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2018/03/26(月) 01:25〜01:55 NNNドキュメント「山が動く 〜日本一広い村・十津川村の挑戦〜」[解][字]

♪♪~
<日本の国土の66%は
森林です>
<その41%が
スギ ヒノキなどの人工林>
<戦後
植えられた木が60年余りの時を重ね→
伐採の時期を迎えています>
<今 その貴重な森が危機に瀕しています>
<林業の衰退によって荒れ果て→
山肌を守る機能を失ってしまったのです>

東 伸彦さん) しょっ しょっ…。
<森を手入れし
山を守るにはどうすればいいのか>

男性) 今のは 太かったですね。(東さん) うん…。
太いほうが
楽しいですけどねハハハ…。
<最新の林業機械を駆使して
安全に効率良く木を伐る>
<日本の林業の再生を目指し→
新たな挑戦が始まりました>

チェーンソーの音)
<十津川村は面積が
奈良県の5分の1を占め→
日本一広い村として
知られています>
<日本の肺といわれる

紀伊半島の中心にあり→
村の96%が森林です>
<深い森が育んだ豊かな水と緑が→
田畑の少ない山里の暮らしを
支えて来たのです>
<1960年代には
1万2000人が暮らし→
林業従事者は
1800人いました>
<伐れば売れるといわれ→
村は 活気に満ちあふれていました>
<十津川村の暮らしは
林業に支えられて来たのです>
<ところが
外国から安い木材が輸入され始めると→
林業は急速に衰退します>
<2010年には人口が3500人に>
<林業従事者は
かつての10分の1以下→
110人に減ってしまいました>
冬は仕事しとるよ 温まったら別に その分 動ける…。
<東
伸彦さん 33歳>

東さんの息子)パパが こんな時間に帰って来るなんて あり得ないじゃない。

東さん) うるさい… うるさい。

東さんの息子) あ~!(東さん) うるさい。
ただいま


<19歳で結婚し
今は 4男1女の父親です>

東さん) ただいま…。

東さん)これがまた すぐ食われるから→
自分の分がなくなるんや

<東さんは十津川で生まれ育ち→
地元の高校を卒業して父親の会社に入りました>
まぁ
山で遊ぶのがもともと好きやったんで→
もう
自然に小学校ぐらいから→
親父の仕事に付いて
山に行ったり→
そんで
まぁ 休みの日も→
山ん中に入って遊ぶことが
多かったですね。

チェーンソーの音)

東さん) しょっ しょっ…。
<大好きな山で
仕事を始めましたが→
当時
十津川村の林業は瀕死の状態にあり→
切り出される木は

ほんのわずかでした>
<東さんも
植林や下草刈りをしながら→
仕事を続けられるかどうか
悩んでいました>
<そんな時
2011年9月に→
紀伊半島を大水害が襲います>
<5日間で1350ミリの雨が降った十津川村では→
あちこちで土砂崩れが起こり→
死者7人 行方不明6人の犠牲者が出ました>
<168名が死亡し→
村民の半分が北海道に移るきっかけとなった→
明治22年以来の大災害です>
<地層まで巻き込んだ深層崩壊を含めると→
土砂崩れは
75か所261ヘクタールに及びました>
<惨状を目の当たりにした…>
<強い後悔の念に襲われました>
<そして
1つの決断をします>

更谷村長) もうちょっと手入れをしておれば→
こんなに
13名の命を奪うことなかったんじゃないか。
あるいは
山が崩れることはなかったんじゃないか→
…ということが
やっぱり誰しも思ったし→
私も

この ここで2か月余り泊まったんですが→
寝ておったんですが→
痛切に感じましたね。
だから
我々この山を手入れをすること。
まぁ
このことが 我々のこの村の使命ではないのか…。
<立ちはだかったのは
十津川村の急峻な地形です>
<山には
ほとんど道がついていません>
<木を切り出すには
何よりもまず 道が必要です>
作業道としては
この尾根付近を通ったほうが→
楽なんやけども→
実際 作業する上で集材ポイントがあるということで→
下げて行くっちゅうことですね
。(男性) そうそう…。
<道を造るには土地所有者全員の
許可が必要ですが→
その境界すら
分からなくなっていました>

