植野は京都にいた。
訪れたのは
190年続く老舗の仕出し専門店。
取材するのは 店の名物 だし巻き卵。
今回の卵特集では名店の門外不出のレシピを大公開。
それが目玉となる。
なるほど。
シンプルな卵料理に隠された
おいしさの秘密。
そこに迫る。
植野は今 シンプルなおいしさを追求し続けている。
食パンや おにぎり
更にはシュークリームなど→
シンプルすぎて
特集に組まれてこなかった料理を→
あえて取り上げている。
インターネットにおいて食に関する情報が あふれかえる時代。
客も そして作り手も
その情報に振り回されてはいないか。
シンプルで おいしい 本物。
それを今 読者に伝えたい。
締め切りまで 残り6日。
掲載する卵料理 80皿の撮影を既に終え→
取材は1軒を残すのみとなっていた。
植野は編集長として最も大事な作業に取りかかった。
表紙写真の選定だ。
表紙の出来で売り上げは大きく左右される。
植野は 卵料理と聞いて
イメージしやすい目玉焼きを→
表紙の顔に考えていた。
写真としては申し分ないが→
表紙に使うには
何かインパクトが足りない。
表紙用に特別に作ってもらった目玉焼き。
その写真を確認する。
すると 部下が言った。
同じ日に撮った江戸前の玉子焼きの方がインパクトがあると主張した。
しかし この写真だと
一目で卵のイメージが湧きにくい。
植野がねらう 気軽で毎日楽しめる
卵料理の感じがしない。
植野たちは
今回の取材で撮影した写真の中から→
表紙になりえるものがないか探し始めた。
読者の胃袋をつかむ写真は あるか。
その時。
一枚の写真に目が留まった。
鮮やかな黄色 卵のインパクトが丸出しだ。
売り上げに直結する 雑誌の顔。
見誤れば 自分の責任。
(植野)我々の覚悟をちゃんと出すしかないんですよ。
締め切り当日。
表紙の候補写真にロゴをあしらい見比べる。
この卵とじの写真で 勝負する。
目玉焼きを作ってくれたシェフには→
後日 植野と部下が 丁寧にわびた。
発売から1か月後。
卵特集の1か月の売り上げは
前年平均を上回った。
♪♪~(主題歌)
植野は 和歌山にいた。
(男性)イワシの干物あんのやんか。
うま。
魚焼く時って 何に気をつけるんですか?
食いしん坊は 今日も行く。
♪♪~
プロフェッショナルとは覚悟だと思います。
逆に 例えば それが仮に
本当の意味の正解じゃなかったとしても→
なんか こっち向いてやるんだ
この方向でやるんだっていう→
覚悟が決まっていれば 読者って
そっちに多分 寄ってきてくれるんです。
♪♪~
2019/06/04(火) 22:30〜23:20
NHK総合1・鹿児島
プロフェッショナル 仕事の流儀「食いしん坊の覚悟〜雑誌編集長・植野広生〜」[解][字]
読者の胃袋をつかむ誌面はこうして作られる!不動の人気を誇る「食の専門誌」名物編集長に密着。「おいしさとは、何か」年間600軒を食べ歩く、食いしん坊の覚悟とは!
詳細情報
番組内容
不動の人気を誇る「食の専門誌」名物編集長・植野広生(57)。読者の胃袋をつかむ誌面はこうして作られる▼年間600軒を食べ歩き!知られざる「とっておきの味」を徹底調査する「空間を、食べる」流儀とは▼「おいしさとは、何か」植野が発見した高知の食文化▼はじめての食レポ!?20年以上通い続ける名店の「元気メシ」▼情報過多な時代だからこそ…「シンプルで、おいしい、本物」を追い求める▼食いしん坊の覚悟
出演者
【出演】雑誌編集長…植野広生,【語り】橋本さとし,貫地谷しほり
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