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2019/03/06(水) 01:46〜02:36 NHKスペシャル 東京リボーン 第2集「巨大地下迷宮」[字][再]


そこからも また新しい地下通路の建設が進められている。
この接続通路の
建設のためにかかる費用は→
全額

新しく出来た二重橋ビルの負担である。
通路を新たに作ったビルは→
その見返りとして容積率緩和の措置を受け→
規制より 1.3倍の大きさのビルを
作ることができる。
地下通路は 公共に利すると


考えられているからだ。
フロアが広ければ広いほど
ビルの収益は増す。
地下通路を作る費用を払っても
お釣りが来る。
それが 日本最大の地下迷宮を生んだ
からくりだった。
丸の内に 30のビルを所有する三菱地所。
丸の内の大家と呼ばれるこの企業自身も→
これだけの地下空間の拡大を
予期していなかった。
東京の地下開発には→
確たる計画性はなく進んできた。
地上からは見えない分だけ
ブレーキがかかることもなかった。
日本最大の この地下迷宮が
また 迷宮の度合いを深めようとしていた。
運ばれてきたのは→
直径3.6メートルの超小型のシールドマシン。
丸の内の地下は
地下通路 地下鉄が ひしめき合い→
既に過密状態である。
それを すり抜けるために特注で作られた→
超小型のシールドマシンである。
土を掘り進める鋼鉄製の刃先。
[外:CDD098946EA51092EA468CE9D407442E]の単位で掘る角度を変えられる
繊細な動き。
最新鋭の機能を備えている。
マシンが地下迷宮の僅かな隙間に開けられた→
小さな縦穴を下りていく。

マシンが掘り進めるのは→
二重橋ビルから周囲9棟のビルをつなぐ→
250メートルのトンネル。
通信や電力のケーブル 冷暖房の供給管を
格納するためのトンネルである。
周囲のビルが共同で建設を進めている。
トンネルの起点となる場所の地下4メートルには 既に地下通路がある。
トンネルは その下を通す。
そのため 縦穴を地下20メートルの深さまで掘った。
しかし その先には 更なる障害物がある。
地下鉄有楽町線である。
この下も くぐらなくてはならない。
シールドマシンは 地下20メートルから次第に 30メートルまで下がり→
地下鉄の下を ギリギリにかわしたあと→
再び上昇するよう 掘り進む。
トンネルと地下鉄の間は
僅か1.6メートル。
トンネルを掘り始めて2か月。
シールドマシンは地下鉄の真下→
最も難しい地点に
さしかかろうとしていた。
シールドマシンを操るのは 工藤隆之さん。
若手ながら これまで過密の都心部の地下で→
難しいトンネル工事を
10本近く成功させてきた→
名手である。
暗闇で行われる地下開発は→
肉眼で位置を確認することはできない。
GPSも 地下では役に立たない。
操作盤に並ぶ 数値を読み解きながら→

シールドマシンが地下のどこを進んでいるのか→
頭の中でイメージする。
作業を開始して間もなく→
予期せぬトラブルに見舞われた。
本来なら 地下鉄の真下にいるここからマシンは 上向きに転じないといけない。
しかし
マシンの進む角度を示す数値を見ると→
予定よりも 下を向いていた。
本来なら 上がるべきところを→
上げきれないでいたのだ。
このまま下へ進むと→
コースを外れ
修正が利かなくなる。
原因は やはり あれなのか?
マシンの扉を開き 土の状態を調べてみた。
案の定 原因は
東京特有の軟弱地盤だった。
地下鉄の真下は→
砂と粘土の層が複雑に混じり合う土壌だった。
砂の層は 粘土の層に比べて
水分が多くて 軟らかい。
砂の層の上に達したマシンが→
自らの重さで沈み込んでいたのだ。
ここから マシンを
どう上向きに転じさせるのか。
マシンは ジャッキと呼ばれる→
13本の鋼鉄製の足に押され 前に進む。
工藤さんは とっさの判断で→
13本のジャッキの下半分だけを強く押すという作戦に出た。
そうすれば マシンは 上を向くはずだ。


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