こんなの どこにあったの？
「才能のなさを痛いほど痛感し
泣きたい毎日である」
稽古場行きますか
この 教会の扉のような向こう側
稽古場です 僕らの血と汗と涙の
結晶が…
あ～ すごい
こうなってんだ 今
あっ こう客席作って すごい
＜こちらが 無名塾が誇る稽古場仲代劇堂＞
＜現在は公演を行っているため＞
＜客席が設置されているとか＞
（渡辺）そうです
僕 ちょうどこの間です（渡辺）そうですね
だから 今いても
ここですよ 真ん中ぐらい
そうですか
＜稽古場に入ると裏返す 門人札は＞
＜仲代達矢さんが塾生一人一人に
書いてくれたもの＞
（渡辺）そうです
そうですそうです→
木の新しい感じがね
また新人系で→
どんどん
色が変わってくるみたいな
いいですね は～
そうでした
そして 何と
≪おはようございます
滝藤です
（島田）後ろに…滝藤
ホントだ
あっ ホントだ
やってんすね
嬉しいですね
（渡辺）残ってるんですか？
残ってます
持ってきてくれたの？
はい
ありがとう
こんなのどこにあったの？
これは あの…じゃあ 座ってもいいですか？
（渡辺）すいません 気がつかず
島田さんも座って
＜何と ここで滝藤さんの修業期間の＞
＜日誌が登場＞
＜じっくり読ませていただくことに＞
あっ 滝藤君
「６月２９日」何で謹慎…
「火曜日 曇り 滝藤」
ちょっと待って何これ バカじゃないの
（渡辺）でも 字上手なんですよね
怒らせたって…
そうですか？
何？ それ
また 滝藤さん
（渡辺）「頑張ります」「頑張ります」いいですね
この２月２４日
ちょうど今から２０年ぐらい前
これ たぶん
相当つらかったんですよ きっと
頑張ります
そういう時期あるんですよ だから「役者としての才能のなさを」
「痛感し 泣きたい毎日」だって
やめようって何回も思いましたよ
もう無理だと思いましたね
いや～ でも何か
今の滝藤さんの
ものを感じるような
決して 何かこう こざかしく
理屈つけるんではなくて
ストレートに自分の気持ちを ねえ
書いてますね すご～い
ちょっと緊張しますね
先輩を前にね
はい
嬉しそう
そうですか
やっぱり自分の塾と同じ先輩は
当然ね 嬉しいし
ひいき目に見ますよね
そうですね
お久しぶりです何してんの？
そうそうそう
いいです いいです
＜そして＞
仲代さんに報告してもらいましょうか
今日 このあと何時からですか？
公演は
２時からになります２時から そうですか
滝藤さん 今日見て行くんですか？
見たいです
もちろん見たいですけど
このあと ほら ずっと
ロケ一緒に回るじゃないすか
やめてくださいよ
＜すると＞
何してんの？