。
(
せき込み)
巖
。
あ~
分かるね!
分かるね
。
いわお…
。(秀子さん) 巖 そうだよね。
(
秀子さん) 巖。
会いに来たの
ねっ?
うん
うん…。
会いに来た
。
悪かった…
。うん。
(
秀子さん) 頑張ってね ねっ?
頑張ってね
。
<死刑判決の法廷以来
50年ぶり>
<わずか10分の
短い対面だった>
<長旅の後
また静かな日常に戻った巖さん>
<周囲の誰もが→
熊本さんのことは分かっていないと思っていました>
あの…
九州で→
どなたに
お会いしたんですか?
もう忘れちゃうんだが
名前…熊本か?
熊本裁判官か?
熊本裁判官って どなたですか?
一審のね…
一審の裁判官だね 熊本は。
覚えていらっしゃったんですか?
顔は まるで違っちゃってるからね→
分かりゃせんのだね
。
再会できて
よかったですね。
そりゃ
まぁね。
人間
生きてりゃ 会えるんだね。
巖さんも長生きしてくださいね
。
アハハ
まぁ…死なないとなってるんでね。
死なないとなってるから→
信じて行かにゃあしょうがないんですね。
じき
死ぬなんてことじゃあね。
<今年6月>
<4年越しで 東京高裁の決定が出されることになった>
<決定の前日
「巖も東京に行く」と→
秀子さんから
電話をもらいました>
(
秀子さん) 何が?
(
秀子さん) ローマ 行ったよ?
(
秀子さん)ローマ 行くだよ 今日は。
(
秀子さん) どこ行くの?
(
袴田さん) さて… 車は?
(
秀子さん)ん? 車 来るんで待ってて。
<
「今日もローマに行こう」そう言って→
誘ってみましたが…>
<何かを感じ取ったのか>
<巖さんは
浜松に残ることになりました>
(
かしわ手)
<一人
東京に向かう秀子さん>
<心は平常心>
<静かに その時を待ちます>
≪弁護団が出て来ました
そして 旗を広げます≫
≪
「不当決定」≫
≪
「不当決定」と書かれた旗が掲げられました≫
<今年6月>
<東京高裁は袴田 巖さんに対する→
再審開始決定を取り消した>