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2018/03/19(月) 00:55〜01:25 NNNドキュメント「全員主役で全員脇役〜甲子園の名将 中井監督のコトバ〜」[解][字]

♪♪~
<間もなく始まる春の甲子園>
<高校球児達の熱戦が今年も幕を開けます>
<けれど
グラウンドで輝けるのはひと握りのレギュラー>
<その陰には
多くの控えの選手も>

生徒達) よ~!
<そんな高校野球の世界に→
ちょっと知ってほしい名物監督がいます>
<去年
夏の甲子園で準優勝>
<この春は出場を逃した
広島…>
<ドラフト1位で
今年 カープに入団した→
中村奨成選手をはじめ→
巨人の二岡コーチや阪神の上本選手など→
20人以上をプロ野球に
送り込んだ名将です>
<でも
その素顔は…>

中井監督) おい 今度 お前らいつや? 大会は。

中井監督) ハハハ…。
<やんちゃで
ちょっと口が悪い>
<自称

子供みたいな大人>

女子生徒) ハハハ…!おい。
<監督生活28年>
<もちろん 目指すは日本一>
<でも
それだけではありません>
物を粗末にする奴は
もう絶対に… 許さない。

誰が買ってくれたん?」っつって。
<全ての物を大切に>
<練習着も 先輩から後輩へ>

中井監督) 今からが…。
頑張れよ!
お前よう頑張ったけどの!
頑張れよ
お前。
ええか?
しょういち 頑張れよ。(生徒) はい。
ありがとう
頑張ろうで。(生徒達) はい!

中井監督) 頑張れよ 次。
<全員主役で
全員脇役>

中井監督) 頑張れよ お前ら。
これからの

分かったんか?(生徒達) はい。

中井監督) 胴上げせぇ。
レギュラーは
いらんのじゃお前らだけで 俺を上げい。
行け!
ほら。(生徒達) よっしゃ~!

生徒達) せ~の!オイ! オイ! イェ~イ…。
<広陵高校は
緑豊かな山あいにある→
私立の高校です>
<…の野球部は 春夏合わせて45回 甲子園に出場>
<中井監督は
28年 この名門校を率い→
春は2回の優勝
夏は2回の準優勝に導きました>
<ずらりと並ぶユニホームは→
多くのプロ野球選手を育てて来た証し>
<彼らは
今も中井監督を慕っています>
<去年
37年ぶりのセ・リーグ連覇に貢献した→
カープの野村投手も
その一人>
<中井監督に教わったことは…>
まず 人として野球だけじゃなくて→
これから先…

…という教育を受けました


<人生を生きて行く教育とは?>
<野球部の練習をのぞいてみました>
≪こんちは!≫
<現在 部員は142人>
<技術的な練習は
教え子でもあるコーチ達が支えています>
<では
中井監督はというと…>
元気出しといてくれよ!
元気がないのは使うてもらえんど!
ジャガー横田
頑張れよ。

中井監督)ま~た 前 見よかんかった!
肩が
こんなとこで投げたら故障するで。
<部員
一人一人に明るく声を掛けていました>

中井監督の声) 技術は ほとんど教えたことがありません。
調子がいい時は
こうだったよねとか。

悪くなっとるのはこれが原因じゃないんかとか。
<教えるのではなく
考えさせる指導>
ダメなのと
ええの やってみいやダメなのと ええの。
ダメな時は

どうなの?

