読レビ

若一さん、私、ここで重大な告白
をしてもいいですか。
＞＞はいはい。
＞＞ここまで登ってきて、思った
んですけども、私たぶん、
ロックガーデンに登るの初めてで
す。
プライベートで、
実は六甲山も、２回私、
登ってて。


と、
話していたのですが。
道中の会話では。
＞＞茶店があったでしょ？
昔から。
＞＞茶店？
あー。
＞＞えっ？去年、来たんじゃない
の？
＞＞去年来たんですけど。
＞＞覚えてない？
＞＞覚えてないんです。この辺り
の風景も実はあんまり、ぴんと来
てなくて。
さらに、所要時間の会話でも。
＞＞約１時間でしょ。
＞＞うわー。
＞＞前登ってるでしょ？
ほんまに登ったん？前。
＞＞登ったんですけどね、私、
登ったの、このコースだったかなって、今、
思い出してるんです。
若一さん、困らせてしまってすみ
ません。
結局、
六甲山の別のコースだったような
んですが、
いまだにどこを登ったのか分から
ないんです。
と、


お騒がせしましたが、まだまだ急勾配は続きます。
えっ、
ここ？めっちゃ段差高い。
＞＞よいしょ。
＞＞さらに、
追い討ちをかけるように、ここで

最大の難所が。
えー。
＞＞滑らないようにね。＞＞えっ？これ、
鎖使って登るんですか？
＞＞そうそうそう。
＞＞えー？これでもちょっと、
険しさが群を抜いてませんか？＞＞すごいな。
＞＞なんか下から眺めてるよりも、
だいぶ急ですね。
歩き始めておよそ１時間。
老若コンビには、そろそろ限界が。
あー、あー。
あー、
頑張れ、私！
初心者コースですが、
早くも私たちの疲れはピークに。
と、
ここで若一さんが。
＞＞はぁはぁ。
＞＞手の力が入んなくなってきま
した。
あー。
＞＞あのね、
おいしい飲み物を持ってきてるん

で。
＞＞えっ？
＞＞背負ってるんで。
＞＞本当ですか？
＞＞上がってのお楽しみで。
＞＞分かりました。
もうそれで、それ聞いて、
がぜんやる気出てきました。
おいしい飲み物、
さらには別世界の万物相を目指し、
まだまだ頑張ります。
ロックガーデン一の眺望だという
展望台、
風吹岩まではもう一ふんばり。
だいぶ、
今までと景色が違いますね。
＞＞ね。
＞＞おー！ここか。
＞＞ここね。
せっかくやから岩の上立ちましょ
う。
＞＞岩の上、行きます？
＞＞行きましょう。
＞＞えー！若一さん、元気ですね。
＞＞到着したら元気が出てきた。お疲れさま。
＞＞お疲れさまです。
＞＞これ、天気がよかったら、
見事な、
驚嘆すべき景観が広がってるんですが。
＞＞いやー、見事に曇ってますね。