♪♪～
（砲撃音）
＜慶応４年１月３日 夕刻＞
（吉之助）こいでよか。
＜後に言う 鳥羽伏見の戦いが始まりました＞
（小兵衛）兄さぁ 撃っても撃っても
敵が出てくっど！
（信吾）くっそが！
どんだけおっとじゃ！？
（一蔵）戦況は お味方不利。
（岩倉）最後の手段や。あれの出番や！
ひるむな～！
相手は賊軍じゃ！
かかれ～！
何だ！？どうして ここに！？
兄さぁ！ あいは！？
錦の御旗じゃ。
＜誰も見た事もない 嘘とも
まこととも分からぬ この旗を→
岩倉の独断で
新政府軍に掲げさせたのです＞
こんまま一気に
大坂まで追い打ちをかけっど！
追い打ちまでせんでも
よかでごわんそ？
敵も味方も大勢倒れちょっ！
こいは戦じゃ！
そいでも まだ兄さぁは…。
信吾！ 信吾～！
（小兵衛）信吾兄さぁ！ しっかい！
急ぎ手当てをしてくいやい！
こいは…。
もう助からんど。
（半次郎）もう ここは
おいたちで十分でごわす。
（新八）信吾のとこに
行ってくいやい。
私情を挟む暇はなか。
上様 何とぞ 御陣頭に！
何とぞ 御陣頭に！
慶喜公が消えた！？
（川路）重臣と共に城を抜け出し…。
どこに向かったとな？
（新八）江戸でごわす。
夜逃げか…。
（お虎）こないな所に化け物が！？
（ウィリス）私は医者です。
（小兵衛）信吾兄さぁ。
（お虎）信吾はん？
ウィリス先生が
助けて下さったとじゃ。
エゲレス人の医者じゃ。
吉之助さぁはおらん。慶喜討伐の勅命が下されてのう。
兄さぁは 鬼になってしもた。
そいは ちごっ 信吾。
ウィリスさぁを京へ呼んだのは
吉之助さぁじゃ。
＜当時 京に異人が入る事は
許されていませんでした＞
控え 西郷！ 下がれ下がれ！
日本国の行く末を担う者たちの命を→
一人でも多く
救いたいのでございもす！
＜これにより 新政府軍の兵の命が
大勢救われたのです＞
（有栖川宮）慶喜さんも
上野の寛永寺に謹慎して→
天子様に恭順を示してはるって。
ここで手を緩めてはないもはん。
慶喜討伐は
天子様の御命令にごわんど。
＜江戸城総攻撃は
３月１５日と決まりました＞
（勝）錦の御旗を掲げて
図に乗ってるやつら→
あんた 許す訳がねえ。 やつらは
あんたの お首が欲しいんですぜ。
フランスの力を借りて 大坂湾から
京を攻めちまえばいいんですよ。
（慶喜）その時こそ 日本は終わる！
日本は 異国の手に渡る。
戦を続けるつもりはない
という事ですな？
止まれ！
ひっ捕らえろ！
（半次郎）待て おはんら！
貴殿は？
朝敵 徳川慶喜が家来 山岡鉄太郎。
勝様は すぐに進軍をとどめ→
おいに 江戸に来いと
言うておるのですな？
申し訳なか
いくら勝様のお言葉でも→
そいは聞けもはん。
お待ち下さい 西郷殿！
今 この国で むごい殺し合いを
している場合でありましょうか？
この命と引き換えに 我らが願い→
天子様へお伝え願いとう存じます。
やめっ！