苦しめようと思うんだからね。そうですね。
それだけじゃ
やれないっつうんだね。
補償しないとね
。
相手の人格を認めて
補償しないといかんのだね。
自分が良くなれんのだね
。
<
「相手を恨むだけでは勝てない」>
<そう
話してくれました>
<その相手とは
誰なのでしょう?>
<今から11年前
一人の人物が名乗り出た>
<1968年
静岡地裁の一審で→
袴田さんに対する
死刑判決を書いた→
[外:C01D2BAFCE469DA1ABBB612FDB16C1E3]裁判官の熊本典道さんだ>
<熊本さんは袴田さんに対して→
実は無罪の心証を持っていたと
告白した>
<当時
3人の裁判官の合議で→
熊本さん以外の2人が→
死刑と判断したのだという>
<判決を書いたのは→
当時30歳の熊本さんだった>
<書いた本人自ら
間違っていたという判決を→
後悔し続けて
生きて来たという>
<袴田さんへの死刑判決の直後→
裁判官も辞めた>
<ひと目会って謝りたいと
東京拘置所を訪れたが→
袴田さんとの面会は
かなわなかった>
(
島内さん)動かしてあげるわ はい。
<あれから10年>
<熊本さんは九州の福祉施設で暮らしていた>
(
島内さん)はい 立って よいしょ…。
どっこいしょ
。
<身の回りの世話をしているのは
パートナーの島内さん>
<熊本さんは離婚して
身寄りもなく→
生活保護で暮らしている>
(島内さん) おいしい?
笑って
笑って~ ハハハ…。
笑って~
ハハハ…。
<脳梗塞で倒れて以来
言葉がうまく出て来ない>
<体も不自由で
外出もままならない状態だ>
<それでも…>
熊本さんの夢ですねそれは… はい。
私が
「会いたい?」っつったら→
やっぱ
涙流して 「会いたい」って言われるんですよ。
<死刑判決を受けて
半世紀>
あんた買って来たパン
クリームパン。
触るなよ!
「触るな」…。
触んな
。手で触るからね。
ハハハハ…
。
<[外:C01D2BAFCE469DA1ABBB612FDB16C1E3]裁判官と死刑囚>
<一度の判決が→
2人の人生を狂わせた>
ハハハ…。
じゃあ
早く帰って来なよ。(袴田さん) うん。
<仕事だと言って
背広姿で一人 出掛けて行く巖さん>
<浜松に戻り
1年半ほど過ぎた頃から→
外出が日課になりました>
<20分ほど歩いて浜松の中心街へ>
<時々
立ち止まっては→
指で何か合図を出しています>
<こうして毎日5~6時間は歩きます>
<その姿は
多くの人の目に留まります>
(
笠井の声)いつも ここ通られる…?
(