(鳥の鳴き声)
(吉之助)あげ!
(佐民)あ~っ。あ… 愛加那は?
愛加那は どげんな!?
(富堅)あげ~ また戻ってきた訳な!?
(里千代金)
あげ~ 落ち着きなさい。
(産声)
あげ! 生まれた!
生まれ… 生まれた! あ~っ!
♪♪~
(ユタ)あげ~。
(島の言葉で)
こいが…。
こいが おいの子か。
愛加那 お手柄じゃ。
ありがっさまりょうた。
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
クマヤ高倉のしゃーじゃかイジャシハジメヌ儀式すむてぃ…。
<赤子が誕生して7日目の朝→
イジャシハジメと呼ばれる祝いの儀式が行われました>
♪♪~
♪♪~(演奏)
<奄美大島に来て2年。→
島の娘 愛加那と結ばれた吉之助はついに父となったのです>
こん子には 菊太郎ち
名付けようと思いもす。
はい。 おいは 男でん女でん
「菊」を付けるつもりでごわした。
(愛加那)菊太郎。 いい名前じゃが。
いや それはいかん。
ならば…
菊次郎と付けてくりしょり。
ないごてでごわすか?
いずれ あなた様は[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に お戻りになる。
その時 あちらで
奥方を お迎えになりよっと。
ないを言われる?
佐民おじ…
島でめとった お前は
お上の定めで→
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に連れて帰る事は
できないんじゃ。
菊池様 あなた様は
いつか [外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩を背負っていく御方。
そんな事は この南の島しか
知らない わんにも分かります。
政の潮目が変われば
必ず 島を出ていかれる。
佐民さぁ
おいは こん島で生きるち…。
この子は
いつか[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に渡る事ができる。→
その時 菊太郎と[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩で名乗れば→
さきざき 気まずい思いをする事がありよっと。
いっときの情けに流される事なく
菊次郎と付けてくりしょり。
じゃっどん…。
愛加那…。
(石千代金)あげ~。
(里千代金)弾きしょり。(富堅)ああ。
♪♪~(三線)
♪♪「ハーレーカナイー」
♪♪~
♪♪「ナアヤイー」
♪♪~
<そのころ [外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩では 島津久光が小松帯刀をはじめとする→
優れた若者を取り立て 藩の政治の
中枢を担わせていました>
(茂久)面を上げよ。
(一同)はっ。
(久光)殿 江戸城 桜田門にて→
大老殿が不逞浪士たちの凶刃にお倒れになられたのも→
はや先年の事。 じゃっどん
御公儀の腐った政が→
大きく改めらるっ事はなく
日を増すごとに→
日本中で不満の声が
高まっちょっそうにございもす。
ならば父上。
はっ。我らも 一日もはよ→
先君のお志を受け継ぎ
兵を おこしましょう。はっ!
そんために まずは… 堀
お前は 江戸へ行け。
(堀)はっ。
小松は国元に残り。(小松)はっ。
中山 そして大久保
お前たちは京へ上れ。
(一蔵)はっ。
(中山尚之助)はっ。
<ついに異例の出世を遂げた正助は
国父の久光より名を賜り→
大久保一蔵と名を改めたのです>
あっ 大久保様じゃ!
みんな 喜べ!
殿が ついにお決めになられた。
近く 兵を御公儀に発せられる。
(どよめき)
いよいよ 我ら精忠組の忠義を
殿に示す時が来た!
(一同)おお!
そいだけじゃごわはん。
(大山)まさか…。
(新八)一蔵さぁが→
ずっと願い出ちょった あん事を!?
殿が お許し下された。
ちゅう事は 吉之助さぁが…!
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に帰ってくっとじゃ!
(歓声)
(タケ)早く来て!(愛加那)ぬーよ そんな急いで!?
ないごとな?
(タケ)いいんど!菊池先生 早くせんば!
(富堅)お~い!
義兄さぁ。
やーが[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩から送らせた訳な!?
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩から?ああ。
あげ!
あげ~ 重くて運べん。誰か呼んでこい。こいは…!
<サトウキビを搾るための鉄の輪が
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩から届いたのです>
正助どんが送ってくれたとじゃ!
