実は私 以前より内密に→
雲霧の探索を
続けておりましたが→
そのかいあって 昨今 ようやく
雲霧一味と思われる者に→
近づく事ができました。
さようか。
…で? そやつらは?
はい。
商人と偽りおりまする 吉五郎。
古着屋と偽りし 熊五郎。
まずは この利助を捕らえ→
雲霧仁左衛門の所在を吐かせてはどうかと。
うん…。
即刻 出役のご裁可を。
(走る足音)
(岡田)神田旅籠町!
旦那 ざれ言はよして下せ…。
利助 逃げよ。
(悲鳴と走り寄る足音)
あ…!
お前らは 向こうへ回れ!
♪♪~
あっ!
あっ 旦…。
あっ…! う…。
岡田様!
あ… あ…。
なぜ 殺したのです!?
やっと つかんだ 手がかり
失ったではありませぬか!
盗人を 両国橋に さらせ~!→
さらせ~! さらせ~!
利助が 岡田に殺された?
岡田の奴…!
もう少し 早く気付いていれば
逃がせたのですが→
私が行った時には 既に
虫けらのように 利助を…!
お頭… 岡田をどうしやす?
明日になれば 捕まりましょう。
捕まれば 吐くだろうな。
お頭!
ご苦労さまでございます。
(読経)
こちらへ どうぞ。
(読経)
長官…
では 通夜に雲霧が動くと?
賭けじゃ。
敵も 当方の動きを知っているとすれば→
必ず 何か動きがあろう。
まさか 通夜の最中に わしが岡田を捕らえる訳にもいくまい。
敵も 同様に考えるはずじゃ。
さすれば 通夜が終わるまでに→
岡田に対して
何らかの動きがあるはず。
それに賭けるのじゃ。
頼んだぞ。はっ。
♪♪~
葛飾の百姓で→
喜久造という人の家を
訪ねていくんです。
これから すぐに。
あの… 岡田様に何か?
それは…→
いずれお話しする時もありましょう。
今は とにかく お支度を。
(読経)
岡田様。
♪♪~
八重の?
はい。
身寄りはないと聞いていたが…。
叔母でございます。
手紙をもらって
訪ねてめえりましたが→
どういう訳だか→
一緒に田舎へ帰りたい→
ついては 岡田様に
ひと言 お別れが言いたいと→
にわかに言いだしまして→
表の方で…。
どうしても お別れが言いたいと
先ほどから泣いておりますので…。
八重。
どうしたのじゃ?
貴様は…。
わしに 用があるそうだな。
あんたか。 あんたに話がある。
♪♪~
雲…!
山田様!
どけ! どけ どけ!
雲霧だ!捜せ! 捜せ 捜せ 捜せ~!
(一同)はっ!
♪♪~
あっ! アイタ アイタ…。
お松さん もうろくしたなあ。
あんたに言われたくないわよ!