一つの希望は→
その女性の手から→
生まれる。
事故で片腕を失った男性。
長く 人前に出ることを避けてきたが彼女の作った手で 希望をつかんだ。
彼女が作るのは 人工ボディ。
生まれつきの障害や事故や病気で失った体の一部を補う→
シリコン製のボディパーツだ。
彼女が求めるものは たった一つ。
福島有佳子。
当代一と言われる人工ボディ技師。
これまで 2,000人以上の体を復元。
その技術は 海外からも注目を集める。
福島が目指すもの。
それは リアルの その先。
♪♪~(主題歌)
♪♪~
福島の人工ボディは 完全フルオーダー。
分業での製作もある中福島は全ての作業を一人で行う。
若き日。 お客から罵声を浴び続けた。
生まれつき足先がない女性。
おしゃれなサンダルで
街じゅうを歩きたかった。
でも それは 諦めなくてもいい夢。
涙が笑顔に変わるまで 女神は闘い続ける。
朝食作りにお邪魔した時
ストレートに言われた。
「撮影しても ほんとに使うの?」。
そう言われると ちょっと不安になる。
これだけでも
こだわりの強い人だと よく分かった。
念のため 家族にも聞いてみた。
福島の職場は大阪市の中心部にある。
ミーティングしま~す。
昨日の直ししたいから それ入ります。
福島は 工房のリーダーとして
4人のスタッフを取りまとめる。
月の来客数は 平均40人。
その多くが 事故や病気で体を失った人や身体に先天的な障害のある人たちだ。
福島が作るのは 人工ボディと呼ばれる
シリコン製のボディパーツだ。
指や耳 顔面の一部まで
福島は関節以外なら何でも作る。
血管やシワ 肌の質感までもリアルに再現。
しかも 利用者の生活も支える。
福島は この技術のパイオニアとして
知られている。
その技術は 他の追随を許さない。
それを可能にしているのは徹底したフルオーダーによる。
製作工程は 大きく4つ。
まずは カウンセリング。
造形作業。
そして…
分業での製作もある中
福島は全ての作業を一人で行う。
そこに こだわりがある。
福島の人工ボディはいかにして作られるのか。
この日訪れた
新規のお客の取材が許された。
いってきま~す。
≪(福島)こんにちは~。 どうも~。
和歌山から母親と子供を連れて
やって来た 田中さん。
生まれつき 手に障害がある。
新規のお客を迎えた時福島は すぐに本題には入らない。
冗談を言いながら 見ているのは
依頼人の表情やしぐさ。
そして少しずつ 日常を探り出していく。
次第に打ち解けてきた 田中さん。
福島のもとを訪ねた理由を語り始めた。
子供の入学式や授業参観で→
自分の障害が気付かれないように
手を作りたいという。
手的には
ちょっと これとは違いますけど…
デリケートな悩みを
抱える人たちのために→
福島は常に
いくつかの選択肢を用意している。
次に提案したのは 指一本一本に
取りつける キャップタイプのもの。
カバータイプに比べ
キャップタイプのものは→
人の目に気付かれやすく
装着にも手間がかかる。
それでも興味を示した田中さんの表情を
福島は見逃さなかった。
見た目だけなら
リアルなものが1つあればいい。
しかし福島は そうしない。
思いつく提案を次々に出しては相手にあてていく。
そこに 福島が大切にする
一つの流儀がある。
カウンセリングを終えると
福島は手形をとった。
(福島)ありがとうございます。
そして 指一本一本にはめる→
キャップタイプの造形作業に
取りかかった。
福島の人工ボディのすごさは