東さん) ここからが去年つけた道になります。

男性) 勾配的にとれんかったらもうちょっと下へ来た時に→
こう回り込んで入るようにせな…

<現場に入って

地図と突き合わせながら→
ルートを決めて行きます>
1つ いいポイントとして。(男性) もうちょっと前まで→
行っときたいけど…
。うん そやね。

男性) 道自体は…。(東さん) 道としては全然…。

男性) 問題なく 行けるかな。(東さん) うん。
<道造りは
急がなければなりません>
<しかし
急傾斜地での工事は危険と隣り合わせです>
<東さんの会社でも
去年9月に→
スタッフが
重機ごと谷底へ転落し→
大けがをしました>
<作業道は道幅を3.5mと広く取っていて→
将来の機械化に備えています>
<斜面をネットで補強して土や石の流出を防ぐ>
<十津川式と呼ばれる
災害に強い工法です>
<一定間隔にラバーを入れ→
急な道が雨水に削られない工夫もしています>
もう手付かずの山が
無数にあるんで→
あの…
もう どんどん どんどんつけて行かんと→
手遅れになる山が

たくさん出て来ると思います。
<広く頑丈な道は林業の未来への
投資でもあります>
<道が少なく
谷が深い十津川では→
架線を使った集材が不可欠です>
(東 勇さん)左の足の関節 痛うて…。

勇さん) なるべく…。
<長い間
林業が低迷していたため→
架線を張る技術を
持っている人も→
わずか数人に
なってしまいました>
押してみ
それ 1本…。
<受け継がれて来た
知恵や技術を→
将来に伝えることも
欠かせません>
毎日毎日が
そりゃあ…→
気ぃ付けてやらな

安全じゃっちゅうことは
ないわの。

こうして線を架けて張って行くような→
若い後継者が

おらんようになっての。
<伐採現場の中には→
1時間近く急斜面を上る所もあります>
<林業は重労働の場です>
<伐採した木を搬出するには多くの労力と経費がかかり→
採算が取れません>
<いくら木を伐っても所有者の利益にならないことが→
山が荒れる最大の原因です>
<収入のうち 木材の売り上げが占める割合は→
わずか26%>
<半分以上は国や県の補助金に頼っています>
<さらに
村独自の補助金も出しており→
これがなければ
利益を出せません>
<かつて
十津川村では伐採した丸太を→
そのまま市場に送っていました>
<しかし それでは十津川の木がいくらで取引され→
どこで
どのように活用されたのか分かりません>
<6年前
村が木材加工流通センターを作り→
流通経路を
確保することにしました>
<水分量や強度を量り→
十津川の木としてブランド化することで→
ハウスメーカーや消費者と→
直接つながるネットワークをつくったのです>
<どうすれば安全で効率のいい

林業が実現できるのか>
<東さんは試行錯誤する中→
参加したヨーロッパの林業視察で→
高性能林業機械の
存在を知ります>
<毎年
自費でドイツや北欧の林業機械展を訪れ→
十津川村の現場に合った機械を
探し続けて来ました>
<架線を張る機械や
材木を搬出する機材を導入>
<1週間近くかかっていた
集材の準備時間が→
半日に短縮されました>
<わずか3人でより効率的な作業ができます>
<これは
オーストリア製の最新機材 ハーベスタ>
<コンピューターが内蔵され→
ゲームを操作するように動かします>
<ヘッド部分だけで
1400万円しますが→
切り出し作業の全てが可能>
<その能力は日本の林業機械にはないものです>
<作業効率は5倍以上と
飛躍的にアップしました>
林業っていうのは
やっぱりどうしても→
林業だけで
産業 成り立ってないんで…。
どうしても

補助金のお世話にならんと→
成り立たんとこがあるんで→
そこが一番 やっぱり…難しいとこかなと思うんです。
結局
補助金ありきの産業→
…っていうのが
やっぱりつらいとこではあります。
<豊かな自然を残し
山とともに暮らす>
<東さんの願いです>
(東さん) 食うた 食うた 食うた。

東さんの息子) よっしゃ~!
<自分達が切り出した木が
どのように使われているのか>
<東さんは
十津川の木で家造りをしている→
大阪のハウスメーカーを
訪ねました>
おぉ…

すごい
やっぱり 木の匂いが。
すごい
いい香りしますね。

男性)これが一番 宣伝になります。

男性)そこの壁が山小屋っぽく…。
<初めて見るモデルハウスは

想像以上でした>
<十津川の木が
ふんだんに使われ→
木の香りがあふれています>
(東さんの声)こちらの お客さんが買われて→
その木とともに何十年も
生活していただけると思うと→
僕らも…
一次産業しとる者からとっては→
すごい
うれしいですし。
今までやって来とった
仕事→
あらためて
やりがいある仕事やなと僕らも思います。
<ハウスメーカーが
家を建てる人を→
十津川村に招待しました>
今から実際 木を伐るんで。
一度
見てもらったらと思うんで。
よろしくお願いします
。(野中さん)よろしくお願いします。

