調査地点は 20か所に及びました。
まず カメラを下ろすのは
駿河湾の中心部。
頻繁に深海ザメが釣り上げられた
という場所です。
水深800m付近。
谷底が回廊のようになっています。
この辺りの海底は
一面に泥が積もっていました。
何かが近づいてきます。
ユメザメです。真っ黒な深海ザメです。
体長は 1.3mほど。
硬い皮膚に覆われています。
おや? 目を閉じました。
またです。
目を閉じる この行動から→
夢を見るサメ ユメザメと名がついたといわれています。
大きな目が光っています。
これは 目の裏側に光を反射する鏡のような膜があるためです。
僅かな光でも
強く感じ取る事ができます。
感度の高い目で 暗い深海でも→
確実に獲物を捕らえられるようになったといいます。
別の場所にも
カメラを下ろしてみましょう。
♪♪~
餌かご 目がけて何かが寄ってきます。
う~ん。 大きすぎて
体の一部しか見えません。
オンデンザメです。
5mは あるでしょうか。
ほとんど 撮影された事がない
極めて珍しい 深海ザメです。
臭いに引かれて
やって来たようですが…。
泥を吸っては 吐き出しています。
泥の中に隠れている獲物を捕らえているようです。
食べられるものは
何でも口に入れ→
巨体を維持しているのです。
私たちは かつて チャレンジャー号が調査を行った海域を→
広く探し回りました。
食べ物の乏しい深海では→
何か一つでも秀でたものを
身につけなければ→
生き抜く事ができません。
中でも 飛び切り奇妙な姿で生き抜いているサメがいます。
現れましたよ。
長く飛び出した鼻先。
ミツクリザメです。 英語で ゴブリン・シャーク。
悪魔のサメとも呼ばれています。
チャレンジャー号の時代に 世界で初めて
日本で発見された 深海ザメです。
長い鼻先の裏をよく見ると
細かい穴が たくさん見えます。
この奥に サメ特有の
特殊なセンサーがあります。
動物の体には→
生命を維持するためにかすかな電気が流れています。
このセンサーは 1,000万分の1ボルト
という かすかな電気を捉え→
海底に隠れた獲物を探り当てます。
広い鼻先に何百個もあるセンサーで→
まるで 金属探知機のように
獲物を見つけ出すのです。
このあと 私たちは 悪魔のサメの
正体を知る事になりました。
口が飛び出しました!
♪♪~
1秒にも満たない速さです。
飛び出す口で→
離れた獲物を 素早く捕らえます。
ミツクリザメは特殊な顎の構造を進化させ→
食べ物の少ない 厳しい深海を
生き抜いてきたと→
考えられています。
♪♪~
峡谷を進んでいくと
急に深くなっていました。
こうした
海の底から離れた場所にも→
世にも不思議な深海ザメがいる
といいます。
いました。
チャレンジャー号も捕獲したという深海ザメ ラブカです。
当時 伝説の怪物
オオウミヘビではないかと→
世界を驚かせました。
その顔つきはまさしく ヘビのよう。
口には とげのような歯が
密集しています。
ラブカは 群れで泳ぐイカなどを
この歯で引っ掛け→
捕らえるのではないかと
考えられています。
赤く見えるのは
呼吸のための えらです。
数百mの深さでは 水中の酸素は
海面の半分しかありません。
えらを外に出し