>>と、
横山さんが思わず漏らしたのも当
然。
>>私、ここ、お嫁に来てもう
23年ぐらいになるんですけど、初めて見ました。
>>思ったんですけど、これって、
電線、そうなんですけど、危なくないんですか?
>>これ電話線なんですよ。
>>へぇー、鳥とかはどうなんで
すか?
>>止まってます。なんで大丈夫
ですね。
>>そして。
>>恐ろしいな。
>>と思わず、叫んだお母さん。
>>あまりにもいっぱいだったで、
おっかねえ、おっかねえ、
おっかねぇっていうのが第一声は。
電話線に合わせて来たのは初めて。>>地元の人も。
>>あんなのは初めてだ、あんな
大群は。
>>30年以上生活しているけど、
初めてだ。
>>今までであんな大群ないぞ。
>>サル、
電線サル、見た?
どうだった?
>>楽しかった。
>>楽しかった?>>にしても、撮影中のカメラに、
どんどんフレームインしてくるサ
ルたち。
一体どこからこの電話線に登った
のか。
横山さんはあのとき、この窓から、
こっちの方向にカメラを向けてい
た。
その反対方向へ。>>行ってみますか。
結構、続いてますね。
>>横山さんのお宅の裏は、
畑。
>>ここ、登れるのかな。
>>さらに100メートル進むと。
電話線の真下に民家。
屋根と電話線の距離はおよそ1メ
ートル。
この家に住む布施さんは、あの日
のことをよく覚えていて。
>>サル?
サル、この線、
この線を渡ってきたのさ。
>>どっちからですか?
>>あっちのほうから。
>>え?
どっちからですか?
>>あっち、
あんでしょ、ここの川を渡って、
その前出た、歩いていった。>>撮影された場所から200メ
ートル。
ずっとこのスタイルで川を渡ってきたという。
後で分かったことですが、実はこ
の電話線、
8キロ先の町まで続いていた。
でも、
ここで電話線は。
>>あっ、
初めて木に近づきましたね。
磯山さん、ここ。
>>ここから杉林に入ってるので、
恐らく、その辺が出発点だろうと思います。
>>あっ、そうなんですね。
>>と言うこの方、動物カメラマ
ン、磯山隆幸さん。
この地でサルを撮り続けること30年のエキスパート。
>>この電柱、登れないんですか?
>>これはサルといえども、
登りづらい。
滑る。
爪が立たない。
で、結構抱えて登るけど、
こんだけすべすべだったら、
サルは落ちるね。
この電柱は登り降りできないと思
う。
じゃあ、ここから少し森に、
電線を追ってみましょう。
>>スギ林に入ると。
>>あっ、電線ありますね。
>>まさにそこだよね。
やっぱりこの辺りでしょうね。
この辺の込み入ったスギの所は渡
りやすいので、ここから一気に行
っちゃうだろうね。
>>撮影された場所から400メ
ートル。
この林から綱渡りをした可能性が
あるという。
すると、磯山さん。
>>これはサルの受信、電波を受
信する装置で、
どの辺にいるかって方向を調べる