2019/05/07(火) 04:02〜04:30 ダーウィンが来た!「マゼランペンギン 砂の荒野で戦う!」[解][字][再]

皆さん ペンギンといえば雪や氷に覆われた→
寒い場所で暮らしている なんて
イメージがありませんか?
ところが…→
気温が40℃にもなる 過酷な砂の大地で暮らすペンギンもいるんです。
今日の主人公…
南米アルゼンチンを中心に数十万羽の大きな群れで暮らしています。
その子育てには
頑丈な巣穴が欠かせません。
大事な巣穴の奪い合いは 熾烈を極めます。
激しいですねぇ。
でも…
夫婦が力を合わせ 試練を乗り越えます。
今日は 過酷な荒野で
命をつなぐ マゼランペンギンの→
知られざる暮らしに迫ります。
♪♪~
最高気温40℃
年間の降水量は わずか200mm。
アルゼンチン南部の
プンタトンボです。
厳しい乾燥のため
大きな木は育たず→
どこまでも荒野が広がります。
その一角。 砂の地面に たくさんの穴が開いている場所を見つけました。
ここが 今日の舞台。
マゼランペンギンの集団繁殖地です。
その数 およそ50万羽。
世界最大規模の繁殖地なんですよ。
マゼランペンギンの背の高さは60cmほど。


日本の水族館でも数多く飼育されています。
繁殖地のあちらこちらで
砂煙が上がっています。
マゼランペンギンは
砂地に穴を掘って巣を作るんです。
こちらでは
オスが巣穴の手入れの真っ最中。
メスが入ろうとしても お構いなしです。
巣穴は 修理をしながら何年も使い続けます。
入り口は狭く 大人のペンギンが
やっと通れるほど。
外敵の侵入を防ぐためです。
奥に進むと 広い空間が現れました。
ここでヒナを育てるんです。
ほとんど草木の生えない砂地は強い日ざしを まともに受けます。
過酷な環境での子育て。
卵やヒナを守るには頑丈な巣穴が欠かせないんです。
オスが守る巣穴に
別のオスがやってきました。
つっつかれました!
この時期 オスたちは巣穴をめぐって争うんです。
こちらでは よそ者が
無理やり 巣に入ろうとしています。
巣のあるじは くちばしでかみついて
外に押し出します。
(鳴き声)
争いがエスカレートすると巣から離れ 大乱闘になることも…。
激しいですねえ。
この時期 戦いは繁殖地の至る所で起こります。
どちらかが逃げ出すまで


戦いは終わりません。
厳しい砂の大地で命をつなぐには
巣穴の確保が不可欠。
だから 傷だらけになっても
全力で戦い続けるんです。
ちょっと待った!
なんですか ヒゲじい?
いや~ こんな傷だらけになるなんて
いくらなんでも むちゃしすぎでしょ。
最初から他人の巣穴を
奪おうなんて思わないで→
自分で新しく
掘ればいいんじゃないでしょうか?
それが 新しく巣穴を掘るのは
簡単ではないんですよ。
え~ な なんで?
この辺りの地下には 大きな岩が埋まっている場所が 結構あるんです。
あらら
確かに これじゃ掘れませんよねえ。
はい。 それに巣穴が密集しているので
むやみに掘ると隣の巣とつながって→
壊してしまうこともあります。
ありゃ~ こりゃ掘るほうも壊されたほうも どちらも困りますなぁ。
でも 繁殖地の周りは
こんなに広いんだから→
よ~く探せば まだまだいい場所が
あると思うんですが?
いいえ それが ないんです。
繁殖地一帯を高い所から見ると巣穴が密集している砂地以外は→
緑色の低い木と

黄色っぽい草に覆われていますよね。
あ~ はいはい はいはい。
こうした草や木が生えている場所は地面に根が張っているので掘りづらく→
巣穴を作りにくいんです。
あ~ なるほどねえ。
だから マゼランペンギンは
安全にヒナを育てるために→
たとえ傷だらけになってでも
限られた巣穴を奪い合うんですよ。
う~ん! そういうことだったのか。