中井監督の声) 押さえつけると→
一瞬は
いいこともあるんですけど→
自分で
考えて考えて→
取り組んで
取り組んだことのほうが身に付いたり→
スランプが来た時に
感じやすかったり→
変えやすかったりすることが
あると思います。
<そして
一番大事にしているのは…>
子供達には
ああやって打てとかこうやって投げろよりは…。

誰が買ってくれたん?」っつって。
だから
物を粗末にする奴はもう絶対に… 許さないというか→
認めてないです

<一人一人がキレイに手入れした
グラブやスパイク>
<可能な限り修理して使い→
新しい道具を購入する時は監督の許可が必要です>
<さらに
練習着も先輩からのお下がり>
<物を大切にする気持ちを

徹底しています>
<そんな中井監督が
一番大切にしているコトバ>

「ありがとう」>
<その言葉は
練習中にも貫かれます>
<注意された選手は
「すみません」ではなく…>
<これが
中井流>
あなたのために
注意をしたんだから→

すいません」って言うなって「ありがとう」って言えって。
日本語的には
おかしい時もあるんですけど→
ホントに
「ありがとう」を徹底してるんですね。
<全てのものに感謝する気持ち>
<それは 監督自身が→
広陵高校の野球部員だった頃に
培われました>
<中井監督が入学した頃
野球部は甲子園から遠ざかり→
イジメや
シゴキがまん延していました>
<当時のことを自身の著書に
こう記しています>


「上下関係やつまらんルールに→
こんな苦労して負けたら
ばかばかしいぞ」>

「自分達の時代は 意地でも甲子園に行ってやる!」>
<上級生になると
中井監督は 仲間と共に→
理不尽な上下関係を一掃し
甲子園を目指します>
<当時の貴重な映像が…>
≪中井君ですね?≫はい。
トップバッターなので
塁に出ることを考えて→
チャンスメーカーになって
全力を尽くします。
<レギュラーとして
無我夢中だった中井監督>
<そんな時
父 千之さんから掛けられた あるコトバが→
胸に突き刺さります>
「広陵の中で 一番しんどい練習は何や?」って言われた時に→
300本ノックとか
広陵名物の練習があったんですけど→
そんなことを父親に言ったら→
「お前 ホント 分かってないな」みたいな。

レギュラーになれんかったコが控えに回って→
レギュラーの練習を
手伝うってことが→
一番しんどいことよ

」って。

つらかったり みじめだったり悔しかったりする。
だから
お前は…」。
<控えが支えてくれるからこそ
レギュラーとして頑張れる>
<この
父のコトバが「ありがとう」の原点でした>
<そして
3年生となった1980年>
<広陵高校は
春夏連続で→
念願の甲子園への切符を
手にします>
<チーム全員で勝ち取った
喜びでした>
<中井監督と同期だった
岡 秀一さん>
<控えの選手でした>
<あれから38年>
<総菜店を営む岡さんには→
今も忘れられない中井監督のコトバが…>

岡さん)中井の いいとこよね それ。
<大学卒業後
社会科の教師として→
母校に戻って来た中井監督>
(中井監督)なかなか やってくれるぞ お前。
<1990年に

27歳で野球部監督に就任すると→
1年後には
春の甲子園への出場を決めます>
<レギュラーメンバー発表の日>
<選手達に贈ったコトバ…>
≪1番
小土居昭宏≫≪はい!≫
≪2番
島村健一≫≪はい!≫

中井監督)今の 入りたくて入った奴と入りたくて入れんかった奴が→
ここに真っ二つに
分かれとるんやけど→
今からが
お前らが 一つになってお互いの立場を理解して→
一生懸命
頑張ってくれんとつまらんぞ。
ただ入った奴だけ頑張るとか
俺は関係ないわとか→
入ってない奴なんか
知るかいやとか→
そんなこと
絶対ないようにせぇよ ええか。
今からが勝負やぞ
いい意味での。
頑張れよ!
お前よう頑張ったけどの!
頑張れよ
お前。
ええか?

