えー!って。
そしたら照明さんも驚いて
パーンと上げちゃったらしくて
客席がパーンと明るくなって
そうしたら、談志が
隅の席に座ってまして。
ありがとうございます。
すみません、最後まで。
もしよかったらステージに上がっていただいてと。
面倒くせえなとか言いながら
上がってきて
それで、僕の座っている高座の
横の端に座って
俺ね、今まで長い間
芸人やってきたけどね
てめえの弟子の落語をね
始めから終わりまで
聞いていたのは
今日が初めてなんだよって
言われたのが
僕、多分
談志に言われた言葉の中で
最高にうれしかった瞬間ですね。
船越≫談志さんはわりと
お弟子さんをお褒めになったりは
するんですか?
志の輔≫いえいえ、全然。
褒めるということをしないので
言い方をいろいろ
師匠は師匠なりに
ものすごい、言い方を変えて
言ってくれるんですけど
何より言い方じゃなくて
体をそこに2時間半置いてくれて
耐えてくれたということが。
それで最後、三本締めしてくれて。
ありがとうね、今日来てくれて。
弟子のためにって言うんですよね。
それがまた…。もうそういう思い出を残すのが
うまいんですよ、また。
ずっと忘れられない思い出なんですけど。
美保≫そのときの座ってる
角度まで覚えてるんでしょ。
志の輔≫シャイですから
てれるから
言うのも、こっちを見ないで
そこら辺にいるお客さんに
俺、初めてなんだよ、今日って。
そういう人でしたからね。
シャイな人でしたけど
一度、さっきの「ためしてガッテン」に
24年間
やっている間に一度、師匠に
出ていただいたんです。
それも本当に師匠になんとかして
お願いしたいと思って
お願いに行って
師匠に出ていただく企画として
何か疑問があったら
それを調べますからって
お願いしたんです。そしたら
とうがらしっていうのは
なんであんなに辛いんだ?
ほかの食べ物は
みんな甘くなって
鳥に食ってもらって
方々に、ふんと一緒にいろいろと
自分の子孫を残そうとするだろう。
とうがらしがあんな辛いんじゃ鳥が食わないんじゃねえか。
一体どうなってんだ
それ調べてこい!って話になり
それで、私の弟子をメキシコに
「ガッテン!」が
ポーンと飛んで、それで調べて
味覚の分からない鳥が
いるらしいんですよ。
辛さを感じない鳥、選ばれた鳥が
とうがらしの実を
方々に散らばしているおかげで
子孫は繁栄しているので。
だから味覚を感じない鳥がいるんですというので
カメラに向かって、師匠
ご覧になってらっしゃいますか
ガッテンして
いただけましたでしょうか?って
言ったんです。
そうしたら、そのあと
局の「ガッテン!」の部屋に
電話がかかってきたらしくて。
そして、担当の人がとったら
談志だけどねあの程度のことで俺が
ガッテンできるかと思うか!って。
信じられないですよね?
仮にガッテンできなくたって
弟子がやっている番組なんだから
そうかそうか、分かった分かった
って言ってくれればいいのに
むきになって、あの程度のことで
俺がガッテンできると思うか!
志の輔に伝えておけ!って。