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2019/05/06(月) 23:50〜00:40 プロフェッショナル 仕事の流儀「王道と革新、2人のカレーSP」[解][字][再]


何よりも幸せだった。
しかし 高校生の時 暮らしは一変する。
父が仲間に裏切られ 会社の経営が破綻。
家族は住む場所を追われ

転々とする日々を強いられた。
工事現場で日夜働き
ただ 食いつなぐ毎日。
心がすさむ中で たった一つの楽しみが
家族との思い出が詰まったカレーだった。
暇を見つけては店を回り


その味を覚えて帰っては→
アパートの台所で作るようになった。
26歳の時 一念発起しカレーの店を開いた。
かつての店の跡地。
雑居ビルの2階 たった6坪。
当時はまだ珍しい スパイスをふんだんに
きかせたカレーで勝負に出た。
他にはないカレーを作ろうと
試行錯誤の日々。
開店から2年ほどで
ようやく客がつき始めた。
そんなある日
信じられないことが起きた。
火の不始末から火事になり
店内が全て燃えた。
ようやく築き上げた自分の居場所。
とてつもないむなしさが こみ上げた。
植竹さんは何をするでもなく
すすまみれの店に通い続けた。
ほんと こう…。
そんな時 常連客が店を訪ねてきた。
植竹さんは数か月かけ すすまみれの店を
掃除し 再スタートを切った。
常連客が すぐに食べに来てくれた。
もう一度 カレーが居場所を作ってくれた。
更に 植竹さんを励ます出来事が。
常連客の中から共に働きたいと→
申し出てくれる
人が現れた。
その仲間は今も。

2月下旬。
植竹の店の前にできた列に
なぜか本人の姿があった。
植竹は 月に一度は客に扮し
リアルな反応や本音を探る。
すぐにスマートフォンを取り出し
客の言葉をメモし始めた。
手応えは十分。
だが 3種類のカレーのうち1つだけ反応が乏しく 気になった。
≪ありがとうございます。
それはスパイスを前面に打ち出したカレー。
甘い香りのフェンネルをはじめ 21種類の
香り高いスパイスが売りだった。
だが 合わせたココナッツミルクの
風味に負け 存在感が薄れていた。
植竹が またレシピを変えるという。
スパイスを より引き立たせるため目を付けたのが 投入のタイミング。
一般的には スパイスを一番最初に炒め→
油に香りを移してから野菜を入れるのが定石。
植竹は 野菜から炒め始めた。
だが 難題があった。
野菜を先に炒めることで
油に水分が混じり→
スパイスを入れても
逆に香りが立たないリスクがある。
カギは油の温度。
スパイスが最も香り立ちやすいとされる60度から70度を見極め→
投入しなければならない。
そして。
油の温度を読み切り 投入した。

このカレーは月替わり。
出すのは残り4日にすぎず
その後 二度と出すことはない。
それでも植竹は 試行錯誤を続ける。
カレーばかに 終わりはない。
2月4日 立春の朝。
いつもの時間に店主の小美濃がやって来た。
立春のこの日は 店の開店記念日。
いつものように コーヒーを1杯。
いつものように 仕込みを始める。
37年間 そのほとんどをこの3坪の厨房で生きてきた。
いつもどおり 少し早めに店を開ける。
(涼子)お待たせいたしました どうぞ。
(涼子)いらっしゃいませ どうぞ。
この日もまた 人の心に残るカレーを出すことができた。
ほんとにそうなんですよ もう。
あしたもきっと 今日のような日。
♪♪~(主題歌)
夫婦はまた 仕込みに入った。
コツコツと 静かに 高く。
まっすぐ進む日々は 続く。
何ですかねぇ 何だろうね。 うん…。
やっぱり いつも努力して 勉強してる。
長くやってると やっぱり どっかでね→
マンネリ化するとこもあるだろうしね。
そういうことあっても いつもこう→
次 次とね こう 高めていく。
理想のカレーばか像っていうのがあって。
おいしいカレーを作り続けるというのはもちろんなんですけど→
おいしく召し上がって頂く環境


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ikatako117

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ikatako117