これから 群れの規則を学んでいかなければなりません。
チンパンジーは 決して独りでは
生きていけないからです。
♪♪~
カネル。
カネルは すくすくと成長しています。
1歳になり仲間と一緒に学んでいます。
世話係のボスコが教育しています。
チンパンジーはボスコの身振りを見て理解し→
そして まねをします。
早く食べたいのかい?
パトリシアは チンパンジーが→
こうした生きるためのすべを学ぶ事で→
成長してくれる事を願っています。
うれしそうだね。
野生の世界と同じように→
ここでも まねをする事が学習の基本です。
1歳になったカネルには
徐々に個性が表れてきました。
とにかく好奇心が旺盛です。
更に 手が早く…。
遠慮がありません。
これで良しと。
キャンプでの決まり事にも
すっかり慣れました。
もちろん 夕食のメニューにも。
どうぞ。
夕食後は 安全のために→
仲間たちは一緒の部屋で眠る事が決まりです。
しかし この日 ネニュファールは
部屋に入りたがりません。
まだ帰りたくないの?
野生のチンパンジーは成長すると木の上で眠ります。
パトリシアは
キャンプのチンパンジーが外で眠るのは→
まだ早いと考えています。
しかし 野性の本能が強く表れてきています。
おいで。
ネニュファール ネニュファール。さあ 来い 帰ろう。
うん?
からかってるのか?
(犬の鳴き声)
ネニュファールの行動から パトリシアは重要なメッセージを受け取りました。
野生の世界に いつ戻るのか。
そのタイミングを決めるのはチンパンジー自身です。
そして ネニュファールは→
自由を求めて野生に戻りたがっているのです。
パトリシアはキャンプで4年間 暮らした
年上のチンパンジーたちを→
野生に戻す事にしました。
慌てないで。 カネル ミルクは?おしまいね。
しかし カネルは まだ1歳。
母親が必要です。
あと数年は
安全なキャンプで たくさん遊び→
たくさん学ばなければなりません。
カネルは パトリシアが救った18番目のチンパンジーです。
さあ 行こうか。
世話係のボスコが→
カネルや年上の仲間を連れて
沼地へ向かいます。
カネルは 沼地へ行く理由も→
あと数日で仲間が去ってしまう事も→
まだ知りません。
チンパンジーは本能的に水を怖がります。
泳ぐ事を知らないからです。
しかし ジャングルで生きるためには水に慣れなくてはいけません。
更に ポーズをとって
仲間とコミュニケーションをとる方法など→
カネルはチンパンジー独自の言語を
もっと学ぶ必要があります。
世話係のボスコは
何年にもわたって→
年上のチンパンジーたちに
水との接し方を教えてきました。
いまや彼らは 水への恐怖心を
克服するどころか→
水遊びが大好きになっています。
あと数日で群れに大きな変化が訪れます。
年上のチンパンジーたちは
キャンプを出て 島に渡るからです。
そして カネルは 数年後に→
島で仲間と再会する事を目指します。
島には 5年前
パトリシアによって放たれた→
チンパンジーの群れがいます。
群れを支配するのはオスのバンブーです。
バンブーが こっちを警戒してる。
前は おとなしかったけど今はナーバスになってる。
慎重に近づかないと駄目よ。
後ろ!
攻撃的な振る舞いは
成長の証しです。
バンブー こっちへ来ないで。
こっちは深くて危ないから。来ないで!
バンブーは
縄張りを守ろうとしているのです。
マンゴー こっちに いらっしゃい。
この数日島の大人のチンパンジーたちは→
ある大切なものを守ってきました。