<菊池源吾と名を変え→
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩から遠く離れた島に来た
吉之助>
(吉之助)くそが~!
おいに生きる値打ちなど なか~!
<生きる気力を失い
死のふちを さまよっていた時→
島の娘 とぅまに救われ
再び 心を取り戻したのです>
(佐民)
あなた様の首にしがみついて→
ずっと祈ってました。
どうか あなたを→
助けてくりしょりち…。
<そして吉之助が大島に来てから→
数か月がたちました>
(島の言葉で)
(こむるめ)あげ! ああ~…。
(富堅)う~!
(とぅま)う…!
よし。
とぅまどん 女子には
女子の仕事があっじゃろ。
すまんが [外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩から届いた米を
炊くのを手伝ってくれんか。
な?
おはんら もう一息じゃ気張いもんそ。
いっぱい働いた者には握り飯じゃ。
(子どもたち)ニギリメシ?ああ。
ほあ 握り飯じゃ。
(タケ)うまっさや!(子どもたち)うまっさ うまっさ!
まだ芋が少し残っちょ。
魚釣りも上手になったで。
(子どもたち)
ありがっさまりょうた!
にゃにゃ。
(こむるめ)ありがっさまりょうた。
木じゃなくて 鉄じゃったら→
そげんこつにはならんはずじゃっどん。
(佐民)くん島では
なかなか手に入りょうらん。
ほいなら… おいが
代官所に頼んでみもんそか。
鉄の車輪なら みんなも
ちっとは楽になっじゃろ。 のう?
それは やめてくりしょり。
ないごてでごわすか?あと 童やヤンチュたちに→
米の飯をあげるんも
やめてくりしょり。
んにゃ
おい一人では食べきれんで。
米の飯は くん島では
夢のような ごちそうです。
夢を見せるのは
やめてくりしょり。
佐民さぁ…。
菊池様はいずれ くん島を去られます。
どうか…。
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
(木場)菊池殿![外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩から また文が届いてもす。
あいがとさげもす。
では。
おっ
とぅまどん ないをすっとか!?
返してくいやい。
約束?
分かった 約束すっで。
ほあ。
ほあっ。
♪♪~
(正助)
「吉之助さぁ 鉄の車輪の件は今しばらく待ってくいやい。→
吉之助さぁのこっじゃ
島の者たちの事も→
自分の事のように
心を痛めちょっとじゃろが→
くれぐれも
藩の心証を悪くせんごと→
静かに過ごしてくいやんせ。→
西郷吉之助として一日もはよ吉之助さぁを→
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に召還できるよう
動いちょいもす」。
砂糖車を動かす車輪を→
鉄で作って送ってもらえんかち頼んだとじゃ。
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩には
集成館ちゅう所があっての→
よか鉄がつくれる。
亡き殿が 民を豊かにしたかっちゅうて始められたとじゃ。
とぅまどん そいは ちごど!
とぅまどん! こん島の人たちもおはんも みんな[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩の民じゃ!
じゃっどん
今は そいどころではなかち→
断られてしもた。
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩は 今 大きく揺れちょっ。
♪♪~
タケ。 おはんら 今日もやっど。
(タケ)はい!
よかよか 行っど行っど。
元気がよかのう。
おはんら よかかどんなに畑が忙しくても→
学問を忘れてはいかん。
文字を一つずつ覚え→
明日は2つ覚え
あさってには3つ覚え→
そん積み重ねが
みんなの暮らしを変え→
こん島を変えっとじゃ。
はい。はい。はい。
♪♪~
あっ あ…。
大丈夫か?
ほあ! さっさと歩け!
ほあっ 立て!
やめてくりしょり。 あっ…!
(田中)こん隣村の者たちは
納めるべき砂糖を隠し持ち→
私腹を肥やそうちした
不届きな連中じゃ。
よかか そげな者は容赦せん!
佐民 わいたちも みんな肝に銘じちょけ。はっ。
すんもはん。
隠し持っちょっちほんのこっでごわすか?
流人風情が口を出すな。
(佐民)とぅま!
見せしめ?
菊池様 もう我々と関わるんはやめてくりしょり。
これ以上 余計な災いを
持ち込まんでくりしょり。
(とぅま)兄ぃ。
佐民おじ!
(田中)佐民!
(佐民)田中様。
お前
砂糖を隠しちょっそうじゃの。
隣村の連中が
さっき そげん吐きおった。
刃向かう者に容赦はせんど!
分かっちょっどが 佐民!
はっ あ…。
こん家のどこかに砂糖があるはずじゃ!
探せ 探せ~!