野中さん) わわわ… あ~…。
≪わ~
すごい≫≪うわ~ すごい≫
<自分達が住む家の木が
どこで育ち→
どんな人達が伐ってくれたのか>

<それを知ることで 家への愛着が増すのだといいます>

野中さん) パチパチ…。(拍手)
現場を見たら
より一層身近に感じて→
こういうふうに
大切に育てられて来た木で→
私達の家が造られることに
なると思ったら→
感慨深いです

楽しみ…

やっぱりね
山っていうのは→
何十年も何百年もかけて来て
育って来とるもんで→
やっぱり
少しでも→
恩返しの意味じゃ
ないですけども→
できるだけ
木の価値を上げて→
隅々まで…→
出して行けるように心掛けてやってます。
<東さんの作業現場に→
フランス人の…>
<…が研修に
やって来ました>
<地域おこし協力隊員として→

村の役場に勤めていますが→
十津川で林業をやりたいと
思い始めたのです>

東さん) うまい バッチリ。
フフ…

<東さんが目指す林業の
仲間が増えました>
3日~4日で
これやったらほぼ100点。
(ジョラン
さん) ありがとう まだまだ。(東さん) ハハハ…。
まだ勉強しなきゃいけない


祝詞)
<毎年12月7日>
<世界遺産に登録されている玉置神社で→
山の神祭りが営まれます>
<村の林業関係者が一堂に会して→
山之神に
作業の安全を祈るのです>

祝詞)
<祭りの後は恒例の忘年会>
まぁ 林業は すごい…→
みんな承知の通り
危険な仕事なんで→
一に安全

二に安全 三 四に安全五にも安全の意識を持って→
やってもらいたいと思います

よっ!
イチ ニのサン 乾杯!

一同) 乾杯!
<2年前に
父親の後を継いだ時から→
売り上げは2倍になりました>
<もう立ち止まれない>
<事業も
ようやく軌道に乗って来ました>
<十津川村を訪れた
野中さんの家が完成しました>
<家は
十津川の木と→
しっくいの自然素材を中心に
造られています>
<使った木材の量は→
一般住宅の2倍以上になりました>
木の床で
どうですか?ん?
木の床は
どうですか?
<十津川の木を使って
造られた家は→
年間40軒を超えました>
伐ってくださった方とかとお会いできてますので→
何か

そのへんも…→
その方々の顔も思い浮かべながら
今日は 見ることができて。
住みながらも
きっと そんな感じになるやね。

畠舎さん)私のぜんそくを心配して→
自然のものをっていうことでね
やってくれましたので→
何の不安もなく
引っ越して来れます。
<毎年
十津川村の小学6年生は→
林業教室に参加します>
今日 持って来たのはハーベスタ。
ハーベスタという機械です

パソコンが入っとると
思うてくれたらいいんやけども→
非常に賢くできた
機械になっています。
木の長さを測ったり
できるんやけども→
この部分で長さを測ってます

<一人でも多くの子供に
林業に興味を持ってもらいたい>
<木を伐った山には植林する>
<日本の森と山を守るには→
この循環を

繰り返すしかありません>
<この苗木が成長して
切り出される日まで→
およそ50年>
<愚直に山を手入れし 向き合う>
<林業再生への道のりは
続きます>

東さんの声)機械など もっと発達して→
林業がやっぱり
危険じゃない安全な職業として→
みんな
若いコ達にも興味 持っていただいて→
やっていただけたらなと思います


チェーンソーの音)

東さん) OK… よし。
♪♪~
何かね しんどくなって来るの呼吸が。
<平穏な日常を焼き尽くした
大規模火災>
<被災者を
今なお苦しめる炎の記憶とは…>
2018/03/26(月) 01:25〜01:55
読売テレビ1
NNNドキュメント「山が動く 〜日本一広い村・十津川村の挑戦〜」[解][字]

日本一広い村、奈良県十津川村で始まった林業再生への挑戦。安い木材価格と厳しい自然環境が立ちはだかる。若き林業家は故郷の自然と暮らしを守ることができるのか。

詳細情報
出演者
【ナレーション】
林マオ(読売テレビアナウンサー)
番組内容
日本一広い村・奈良県十津川村は、面積の96パーセントが山林だ。2011年9月の紀伊半島大水害で山が崩れ、13人の死者・行方不明者を出した。「山を手入れしていれば防げたのではないか」。村を挙げて林業再生の取り組みが始まった。立ち上がったのは地元の若者たち。作業効率を上げるためにヨーロッパの機械を導入し、ユーザーと直に結び付くシステムも作りあげた。50年後、100年後を見据えた十津川村の挑戦だ。
監督・演出
児玉修
制作
ytv


ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント

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Published by
ikatako117