(砲撃音)
<慶応4年1月。→
西郷吉之助率いる新政府軍は鳥羽伏見の戦いで→
徳川慶喜を大将とする
旧幕府軍を打ち破りました。→
吉之助は 家臣たちを残して
逃げ出した慶喜を追い→
5万の大軍と共に
江戸へ向かったのです。→
江戸城総攻撃の日は
三月十五日と決まりました>
(吉之助)篤姫様。
(幾島)天璋院様でございます。
(天璋院)待っておったぞ 西郷。
♪♪~
お懐かしゅうございもす。
よい。 頭を下げねばならぬのは私の方じゃ。
西郷 頼みを聞いてくれ。
慶喜公のお命乞いでございもすな。
いいえ。
慶喜殿の首一つで→
この戦を終わらせてくれ。
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
慶喜公の御首を差し出すと?
そなたが 今最も望んでおるものであろう。
(幾島)西郷さんに
その事を お頼みするために→
天璋院様は お城から
お逃げにならしませんでしたんや。
天璋院様のお覚悟
お分かりであろう?
思えば 我らが人生の転変は→
慶喜殿で始まったのじゃ。
はい。
(斉彬)そなたの まことの役目は江戸城 大奥に入り→
次の将軍は 一橋公にと
お決め下さるよう→
公方様のお心を動かす事。
(斉彬)[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩の守り神じゃ。
(天璋院)父 斉彬公は
天より このありさまを→
どのように見ておられるであろう。
我らは 慶喜殿を将軍にと働いておったのに→
今では 共に
亡き者にしようとしている。
まっこて 時の移り変わりとは
非情なものでございもすな。
しかしながら この始末は
自らつけねばならぬ。
慶喜殿が死して後…→
私も自害する覚悟じゃ。
天璋院様…。
西郷 最後の頼みじゃ。
私と慶喜殿の命は差し出すゆえ→
どうか徳川家だけは救ってほしい!
そこまで
天璋院様を追い詰めてしもて→
まっこて申し訳ございもはん。
西郷。
じゃっどん
こん戦を止める事はできもはん。
なんと! 西郷…!
慶喜公を討ち果たし→
完膚なきまでに
徳川を打ち砕かねばないもはん。
♪♪~
待て 西郷!
江戸城への総攻撃は
15日と決まりもした。
天璋院様も幾島様も
はよ逃げてたもんせ。
いいえ。
私は… ここにおります。
♪♪~
徳川の名に懸けて→
私も 命を懸けて戦うのみです。
(せきこみ)
幾島?
(せきこみ)
いかがなされもした?
幾島!?幾島様。
控えよ! 天璋院様と共に…→
共に戦う身じゃ!
(せきこみ)
幾島 そなた もしや…!?
これが ほんまに→
最後のご奉公でございます。
(せきこみ)
<そして 江戸城総攻撃の前日>
回想
(山岡)お待ち下さい 西郷殿!→
今 この国で むごい殺し合いを
している場合でありましょうか?
分かいもした。
勝様に お会いしもんそ。
♪♪~