しょういち 頑張れよ。はい。
ありがとう
頑張ろうで。(生徒達) はい!
<レギュラーも控えも
一丸となって挑んだ春の甲子園>
<広陵高校は
65年ぶりの優勝を果たします>
<この時
ベンチに入れず→
アルプススタンドで
応援団を率いた…>
<懸命にチームを支えた彼は
こう呼ばれました>
周りも
みんな「アルプスの四番じゃ」みたいな。

アルプスの四番」って言葉なんてないですもんね。

お前みたいに『俺は広陵の控えだよ!』って→
言う奴っていうのも
なかなか おらん」っていうのを→
言ってもらいましたね

広陵高校で3年間
球拾いしたというのが 僕のね 今の…。
今があるのは
それでしょうからね。
<鎌田さんは
今広島市内の会社で働きながら→
少年野球チームの監督を

務めています>
<中井監督から
教えられたことは…>
目配り
気配り 心配りじゃないですけど→
野球って
スキルだけを競う競技じゃないんだから→
お前らは…


鎌田さんの声) …っていうことをよく言っておられましたね。
<中井監督のコトバを胸に→
今日も 子供達と白球を追います>
<広陵高校の中井監督>
<普段は いち教師として生徒指導も行っています>
<授業中の教室を見回るのも
その一つ>

見い 前を。
姿勢が悪い
姿勢が姿勢が悪いんや…。
よし

<中でも
気になるのは野球部の生徒>
<授業態度が悪かったり
赤点を取ったりすると→
練習には参加させません>
姿勢… 姿勢や。
んっ

ん~…。(笑い)
集中せぇよ
集中。≪はい≫
裕星!
お前のことよ。
<つい
熱が入り→
授業を中断させてしまうのが
玉にきず>
<さらに…>
いただきます!
<いつも野球部員と
共にする昼食では→
見回りで気になった
中村奨成選手に…>

中村選手) 考え事…。(中井監督) 何を考えとったんや。
おい
新人王! おい 新人王!口だけ 新人王。
<そんな2人の出会いは
今から4年前の冬>
<中村選手が
中学2年の時でした>

中井監督) は~い! ナイスキャッチ。よっしゃ…。
初めて会った時
自分が冬休みってこともあって→
髪を
ちょっと 坊主じゃなくて→
色気づいた髪形してて


初対面で会った
最初のひと言で…。
…っていうように言われて

うお~ってなりましたね

<中村選手が
母親に→
女手ひとつで育てられたことを
知っていた中井監督>
<こんなコトバをぶつけました>
ちょっと元気がよかったんで彼も。
<中井監督に憧れ
入学を決めた中村選手>
<しかし
実力が出せない時期が続きました>
<それでも
中井監督は中村選手の才能を信じ→
試合に起用し続けました>
<中村選手は誓います>

「中井先生を胴上げする」>
≪広陵!≫
(生徒達) え~い!
<そして迎えた去年
夏の甲子園>
<中村選手は
大会新記録となる→
6本のホームランを放つ活躍で→

チームは準優勝>

拍手)
<凱旋した母校では
レギュラーが→
ベンチに入れなかった選手に
準優勝のメダルを掛けました>
<担任の先生にも>
<そこで 中井監督が控えの選手に贈ったコトバ…>

中井監督) 頑張れよ お前ら。
レギュラーなんかに
絶対 負けんなよ。
これからの
分かったんか?(生徒達) はい。

中井監督) 胴上げせぇ。
レギュラーは
いらんのじゃお前らだけで 俺を上げい。
行け!
ほら。(生徒達) よっしゃ~!

生徒達) せ~の!オイ! オイ! イェ~イ…。

拍手)
ありがとの
負けんなよ レギュラーに。(生徒達) はい!
絶対
負けんなよ お前ら。
高校野球は関係ないけぇの


ええか
男として 負けんなよ 絶対。

生徒達) はい。ありがとね。

生徒達)ありがとうございました!
<一方
カープに1位指名されプロに進む→
中村選手に贈ったコトバ…>
<全員主役で 全員脇役>
<中井監督のコトバを胸に
それぞれの道を歩みます>
<去年11月>
<広陵高校は毎年恒例となっている→
広島商業との試合に臨みました>
<3年生にとっては最後となるこの試合>
<中井監督は
全員をベンチ入りさせました>
<3年生は58人>
<一人でも多くの選手を出場させたい>
<そんな監督の思いに応え→
大きな背番号の選手がグラウンドで輝きます>
<応援団長として
甲子園のアルプススタンドを率いた…>
<初めて
声援を受けセカンドを守りました>
こんな応援されている中で→
今日 試合ができてすごく嬉しかったです。
<同じく

