華丸≫サービス。
近江≫志の輔さんが新しいことや
「ガッテン!」の司会に
チャレンジすることは
談志師匠はどのように
おっしゃっていたんですか?
志の輔≫そもそも私の師匠は
私に対して協会を脱退して
最初の弟子なんです私は
何かにつけてお前は
俺の実験第1号だから
どうなるか分からないけれども
とにかく実験だと
常に言っていたので。
やっぱりいろいろなことを
やってみようと思うことに
関しては
談志は一切そのことについては
何も言いませんでした。
二十何年間一度も私の落語は
見に来ませんでした。
亡くなる7年、8年前だったと
思いますね。
渋谷の劇場に見に来ました。
客席に座りました。
楽屋は大騒ぎで
談志師匠が来ているって
ええって言いながら。
三席やるから
一席やったら帰るだろうと
思っていたら
そのとき三席やったんです。
休憩時間もあったのに
談志師匠がまだいらっしゃる
みたいですよと。
とにかくスタッフがもう
なんでですかね、ああいうときの
スタッフは
どういう感覚なんですかね
わざわざ楽屋に来て
談志師匠が来ましたって
言わなくてもいいと
思うんだけれども。
休憩時間に
まだいらっしゃることに本人が
驚いて、まだいらっしゃいますと
そういうこと必要ないと
思うんだけれども
どんどん緊張して
最後の落語が終わって
きょうは実は私の師匠立川談志
客席で初めて私の落語を
聴きに来てくださいまして本当に長い間続けてきたかいが
ありましたと。
今もう師匠帰ったと思いますけれどもと言うから
いるよ!と
照明さんがぼんと明かりをつけてくれて
そうしたら
後部座席のいちばん
下手のほうにいて
いらっしゃいましたか
よろしかったら上がっていただけ
ますか?と言ったら
そうかと言ってきて
舞台のところに足を引っ掛けて
まあここで長い間
大勢集めてやっているというのは
聞いてたんだけど
きょう初めて見た。
いいとか悪いとかじゃなくて
俺は弟子の落語会、三席も始めから終わりまで
全部見たのは人生の中で
初めてなんだと言ってくれたことが
最高のことばでしたね。
私も師匠にかけることばとしてはよく耐えましたよね。
大吉≫何をおっしゃる。
華丸≫引きつけられた。
大吉≫
談志師匠が
おっしゃったのがお前はとにかく
売れてこいということだったそうですね。
志の輔≫それ以外言いようが
なかったんでしょうね。
立川流を立ち上げました。
立ち上げたはいいけれども立川流は何ですかと言われたら
立川談志が作った流派です
ということの次に
何かということになる
だからでしょう
だからとにかくやりましたね。
いろいろな仕事をやりましたね。
いろいろなところで
リポーターをさせてもらって
いろいろ吸収もできましたし。
大吉≫そのリポーターに採用され
るまでも大変でしょう。
事務所もそんなに
大きくなかったし。
志の輔≫事務所なんて
全然ないんですよ。