作戦会議が開かれました。
メガマウスは 一体 どこにいるのか。
田中さんはある深さに注目していました。
その辺で 先生に観察する時間を
作ってもらう。
いよいよ
田中さんが潜水艇で潜ります。
向かうのは 200m付近。
潜るにつれ辺りは暗くなっていきます。
光が ほとんど
届かなくなってきました。
深度200mから1,000mにかけての
深い海は→
これまで 調査が ほとんど
されてこなかった所です。
あのダイオウイカがすむという
海の秘境です。
♪♪~
田中さんは ある生き物が→
メガマウスを見つける鍵だと
考えています。
その生き物に出会ったのは
2003年。
駿河湾で発見された メガマウスを
解剖した時の事でした。
この時 胃の中には→
消化されずに残っていたものがありました。
それは サクラエビの頭でした。
駿河湾の名産として知られるサクラエビは 体長4cmほど。
深さ200~300mの海に
すんでいます。
これまで
メガマウスが発見された場所に→
サクラエビの生息場所を重ねてみると→
ピタリと一致しました。
メガマウスを見つけるには
サクラエビを追え。
田中さんは こう考えたのです。
あっ サクラエビです。 でも 1匹だけ。
メガマウスは あの大きな口で
サクラエビの群れを狙うはずです。
群れを求めて 更に潜ります。
水深250mの海底付近で見つけました。
この群れを追います。
サメが現れました。ヨロイザメです。
サクラエビの周りに集まった魚を
狙っています。
しばらくすると
突然 サクラエビの姿を見失いました。
一体 どこに
行ってしまったのでしょうか。
この時 海の上では
もう 夕闇が迫っていました。
これから…
夕方 サクラエビは浅い海へと移動していくというのです。
潜水艇も浮上。
見つけました。 水深 僅か50m。
田中さんの予想どおり サクラエビは
浅い所まで上がってきていました。
すさまじい数の群れです。
辺りは サクラエビで視界が利かないほどです。
サクラエビは 小さなプランクトンを食べて
生きています。
天敵が多い日中は
深い海で暮らし→
夜になると プランクトンを求めて→
浅い海へ やって来る事が分かっています。
サクラエビの動きから
メガマウスの暮らしを推測してみます。
日中 深海で過ごす メガマウスは→
夕方 サクラエビなど 小さな生き物の群れを追いかけて→
浅い海に上っていきます。
そして 密集した獲物の群れを→
その大きな口で
一網打尽にします。
深海ザメといいながら→
獲物を追って深海と浅い海を行き来するのが→
メガマウスだというのです。
そのため 潜水艇も日中には深く 夜は浅い海で潜り→
メガマウスを狙い続けました。
しかし メガマウスは 一向に その姿を現しては くれませんでした。
事態は思わぬ展開を見せました。
メガマウスらしき魚が見つかったとの情報が→
定置網の漁師から届いたのです。
急きょ 駆けつけたのは三重県の海。
(田中)こんばんは。
期待が高まります。
月が 辺りの海を
明るく照らしていました。
船の上から
サメの影を探すものの→
なかなか見つかりません。
この時 田中さんはある事に気付きました。
海の表面に群れているのは
オキアミです。
オキアミは サクラエビと同じように→
海を上下に移動する習性を持っています。
夜 プランクトンを食べるために
海面まで上がってきていたのです。
メガマウスも このオキアミを