不可能と考えられていました。
しかし 西田さんらは
こうした記録を洗い出し→
燃えた場所を 一つ一つ
地図に表していきました。
その結果
燃え続けた時間や延焼範囲など→
火事の全貌が 初めて
正確に分かってきたのです。
巨大な火災 大火は
繰り返し起きていました。
例えば
1772年に起きた 行人坂の大火。
26時間にわたって
燃え続け→
南北14kmを焼き尽くしました。
現在の目黒駅付近から上野駅の北にあたる距離です。
研究で明らかになった
大火の数は…
江戸は
3年に1度は大火が起こる→
世界に類を見ない都市だったと
分かってきました。
コーヒー お待たせしました。
えっ マスター何なんですか? それ。
江戸の町火消の魂 纏だよ。
纏?うん。 火事の時に→
町火消の一人が
これを持って 屋根に上がり→
みんなが集まる目印にしてたんだ。
へえ~。でも それが何で この店に?
まあ 店の主たるもの
やはり 火事には→
人一倍 気を付けなければならない
という事だ。
どうだ? いいだろ この纏。
ええ まあ…。
ねえねえねえ
でも どうして ここに置くの?
さすがに邪魔じゃない?
何だって?
邪魔だから
邪魔だって言ってんの。
邪魔ではない!
ほら めっちゃ邪魔になってる!
あ… あの 江戸って→
ものすごく火事が多かったんですよね。
そう。 まさに…
何か 江戸っ子っぽいですね!
でもね マスター
東京の生まれじゃないんだけどね。
えっ!?
「江戸っ子らしい」ってよく言うけど→
潔いとか
くよくよしないとか→
そういう江戸っ子らしさってね→
実は 火事で生まれたともいわれてるの。
えっ 火事で?
そうよ。
火事が多かったからこそ
江戸は 大都市になって栄えたの。
えっ!?
えっ!?
どういう事ですか?
それはね 江戸を襲った世界最大の火災に 秘密があるの。
なぜ 江戸は 大火を乗り越えて
発展する事ができたのか?
まずは 記録に残る 江戸最初の
巨大火災を見てみましょう。
それは 現在の山手線の内側→
およそ4分の1にあたる面積に広がった→
大きな火災でした。
世界の歴史でも→
空前絶後の大火災
といわれています。
今回 都市火災の研究者と共に→
明暦の大火の再現に挑みました。
まず 当時の建物を
種類ごとに正確に配置します。
大名屋敷なら大名屋敷の
データがありますので→
だから どういうふうに
建物が立ち並んでいたかと→
再現している。
次に 明暦の大火の時の風向きや風速を→
現代の東京のデータから→
推定していきます。
そして 最新の
シミュレーションによって→
炎の動きを計算します。
更に 当時の被災者の体験記を集め照らし合わせていきました。
こうして明らかになった→
明暦の大火。
被災した職人 亀岡久三郎の→
体験記を軸に 描いていきます。
物語は 江戸城の北の町
本郷から始まります。
体験記の筆者 亀岡久三郎。
友人2人と共に 昼食に招かれた知り合いの家を訪ねました。
伯父さん。