頼んだぜ~。
お~い みんな かかれ!
そいや!引け~!
(一同)おお~!
こうして 何度も家や家具を焼かれる中で→
江戸に新たな価値観が
生まれていきます。
お金や物に執着しない
身軽な生き方。
粋で いなせな
江戸っ子の誕生です。
その痩せ我慢の矜持を胸に
浮世を身軽に生きていく。
そんな江戸っ子への褒め言葉は…。
「お前さん 粋だね!」。
やっつけろ!
(一同)合点だ!
そして あの言葉。
火事を人生の一部として受け入れた 江戸っ子たち。
町火消をヒーローとして楽しむ
さまざまな文化も生み出しました。
よし 行くぞ!
(一同)へい!
巨大な火災が繰り返される
江戸の町で→
日本初の消防組織を作り出した
町人たち。
更に 火事のあとのすばやい復興も
町人たちが担っていきます。
おい 隙間空けねえようにな。
へい。
これだけの資材
どこから調達したんです?
商人たちは みんな
こういう災害のために→
木材を あらかじめ形に切って
川向こうに貯蔵してるんだ。
へえ~。
木材を貯蔵していたのは→
江戸中心部の
住宅密集地から離れた安全な場所。
木場です。
町人たちはお金を出し合い→
復興のため 常に大量の木材を
木場に集めていたのです。
更に 町人は
被災者のための非常食も→
町の施設に蓄えていました。
例えば…
町人 50万人が
半年以上 食いつなげる量です。
材木や食料は 災害後→
1日あれば 水路を使い江戸中に届く仕組みでした。
被災した誰もが
安い値段で木材を使い→
ただで非常食を受け取る事が
できました。
こうした仕組みによって
店や 住まいが焼かれても→
3日もあれば 生活や商いを
再開する事ができたのです。
生き延びた連中は
下を向いてばかりじゃいけねえ。
明日の江戸のために できる事から
やっていかねえとな。
そうそう。 江戸の商人は
こんな事じゃ へこたれねえ。
さ どうです? そばでも。
1つ もらおうか。
はい 毎度~!
はい お客さんだよ~。
巨大火災という宿命を背負った
江戸。
町人たちは
知恵と工夫と 不屈の心で→
この大火の都を
生き抜いていました。
町が燃えても くよくよしないで
すぐに前に進む。
この潔さが江戸っ子なんですねえ。
お前さん それが分かるなんて→
粋だねえ!
幕末にね 日本を訪れた外国人が→
江戸っ子の事を
書いてる本があるの。 よいしょ。
あった。
たくましいなあ! 不死鳥のような江戸っ子の心意気→
何か 粋ですね。
分かってくれるかい。
さあさあ コーヒー飲みねえ!
いや 「すし食いねえ」みたいに言われても…。
飲みねえ 飲みねえ!
マスター 粋ねえ。
おっ そう思ってくれるかい。
うれしいねえ。
だって このコーヒー
マスターの おごりでしょ?
えっ そうなんですか?
さすが江戸っ子。 粋ですねえ!
(2人)ねえ~!