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コロッセオ。
古代ローマ帝国を代表する巨大建造物です。
民衆の娯楽のために
これほど莫大な費用を投じ→
流血の舞台を作り上げた
文明国家は他にはありません。
古代ローマの記録には
コロッセオでの見せ物が いかに→
おぞましいものであったかが
詳しく記されています。
剣闘士たちを死ぬまで戦わせる。
猛獣を無防備な人々に けしかける。
果ては
模擬海戦で多くの人の命を奪う。
それらの残忍な見せ物は→
なぜ どのようにして行われたのでしょうか。
地下遺跡の研究者は→
模擬海戦用の水をコロッセオに引き込むための→
極めて高度な技術を発見しました。
法医学者は 戦いで傷ついた剣闘士の遺骨から→
彼らの死の真相を探ります。
(カンツ)本物の剣闘士の遺骨をついに手にしたのです。
建築家たちのチームは→
古代の舞台装置の複雑な仕組みを解明し→
その再現に挑みます。
世界遺産である現代のコロッセオに→
古代の舞台装置が
よみがえります。
古代ローマの血生臭い見せ物。
現代の科学は→
その真実を解き明かす事が
できるのでしょうか。
コロッセオは ローマ帝国の→
栄光の象徴であると同時に→
人々の暴力性を物語る
巨大建造物です。
それは
古代ローマ最大の円形闘技場であり→
巧みな設計と
工学技術の集大成です。
外周およそ530メートル。
高さ およそ50メートル。
完成したばかりのコロッセオの外壁は
光り輝く青銅の盾や→
神々と英雄をかたどった彫刻で
飾られていました。
現在に至るまで コロッセオは→
ローマの風景に欠かせぬ存在感を放っています。
建設された当時
コロッセオの人々への影響力は→
絶大なものでした。
コロッセオの内側では5万人の観客が→
血生臭い見せ物に
喝采を送りました。
生死を懸けて戦う剣闘士たち。
公開処刑。
巧みに演出された猛獣狩り。
数百年間に100万もの人々が→
コロッセオの舞台で
残虐な死を遂げました。
大きな祭典では
1万頭もの動物が殺され→
そのため ヨーロッパのライオンや→
北アフリカのゾウが絶滅したともいわれます。
しかし コロッセオは 単なる野蛮な
娯楽の場ではありませんでした。
ローマ帝国の強化を目的に作られた
複合娯楽施設だったのです。
(ウェルチ)コロッセオで
日頃から戦いを見る事は→
ローマ市民に自分たちは何者か
という意識を植え付けました。→
軍人らしい気風を養う事は→
帝国を維持する助けとなったのです。
古代ローマの詩人マルティアリスは
コロッセオで行われた祭典を目撃し→
その場に列席した皇帝が→
奇跡を起こす人物のようだったと記しています。
皇帝の合図とともに→
獲物となる動物が魔法のごとく登場し→
勇士たちの手で
しとめられました。
処刑を待つ囚人には 翼をつけて
ギリシャ神話を演じさせ→
空に放り投げました。
更には壮大な模擬海戦まで行われ→
多くの戦争捕虜が虐殺され→
あるいは溺れ死にました。
流血の見せ物は どれも驚くほど
派手に演出されていました。
それらは一体 どのようにして
実現していたのでしょうか。
古代のモザイク画の中には
戦いに挑む剣闘士や→
猛獣が人間に襲いかかる様子を
描いたものがあります。
しかし 猛獣を
どうやって魔法のごとく→
舞台に登場させたのかは