2018/08/01(水) 00:40〜01:30 NHKスペシャル 大江戸 第3集「不屈の復興!!町人が闘った“大火の都”」[字][再]


おお 七右衛門!
お邪魔します。
お邪魔します。
久三郎 長兵衛も よく来たな。

風が強くて 大変だったろう。
いや
江戸城の台所方が作る飯なんて→
めったに食えないですから→
風くらい大した事ないですよ。そうそう。
<目の前には→


焼き目のついたかまぼこ→
見事な柿や
みかんが積まれてあった>
午後2時ごろ
突然 騒ぎが起こります。
(戸が開く音)
おやっさん!
火事ですよ!
本妙寺から出火したみたいで→
表は もう大騒ぎです!
本妙寺? すぐそこじゃねえか。
出火した本妙寺は→
久三郎たちがいた家から→
僅か350m。
<にわかに辺りが騒がしくなった。→
もったいないので
かまぼこを慌てて 懐にしまい→
三人で表に出た>
久三郎たち3人は→
迫り来る炎に
追い立てられるように→
避難を始めます。
火災シミュレーションの結果→
炎は 家から家に燃え移るのに
僅か20秒→
驚異的な速さだった事が
分かりました。
なぜ これほどの速さで
進んでいったのか?
当時の町の造りを見れば

その理由が分かります。
隙間なく並ぶ 木造の建物。
路地を走る下水道の上には木の蓋。
これらが 導火線の役目を果たし→
驚くべき速さで炎を広げていったのです。
本郷から 自宅のある
南へ避難しようとした→
久三郎たち。
目の前に 思わぬ難所が立ちはだかります。
日本橋です。
火事から逃げようと大勢が この橋に集中し→
身動きができなくなっていました。
痛い 痛い 痛い… 痛っ!
おい 久三郎 どうするんだ?
このままじゃ 焼け死んじまうぞ。
よし 渡ろう。
渡るって どこを?
ここをだ。
えっ?
なるほど。
えっ えっ?
<友人2人と相談し→
一歩ずつ 欄干の外幅一尺ほどの所を歩く>
ああっ!
(川に落ちる音)
なんとか
日本橋を渡りきった3人。
助かった~。
ほっとして振り返ると…。
おい あれ!

渡ったばかりの日本橋が焼け落ちました。
「この時 人々は
世にも恐ろしいものを目にした」→
と記されています。
「大地にほとばしり→
町じゅうに
飛び出していった」。
「車輪のような猛火」。
これは 一体 何なのか?
都市火災の専門家と共に
当時の状況を再現しました。
さまざまな風の条件によって→
炎がどう動くのか 観察しました。
すると 炎が集まり→
竜巻のように回転しながら高さ8mまで燃え上がりました。
これは 現代では→
火災旋風と呼ばれて研究が進む→
特殊な現象です。
都市火災の実験で→
これほど大きな火災旋風が
生じたのは 初めての事。
この結果から 明暦の大火では→
高さ50mもの火災旋風が発生したと推定されました。
巨大な炎は→
将軍が暮らす江戸城をのみ込み→
日本一の天守閣を焼き尽くします。
命からがら 日本橋を渡りきった久三郎たち3人。
逃げるなら あっちだ。
よし 行くぞ!よっしゃ!
お… おい!