遅なって すまんかった吉之助さぁ!んにゃんにゃ…。
今 何ち?
おいじゃ! 忘れたか!?
正助どん。
吉之助さぁ!正助どん!
吉之助さぁ 元気そうじゃのう。
また一段と大きくなったんじゃなかか?
おはんこそ こげん
きらっきらしくないおって!
あっ ひょっとして…。
愛加那じゃ。ほいで こいが菊次郎じゃ。
ああ。 2人のこつは→
吉之助さぁからの文でよう聞いちょいもす。
これが噂の正助どんな?
そうじゃ。
そいが 名を改めもした。
あげ… 正助どんじゃなくなったとか?
大久保一蔵でごわす。
一蔵ち 名前まできらっきらしくないおって!
先生 運ばんば! 日が暮れるど。
じゃっじゃっ。 積もる話は後じゃ。
おお みんな運んど!
重かで気を付けてくいやい。3人じゃ 3人じゃ。
そいっ おいしょ~! 重か!
鉄じゃっでなぁ。
こいは すごか~!
吉之助さぁ いつもこげな ちそうを食っちょっとか。
とんでもなか。 おはんのために
愛加那が用意してくれたとじゃ。
よか嫁さぁをもろたのう。
さあ 食べもんそ!ほあ 頂きもす。
そん前に 吉之助さぁ…。
殿の命にごわす。
すぐ[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に戻ってきてくいやい。
あいがとさげもす。
じゃっどん そいはできん。
おいは こん島に残る。
んにゃ 聞いてくいやい
吉之助さぁ。
今の[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩は もう おはんを
見捨てた頃の[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩じゃなか。
鉄砲も大砲も そろうちょっ。
やっと 亡き殿の御遺志を成し遂げる事ができる。
あとは おはんじゃ。
おはんは 亡き殿の手足となって→
各藩の有力諸侯と
意見を突き合わせた。
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩といえば 西郷じゃ!
西郷吉之助が おらんないかんとじゃ。
♪♪~
愛加那 そこにおっとじゃろ。ちょっ来てくいやい。
一蔵どん。
おいは ここに来るまでないも知らんかった。
藩には 途方もなか金が
あるもんじゃのうち→
思っちょったどん
そん金の多くは→
こん島から
搾り取ったもんじゃった。
そんために こいほど島の人たちを
苦しめちょったとは…。
じゃっどん
みんな よう笑っちょっ。
唄も踊りも ほんのこて美しか。
憎かはずの[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩のおいにまで優しか。
砂糖や作物は
[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩に全部召し上げられるが→
海には魚がおる。
山にはイノシシがおる。
腹が減ったら
いつでん釣りや狩りをして→
そん命を頂く。
おいは ここで生きる力をもろうた。
人の愛ちゅうもんを
教えてもろうたとじゃ。
おいにとって ここは… 極楽じゃ。
♪♪~
よか 食べもんそ。 ほあ!
これは 豚骨じゃ。頂きもす。
2018/06/03(日) 20:00〜20:45
NHK総合1・大阪
西郷どん(21)「別れの唄」[解][字][デ]
吉之助(鈴木亮平)と愛加那(二階堂ふみ)の間に男子が生まれる。同じ頃、大久保一蔵(瑛太)の尽力により、国父・島津久光(青木崇高)から吉之助への召還命令が下る。
詳細情報
番組内容
奄美大島に来て2年。吉之助(鈴木亮平)と愛加那(二階堂ふみ)の間に男子が生まれる。吉之助は菊太郎と名づけようとするが、龍佐民(柄本明)は、いつか薩摩に戻る吉之助の子供は菊次郎とすべきと説得する。その頃、薩摩の国父・島津久光(青木崇高)のもとで頭角を現した大久保一蔵(瑛太)の尽力により、吉之助に召還命令が下る。愛加那に別れを切り出せない吉之助。一方、愛加那はもう一人子を授かっていることを知る。
出演者
【出演】鈴木亮平,瑛太,二階堂ふみ,北村有起哉,高橋光臣,堀井新太,増田修一朗,町田啓太,里アンナ,高橋努,青木崇高,秋山菜津子,木内みどり,柄本明,【語り】西田敏行
原作・脚本
【原作】林真理子,【脚本】中園ミホ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