(悲鳴)
♪♪~
あったど!
黙れ…!
口の利き方に気を付け。
どうじゃ 甘かどが!
土間に砂糖を隠しちょった。引っ立て!
(富堅)ぬれぎぬど!
(富堅)ぬれぎぬど! やめれ!
(子どもたち)おもほえず
違うものなり身の上の。
欲をはなれて 義を守れ人。
(子どもたち)欲をはなれて 義を守れ人。
タケ。
おもほえず違うものなり身の上の。
(子どもたち)
おもほえず違うものなり…。
菊池殿!
木場殿。
お話があいもす。
なんち…!
佐民さぁと富堅どんが!?
こらえてくいやんせ。
こらえられっか!
おいが ここに来たとは→
代官所に行かせるためでは
ごわはん。 行かさんためでごわす。
離してくいやい。 佐民さぁが
砂糖を隠しちょっはずがなか!
おはんも分かっちょっじゃろが!
こい以上 島の者たちに深入りしてはいけもはん。
西郷吉之助殿。
おはん ないごて…。
大久保殿でごわす。
西郷殿が一日もはよ [外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に戻れるよう→
島で騒ぎを起こさんごと
見守るよう→
おいに託されたとでごわす。
正助どんが…。
忘れんでくいやんせ。
おはんは 菊池源吾ではごわはん。西郷吉之助でごわす。
(富堅)佐民おじ。
(うめき声)
佐民 いい加減
やったっち言うてくれんか。
そいで わしも助かる。
上役から砂糖の取り入れが少なかち→
きつかお叱りを受けちょっとじゃ。
やって… おりません。
え~い!
自白するまで打ちのめせ!
(うめき声)
♪♪~
とぅまどんが どげんした?
♪♪~
わいたちゃ 何じゃ!?
そげなこつ聞けるか! 帰れ帰れ!そうじゃ 下がれ!
(一同)お~!
やめ~! おはんら やめ!
とぅまどん!
代官所破りは重罪でごわんど。
(一同)お~!
力ずくでは代官所に勝てんど!
おいが [外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩の役人に訴え出る。
じゃっでここは鎮まってくいやい。 頼む!
とぅまどん 頼む。
おいを信じてくいやんせ。
(一同)お~!
♪♪~
いかん。 行ったらいかん!
とぅま! とぅま!
♪♪~
佐民おじ! どこだい!?(田中)女!
お前の企てか!
佐民に会わせてやる。 ついてこい。
♪♪~
代官所破りが どいだけの重罪か分かっちょっどが。
お前も生きて
ここから出られんど。
ほ~う。
じゃっどん 殺すにはもったいなか女じゃのう。
わしのアンゴにならんか。
もっとよか暮らしがでくっど。
あん2人も牢から出してやる。
お前次第じゃ。
ますます気に入った。
かわいがってやっで。
あっ…。
♪♪~
ほうか。 ほいなら死ね。
♪♪~
やめんか。
(田中)また わいか。
(木場)き… 菊池殿!
よかところに来たこん男を捕らえろ!
田中様! もう こげなこつは
やめてくいやんせ。
島の者たちを苦しめるのは
やめてくいやんせ。
わしは藩命により ここにおる。
わしに刃向かうのは[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に刃向かうのと同じち→
言うちょっどが!
じゃったら [外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩の名を→
おとしめるようなこつは すんな!
民が苦しんじょっとならそいを助けるのが政じゃ!
そいが [外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩の役人の務めじゃ!
田中様 どうかいま一度 政を見直し→
民が苦しんじょっとを
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩表に伝えてくいやんせ。
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩の力の源は 砂糖じゃ。
島の民が[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩の民っちゅうとなら→
少しでも多く砂糖を
藩に納めっとは 当然じゃろが!
何じゃ… わしを侮るなよ。
藩に背くっとか?
人として許せんこつは許せん。
そげな事をしたら二度と島から出られんど!
はよ取り押さえて
牢屋にぶち込まんか!
何をしちょっとじゃ!
ぶち込め~!
(島人たち)佐民様! 富堅様!
富堅様!
佐民様 大丈夫だりょけ?
♪♪~
菊池殿。
菊池源吾 許さん!
田中様。
後にせい! 木場。
畏れながら
上申書を[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に送るのは→
お考え直された方がよかち
思いもす。
(田中)何じゃ? こいは。
徒目付役 大久保正助殿より→
田中様に宛てられた
書状にございもす。
大久保?