控えとしてチームを支えた石岡選手>
<ライト前ヒットを放ちました>
自分なりに本気で野球をできたと思うんで→
悔いなく
野球生活を終わることができます。
<その石岡選手の
代走に出たのが→
キャプテンの岩本投手>
<肘を故障し 甲子園のマウンドには立てませんでした>
<けれど
控えとレギュラー→
どちらの気持ちも知る
岩本投手がいたからこそ→
チームが
まとまったといいます>
<起用してくれた監督の
思いに応えたい 岩本投手>
<しかし…>
(歓声)

中井監督の声) ちゃっかりミスは しましたけど→
あの時のベンチの声も
スタンドの声も→
一番大きかったんで
実は 涙が出てですね…。
いやもう
ホントに 自分が多分一番感じてたと思うぐらい→
スタンド見たら
全員が跳び上がって嬉しがってました。


岩本主将の声) ホントに…。
あらためて思いました

<みんなの笑顔で
締めくくりました>
<今月
1日>
<広陵高校
卒業式>
<中井監督が
野球部の3年生58人に贈った→
最後のコトバ…>
(中井監督) 丸なれや。

中井監督)おめでとうございます!

生徒達) ありがとうございます!

中井監督)俺と別れるの 嬉しい人。
悲しい人

泣けや!
じゃあ… 泣け!

生徒達) う~…。(中井監督) 大橋 泣け!

泣け!

生徒達) う~ う~…。
ホントに

お前ら 嬉しそうじゃの。(笑い)
おめでとう
。(生徒達) ありがとうございます。

中井監督)おい 今日 卒業証書を→
お父さんとお母さんに見して→
「ありがとうございました」って言えんかったら ただの紙切れで。
分かった?
この卒業証書を もらうためにお前らのお父さんとお母さんは→
ホントに
自分のことよりお前らのことを考えて→
生活もしたし
生活もされたし応援されたんじゃけぇの。
本気で頑張れよ
本気でやって来たんじゃけぇの。
何かあったら
必ず…→
せぇよ
これ。
俺は
お前らの応援団だし→
一生
お前らと付き合うて行こうと思うとるけぇ。
苦しいことがあったら
いつでも帰って来いよ。
何でも
グチでも何でも聞いてやるけぇ。
その代わり
俺の悪口 言うなよ。
笑うとこだろ!

(笑い)
<中井監督が
これからも伝えて行くこと>
<全員主役で
全員脇役>
<そして
「ありがとう」>
おい!
押し忘れとった。
<大雨のたびに崩れる山>
<荒れ果てた森林をどうすれば守れるのか?>
<奈良県十津川村で→
新しい林業への挑戦が始まった>
2018/03/19(月) 00:55〜01:25
読売テレビ1
NNNドキュメント「全員主役で全員脇役〜甲子園の名将 中井監督のコトバ〜」[解][字]

去年夏の甲子園で準優勝を果たした広島の広陵高校。28年にわたりチームを率いる中井哲之監督。これまで約900人の卒業生を指導してきた監督のコトバの秘密とは…

詳細情報
出演者
【ナレーション】
馬場のぶえ(広島テレビ)
番組内容
去年夏の甲子園で準優勝を果たした広島県の広陵高校。28年にわたりチームを率いる中井哲之監督が控え組の選手にかけた言葉。「レギュラーに負けるなよ!」その言葉の意味とは…。そしてなぜ、広陵高校は全国屈指の強豪校になったのか。そこには勝ち負けにこだわらず「生きる力」を育てる中井監督の指導があった。これまで育ててきた卒業生は900人以上。中井監督が子ども達に伝え続けてきたコトバに迫る。
制作
広島テレビ


ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
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