だから読んでみたんだと言って
いました。
大吉≫談志師匠はがんがんやって
くるんですね。
公演ではオリジナルの創作落語が披露されます。
代表作の1つ「歓喜の歌」。
年の瀬、公民館の職員が
ダブルブッキングしてしまった
2つの似た名前の
ママさんコーラスの騒動を
描いています。
志の輔≫「ダブルブッキング
みたいです」
「何?」
「ダブルブッキング」
「ダブルブッキング?加藤君。
若いからってそういう物ばっかり
食べてるとよくないよ」
「ダブルバーガーじゃありません。
ちょっと見てくださいよ、黒板。
あしたのママさんコーラス。
三多摩レディースコーラス。
今、電話で話してたのが
三多摩町コーラスガールズ
なんですよ」
「黒板がレディースコーラス。
電話がコーラスガールズですよ」
「それ一緒じゃん」
「一緒じゃないでしょ。
黒板がレディースで
電話がガールズですよ」
「加藤君、頭使うの、もう!
予約したときは
ガールズだったんじゃないの。
半年たってんだよ。
レディースにもなるさ」
「ちょっと何言ってんですか」
落語のあと、後ろの幕が開き
ママさんコーラスの大合唱。
この演目は後に
映画化もされました。
志の輔≫何なんですかね。
今、近江さんが
言ってくれましたけど
僕は普通に古典落語を
今から30年ほど前ですかね
国立演芸場でやって
それが終わって
楽屋に入ってきて
必ずお先に勉強させて
いただきましたと、師匠に
正座をして
そんなに自分で
悪いということもなく
普通にお客様も笑い
古典落語をきちんと
やってきたつもりだったんだけど
師匠がいきなり着替えながら
お前、今の落語で何が言いたかったんだ?と。
「猫の皿」という古典落語を
やったんですけど。
そのことばが
頭から離れないんですよそれから。何が言いたかったんだ
落語で何が言いたかったんだと
言われるとは夢にも思ってないし。
例えば、しーんとしちゃって
お客さんに見事に受けられてもだめで
そういうときに
怒られているならいいけど
普通という感じなのに
何を言われているのかなと思って
少しずつ考えているうちに
うちの師匠の談志の落語を聴いていると結局
何かを言おう言おうとして
いろんな言い方をしている
時にはけんかも始まる。
お客さんとの言い合いが始まった
りすることもいろいろあったけど
もめ事もいろいろあったけど
師匠は常にお客さんに何かを
伝えたいと思ってやって
いるんだなということに
気が付いているうちに
だんだん新作落語が
少し増えてきたという。
それが原因じゃないですかね。
大吉≫僕らも今回特別に夏のものを
見せていただいたんですが
想像はもちろんしていました
それをはるかに超える
落語という枠から、はみ出していらっしゃらないですかと。
華丸≫一代限りのというか。
大吉≫これは誰が跡を継ぐんですかって。
華丸≫後に古典になるのかと。
志の輔≫
一応入門した半年後に師匠が
落語協会を脱退するわけです。
そうすると寄席に出ない
状態になるわけです。
いろんな空間すべてが