も、
人口はおよそ１７万人だ。
この地域の医療を支えているのが、
豊岡市にある公立豊岡病院。
救命救急センターで患者搬送の中核を担っているのがドクターヘリ。
いざとなれば、
移動をしながら手術ができるほどの医療機器が備わっており、
空飛ぶ救命救急室とも呼ばれてい
る。
山間部で機動力を発揮するこのヘ
リ。
鳥取県から京都府までをカバーし
ている。
＞＞もしもし、
ランデブーはどちらでしょうか？２９番。
＞＞ドクターヘリ出動の要請は、
１１９番の一報を受けた消防本部から入ってくる。
ドクターヘリは、直接患者のもと
へ向かうのではない。
ランデブーポイントと呼ばれる着


陸地点で、
患者を搬送してきた救急車と合流
するのだ。
ドクターヘリの定員は６人。
医師が２人と看護師が１人、
そして整備士と機長が乗り込む。
＞＞車の単独事故ですかね。
＞＞ヘリが向かうのは、
豊岡市の南に位置する養父市。
＞＞ドクターヘリ、豊岡１より、
兵庫・豊岡、患者の概要をお願い
します。
どうぞ。
＞＞車の単独事故です。
傷病者１名、５０代、男性、
胸の痛み。
事故現場、
ランデブーから西に１．６キロで
す。
＞＞車でなら片道およそ４０分か
かる距離だが、
ヘリは７分で到着した。
ここで車の単独事故を起こした患
者が搬送されてくるのを待つ。

＞＞考え事をしてたということで。
＞＞考え事をしてた？
＞＞事故を起こしたのは７６歳の男性。
軽自動車を運転中に、
ガードレールに衝突して胸を強打した。
現場は見通しのいい直線道路。

男性は考え事をしていたというが。
＞＞このまま目をつむって、この
ままにしておいてくださいな。
離しますよ、そのまま。
何が心配かっていうとね、
考え事をしとって事故起こしたと
おっしゃってるんですけど、
事故の前に、
脳卒中みたいなんしてね、
左側がおかしなって事故を起こし
てたんだったらちょっと嫌やなと
思ってるんですけど。
＞＞おー、はいはい。
＞＞左手はふだんどおりですか？
今、ちょっと、おかしいですよね。
＞＞おかしいですね。
＞＞医師は命に危険がある脳梗塞や脳内出血の疑いがあると判断し
た。
ヘリが病院に戻ってきたのは、出発から２７分後。
男性の頭をＣＴで検査する。
心配された脳梗塞や脳内出血は、
幸いにも見られなかった。
常に最悪の事態を想定して患者の治療に当たる、
それがこのドクターヘリを運用す
る豊岡病院の方針だ。
豊岡病院では、
１７人の医師が、
交代でドクターヘリに乗務してい
る。
＞＞ヘリ要請入りました。

９５歳、女性の方。
＞＞ヘリが飛ぶことができるのは、
午前８時３０分から日没までのおよそ８時間。
この日、
出動して向かうのは、兵庫県朝来市だ。
患者はデイケア施設で過ごしてい
た９５歳の女性だ。
＞＞１２時１０分ごろに、
食事中にテーブルにうつ伏せになっているという状態を、施設の職
員が発見されて。
＞＞施設の方なんですね？
＞＞そうそう。
＞＞豊岡病院では、消防本部に、
軽症と思われる患者であっても、
重症のおそれがあると見
なして、ちゅうちょせずドクター
ヘリを呼ぶように求めている。
理由は、１１９番通報した人には、
患者が軽症か重症か、正しい判断ができないからだ。
＞＞お母さん、