったどん→
こん家の子守になった訳では
なかち言うとじゃ。→
おまけに 貧乏は嫌いじゃち
わがままを言う。→
おはんが江戸に行っとなら
家に戻る。
つまり 離縁したかち言うちょっ。
そげな…。(直五郎)我が娘ながら→
わがままが極まって
親のおいも あきれちょっ。
ほんのこて
わがままで悪うございもした。
もう こげな
わがまま娘の事は忘れて→
心おきなく
江戸へ行ってくいやんせ。
こいは 餞別じゃ。
とんでもなか…こいは 受け取れもはん。
いや せめてもの餞別じゃ。
いや そいは…。
申せば 手切れ金でございもす。
受け取ってたもんせ。(直五郎)手切れ金ち→
女子が そげな下品なこつを
言うもんじゃなかっ。
こいで きれいさっぱい
夫婦の縁を切りもんそ。→
江戸でん どこでん行って
勝手に出世してたもんせ。
須賀どん…。
ああ 清々した!
短か間でございもしたどん
お世話にないもした。 そいでは。
(須賀)父上 行きもんそ。
ほんのこて 申し訳なかっ。
♪♪~
若さぁ 大丈夫でございもすか?→
ひどか言われようで
ございもしたなぁ…。
♪♪~
あいがとなぁ。
(直五郎)須賀 ほんのこて
こいで よかったとな?
吉之助さぁは [外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩一の婿じゃち
思っちょったが→
おはんには あん男のよさが
分からんじゃったか?
私は あげな優しか男は
見たこっがございもはん。
優しくて 温かくて…。
そいなら ないごて離縁など?
優しすぎっとじゃ。
一緒にいたら離れられなくないもす。
江戸へ行くなち
引き止めてしまいもす。
あん人の優しさは
自分の身を捨てて→
相手の気持ちになってしまう。
こげん ひねくれた私の気持ちも分かってくれて→
もう十分でございもす。
そいでこっちから離縁を申し出て→
手切れ金と一緒に
江戸に行かせてやったとか?
日本一の婿殿を
こっちから離縁してやいもした!
♪♪~
<そして 年が明け→
安政元年1月21日→
ついに 吉之助が江戸へと発つ日がやって来ました>
行ってまいりもす。
若さぁ お達者で…行ってきやんせ。
あいがとな。
熊吉 見らんか。 そげん泣いちょっとは わいだけじゃ。
吉之助さぁの晴れ姿→
吉兵衛さぁや満佐さぁに見せたかったなぁ…。
(泣き声)
熊吉 いい加減にせんか。
こん度は みんなんおかげで→
こげんして江戸に行っこつにないもした。
嫁には逃げられたどん
心機一転 江戸で気張ってこい。
え?
え?
逃げられたとでごわすか!?
せっかくの門出じゃ→
そん話はすんな。
そうでございもす 新八さぁ!
じゃっどん
こいだけは言わせてくいやんせ。
みんながいてくれて
ほんのこて よかった。
おいは幸せ者じゃ!
兄さぁ ないも心配はいりもはん。
家の事は
おいが きっちり守りもす。
吉二郎 あいがとな。
こいからは おはんを弟とは思わん兄と思うで。
兄さぁ。
頼んだど。はい。
おいも畑仕事に精を出しもす!
出しもす!
2人とも
ちっとでん手を抜いちょったら→
私が尻をたたっでね!
気張れよ!
(信吾 小兵衛)はい!
有馬さぁ 正助どん 新八どん必ず文を送りもんで。
おう 待っちょっでな。
吉之助さぁの文など待たん。え?
おいも すぐに後を追いかけもす。
ほいなら…→
行ってきもす。
(吉二郎)行ってきやんせ。(新八)気張れ 吉之助さぁ!
(有馬)チェスト~!
行ってきやんせ!
♪♪~
行ってくっで~っ!
<いよいよ
殿と江戸へ行くのです。→
今宵は ここらでよかろかい。→
西郷どん チェスト 気張れ!>
久しぶりじゃのう!
西郷吉之助様ではございませんか?
うりゃ~!
ヒー様!ヒー様。ヒー様?
(斉彬)未曽有の国難が迫る今
わしの手となり足となる事。→
それが お前の御庭方の役目じゃ。
命に代えて お引き受け致しもす。
4隻の軍艦 通称 黒船を率いて
現れたペリー提督は→
開国を求め久里浜に上陸しました。
幕府は 将軍の病気を理由に返答を拒否。
ペリーは 1年の猶予を認め
久里浜を去ります。
しかし 僅か半年後に
再び来航。
慌てふためく幕府をよそに→
庶民の間では黒船見物が流行します。
見物禁止令が出されるほどの
にぎわいでした。
横浜市にある この丘に→
黒船を一目見ようと 多くの人が集まったと伝わっています。
嘉永7年
幕府は 日米和親条約を締結。
200年以上続いた鎖国体制に
終止符を打ちます。
横浜港近くの会見場の横に
そびえ立つ この大木が→
今も その場に根を張っています。
たまくすの木は 開国の瞬間を見守った生き証人です。
この地から始まった
幕末の動乱は→
吉之助の運命を
大きく動かす事となるのです。
2018/02/25(日) 20:00〜20:45
NHK総合1・大阪
西郷どん(8)「不吉な嫁」[解][字][デ]
祖父に続き両親を亡くし妻の須賀(橋本愛)は『不吉な嫁』と呼ばれる。そんな時吉之助(鈴木亮平)に江戸行きの命が下る。須賀は猛反対し実家に帰ってしまう。
詳細情報
番組内容
祖父に続き両親を亡くし妻の須賀(橋本愛)は近所で『不吉な嫁』と呼ばれる。そんな時ペリーの黒船が現れ、斉彬(渡辺謙)は江戸へ。そのお供に吉之助(鈴木亮平)は選ばれる。家族は歓喜するが須賀は猛反対。旅費や江戸での生活費は全て自己負担であり支度金を西郷家は用意できないと訴える。あきらめかける吉之助に正助(瑛太)は激怒するが、須賀は実家に帰ってしまう。
出演者
【出演】鈴木亮平,瑛太,桜庭ななみ,北村有起哉,高橋光臣,渡部豪太,堀井新太,増田修一朗,塚地武雅,藤真利子,水野久美,北川景子,沢村一樹,小柳ルミ子,青木崇高,鹿賀丈史,平田満,渡辺謙,橋本愛ほか
原作・脚本
【原作】林真理子,【脚本】中園ミホ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