島に流されてこられた お人がいかなる人物か→
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩への文は そいを読まれてから
書かれるのが よかかと。
まさか あん男が西郷…。
西郷吉之助ちゅう男は生きちょったとか。
<この一件は 藩に知らされる事は
ありませんでした>
♪♪~
(ユタ)とぅま。
♪♪~
とぅまどん。
どげんした?
頼み事? ないでごわすか?
アンゴ…。
そいはできん。
♪♪~
1年前→
おいは死ぬ事ばかり考えちょった。
死に損ないのおいがこん島に来て→
やっと生きようち
思うこっができた。
おはんに出会えたからじゃ。
そげな女子をアンゴになど できん。
とぅまどん。
おいの妻になってくいやんせ。
♪♪~
♪♪~(歌声)
♪♪~
あ… 皆様。
今日は あいがとさげもした。
ほいなら。
ああ… もう。 んにゃ…!
おいは こげんたくさんの酒は飲めもはん。
な… 何ち?
そんな大きいのに酒ば飲めん訳? っち。
ほいなら ちょっとだけ。
んにゃんにゃ もう! おいは…。
(一同)あげ~!
ああっ とぅまどん!
大丈夫か?
あげ~!
あげっ。
ほれ。おいは いかんち。
みしょれ みしょれ!
もう…。
うん?
♪♪~(演奏)
おおっ…!
(とぅま)あ~!飲み過ぎじゃ。
♪♪~
ないごて?とぅまでは いかんとか?
ほいなら とぅま加那は?
こーろ?
こーろ。
心か。
愛…。
うん?
にゃ… 愛は どうじゃ?
ほうか!
愛… 加那?
愛加那。愛加那?愛加那。
愛加那。
愛加那…。
ないな まだあっとな?
♪♪~
おいの名前は→
西郷吉之助じゃ。
じゃっどん そん名は捨てた。
おいは 菊池源吾としてこん島で生きる。
愛加那と生きていく。
フフフ…。
ないごて泣くとな?
♪♪~
ありがっさまりょうた…→
わんぬうとぅ。
<「ありがとう 私の旦那様」ち→
愛加那は言うたんじゃ。→
今宵は ここらでよかろかい>
(久光)お前は 西郷吉之助の友ではなかったのか?
おいが どげんしてでん出世して
間違いを正しもす。
(木場)
御大老の井伊様が斬られもした。
(俊斎)そげんしてまで
出世したかとか?
ああ 出世したか!
黙れ!
(満寿)旦那さぁは 西郷吉之助様に
なりたかとでございもすか?
奄美大島の名産品 黒糖。
サトウキビの育つ温暖な地域で生産される黒糖は→
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩藩の専売品とされ
ばく大な富をもたらしました。
奄美大島の中央部に位置する
大和村。
島民の 直 川智が この地で→
サトウキビの栽培を成功させた事により→
奄美大島の黒糖作りが始まったと
伝わります。
サトウキビ作りは→
今も奄美大島を代表する基幹産業で→
直を祭った開饒神社は
地元のあつい信仰を集めています。
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩藩は 島民たちに
黒糖作りを強制しました。
黒糖地獄と呼ばれた この政策を→
西郷は 大久保に宛てた手紙で痛烈に批判しています。
島民たちは ソテツの実や幹を
毒抜きし かゆを作り→
食料を確保する生活を
強いられていました。
そんな島民たちが作り出した
黒糖が→
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩藩の財政を支えていたのです。
2018/05/26(土) 13:05〜13:50
NHK総合1・大阪
西郷どん(19)「愛加那」[解][字][デ][再]
「海の向こうから来る夫」が吉之助(鈴木亮平)だと知ったとぅま(二階堂ふみ)は心揺さぶられていた。そんなとき佐民(柄本明)が砂糖隠しの嫌疑で代官所に捕縛される。
詳細情報
番組内容
とぅま(二階堂ふみ)は、ユタ(秋山菜津子)から告げられた「海の向こうから来る夫」が、菊池源吾と名乗る薩摩からの流人(鈴木亮平)だと分かり、心を揺さぶられていた。そんなとき、砂糖隠しの嫌疑で、龍佐民(柄本明)が代官所に捕縛される。とぅまは激怒し島人たちと代官所に押しかけるが、そこに吉之助が現れる。とぅまは「薩摩の人間は信じない!」と言い放つが、吉之助は予期せぬ行動に出る。
出演者
【出演】鈴木亮平,瑛太,二階堂ふみ,蔵下穂波,里アンナ,高橋努,谷田歩,近藤芳正,秋山菜津子,木内みどり,柄本明,【語り】西田敏行
原作・脚本
【原作】林真理子,【脚本】中園ミホ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