番組の一部に字幕のついていない部分があります。ご了承ください
日本一出動件数が多いドクターヘ
リに乗る、
救命救急医たちを取材しました。
「おはようございます。朝礼を開始します」
兵庫県にある、公立豊岡病院の、
但馬救命救急センター。
9年前、病院の少ないこの地域の
救急医療をカバーするため、ドクターヘリを導入。
その出動回数は、全国でトップの
年間2000件以上だ。
この日、最初の要請は、京都府綾
部市から
わずか3分ほどで、救急医らを乗
せた
ドクターヘリが飛び立った。
ヘリに乗るのは、小林誠人センター長
と、星野あつみさん。
患者がいる場所までは病院からおよそ45キロ。
車では、およそ1時間半かかるが、
ヘリなら14分で到着する。
患者は、86歳の男性過去に、脳
梗塞で、
倒れたことがあるという。
現場に緊張が走る。
「はい。お願いします。1、2、
3」
けいれんを抑える薬を投与しなが
ら病院に戻り、
CT撮影を行う。
検査の結果、けいれんは、脳梗塞の影響による
発作だとわかった。
男性は、経過観察のため、入院することになったが、
医師らの迅速な対応のおかげで
命に別状はなかった。
兵庫県北部の広大な山を含む
半径およそ80キロをカバーする、
但馬救命救急センターのドクター
ヘリ。
この時期特有の患者も運ばれてく
る。
奈良県から、ハチ北高原スキー場
に
遊びに来た20代の女性。
スノーボード中に、転倒したという。
重傷だが、女性の意識は
はっきりしているようだ。
心配された、大量出血はなく、
女性は、数日入院したあと、地元の病院に、
うつることになった。
現在、但馬救命救急センターに
所属する救急医は25人。
そのうち5人が、女性医師だ。
救急科専門医の資格を取得した女
性の数は、
この10年間で、3倍ほどに増え
ているが、
それでも全体の10分の1以下。
結婚や出産を機に、救急医を辞めてしまう
女性も多い。
一方で、新たな動きも。
「こんにちは」
救命救急センターに、子どもを連れて
やってきたのは番匠谷友紀さん。
救急医として働いていたが、同僚の看護師、
勝一さんと結婚。
去年10月に長女の実咲ちゃんを出産し、
現在は育休中だ。
9年前、ドクターヘリの
立ち上げに加わり、最前線で活躍
し続けてきた
番匠谷さん。
今も、その熱意は変わらない。
病院も、番匠谷さんの復帰を心待
ちにしている。
年間1万6000人以上の患者を
受け入れる、
但馬救命救急センター。
ドクターヘリの要請は多いときで、
1日に10件を超える。
男性が、仕事中に、誤ってのこぎりで、
腕を切ってしまったと、連絡が入
った。
出血がひどいようだ。
幸い、意識ははっきりしている。
患者を処置室に運びながら、情報
の引継ぎを受ける。
小林センター長の指導のもと、丁
寧に、
治療していく柿崎さん。
傷口を縫い合わせ、抗生物質の点滴を
受けた男性は、その日のうちに、
新人医師がドクターヘリに乗るには、
救急医として、1年以上経験を積
み、
さらに、2度の試験に合格する必
要がある。
女性医師が、「やりたい仕事」を
諦めない。
そのための環境づくりが始まって