フル、頑張れ!どうか皆様、
フルを知っている友達、祈ってく
ださい。
フルハートは10年前、殺処分寸
前だったところを白井家が引き取
り、
家族の一員として暮らしてきた。30歳、
人間でいえば100歳を超えたお
じいちゃん。
>>小さいときに、よくうちで、
みんなでスイカ割りをして、
フルくんと一緒に食べるっていう。
大体持ってかれちゃいますけどね、
フルくんに。
>>小学校のときに、
学校が終わって友達つれて、
フルくんにみんなが乗って遊んだりとか。
フルくんも子どもたちが好きだっ
たみたいで。
>>もう、
ヤギとかにも好かれとるし、キスしてるとこ、写真撮って、
本当にそれぐらい仲よくて、
猫なんてもう、
フルくんに乗ったりして、移動す
るとか、本当にそれぐらい仲よく
て。
>>フルハートは、
白井家が保護した動物の中でも、
一番の古株。
白井家の家族だけでなく、
近所の子どもたちにも人気者。
そんな誰からも愛されていたフル
ハートに、この日、起こったこと。
遠方にいる獣医さんに症状を見て
もらうため、
お母さんがその一部始終を記録し
ていました。
>>フル、フル、頑張れ。
フル、立った。よいしょ、立って、ほら、
立って、頑張れ。フル!
>>そのときのことを、鴻明君は。
>>最初は疝痛かと思ってて。
疝痛だと、歩かせないと、歩かせたりとか、立たせないといけない
んで。
>>体の大きな馬は、寝たままだ
と、
かえって胃や腸が動きを止めてしまうので、立たせないと。
>>でも全然立てなくて。
寝てる状態だと内臓にも悪いですし、あと、診察もできないから、
とりあえず、
みんなで起こそうって言って。結局みんな来てくれて。
>>フル、頑張って。
>>フル、頑張れ!
>>フル、頑張れ。
フル、頑張って。>>頑張れ、頑張れ、フル。
>>ちょっと強引だけど、引っ張
って起こして、ちょっと起きたら、
もみ殻の袋入れて、だんだんだん
だんそうやって、上体起こして。
>>頑張れ!
>>起きろ!
よしよしよし、もう一個、もう一
個。
>>ああ、だめだ、足が。
>>僕はなんか、
明らかに右前足に力が入ってない
のが見えて。
これたぶんしびれとるだけじゃな
いって。
>>足、足、足動かしてみ。
>>迅君、足持って、もうこっち、
ずらして、自分で。
それ、ずらして。
>>その足を持ち上げ、動かした
迅君。すぐに感じました。
>>最初は本当に、
しびれてるだけかなと思ったんですよね。
だけど、
力が入ってないっていうか、ぶらんぶらんの状態で。
ぷらぷらしてました、足。
>>でも、このときはまだ、
なぜ足がそんな状態なのか分かり
ませんでした。
>>もう立てるら。
立て。立ってくれ。頼む。
>>フル、フル。
>>OK、あっ。
>>足が。
>>そのただ事ではない様子に、
一緒に暮らしている馬のパインや、
犬のイーリス、猫までもが。
>>もう疝痛のときとは違う苦し
み方してて、本当にもう、もん絶してるっていう。
本当に。
しかも足がおかしいから。
なんだろう、
僕はちょっと覚悟して、
そこで、折れとるかもって。
>>つまり、骨折。
馬の骨折が意味することとは。