2019/02/17(日) 13:50〜15:00 あの日 あのとき あの番組▽シリーズ平成 巨大津波の脅威〜東日本大震災から8年[字]


出火から僅か4時間ほどで→
炎は 町じゅうに広がっていたのです。
「広範囲に火災が広がっているのが確認できます。→
広範囲に火災 確認できます。

火災現場の映像です」。
津波のあとの火災だったことが
消火を難しくしていました。
ガレキで埋め尽くされた道路は→
消防車が通ることもできなかったのです。
湾の奥にある この地区は


大部分が津波で壊滅。
このうち 10万m^2が焼けました。
小野寺さんがいた所はぎりぎり 延焼を免れました。
一方 焼き尽くされたエリアの中には→
火に囲まれ追い詰められていた夫婦がいました。
岡崎新一さんと 妻の光枝さんです。
この場所にあった自宅は全焼しました。
ここだね。
これですね。
ここだね。
ここです。
家は 津波で1階が水没。
岡崎さんは 2階に はい上がって命をつないでいました。
程なく 近所で火災が発生し
隣の家まで燃え移ります。
消防に助けを求めましたが
難しいと告げられたといいます。
死を覚悟した光枝さん。
無事かどうか尋ねてきた姉夫婦にメールを送りました。
返信が来ました。
「がんばれ 絶対 生きて」。
(取材者)このメールがあったから…。
岡崎さんは2階の窓から脱出することを決意。
近くに流れ着いた家の屋根に
ふすまを渡し→
水に落ちないよう
思い切って飛び移りました。
次の屋根 また次の屋根へと渡って→
40m離れた高台に たどりつきました。
自宅が炎に包まれたのは

その直後のことでした。
津波に襲われたあとで
なぜ 火災が次々と起きたのか。
火災の専門家は
被災地で撮影された映像に注目しました。
ここの所 今 噴出してる この部分が→
実は プロパンガスからガスが噴出してるそういう状況を示しています。
丸の中。
ボンベから噴き出すプロパンガスです。
家庭で使われていたボンベが
津波に流されたのです。
ボンベが トラックに近づいていきます。
衝突の瞬間 火の手が上がりました。
被災地では 各地で 焼け焦げたボンベが
数多く見つかっています。
漏れたガスに 火花などが引火し
火災が起きたと考えられています。
(クラクション)
更に 専門家が もう一つ 出火原因として注目しているのは 車です。
クラクションが鳴り ライトが点滅。
海水で 電気系統がショートしたのです。
(実況)車が集まって 炎が上がっています。
電気系統やバッテリーから出火したケースもあったと見られます。
気仙沼では 過去に例のない事態が
映像に捉えられていました。
海の上で起きる大規模な津波火災です。
火災の発生から広がっていくまでの過程が→
克明に記録されていたのです。
津波到達から およそ10分。
重油などが入った大型のタンクが

次々と津波で倒されました。
流されたタンクは 22基に上りました。
タンクから流れ出した重油が海を黒く染めていきます。
重油が広がる湾の中を流される
数多くの漁船。
その中の一隻。
人が取り残されていました。
造船所に勤める村上富雄さんです。
津波から逃れようととっさに船に飛び乗りました。
そのあと 火災の一部始終を
目撃することになります。
乗っていた船は エンジンがかからず
漂流するしかありませんでした。
周りには 家や車など
大量のガレキが流れ出していました。
村上さんの船は
港の奥から入り口まで流され→
再び 奥へと戻されました。
繰り返し 押し寄せる津波で港を何周も回ったのです。
渦のようになった流れの中心には
よどみが出来ました。
このよどみに ガレキが集まっていました。
海上で発生した火災をカメラが捉えました。
燃えていたのは
よどみにたまっていたガレキ。
海水で ぬれたにもかかわらず
激しく炎を上げています。
火は巨大な帯となり 僅か10分ほどで→
3kmにまで延びていました。
炎は なぜ 海の上で消えることなく