大谷さんを案内しているのが
ナキウサギを守り続けてきた
市川夫妻。
夫の守弘さんは弁護士で
大谷さんは取材を通じて親交を深め
夫妻が大切にするナキウサギを
ひと目見たいとやってきました。
鳴き声が聞こえるまで
ひたすら耳をそばだて
じっと待ちます。
≫その秘密は、ここに残された貴重な自然にあります。
ナキウサギが暮らすのは
大小の岩の隙間の奥深く。
岩の隙間から
冷たい空気が吹き出す風穴や
永久凍土があるため
暑さに弱くても生息することができたと
考えられています。
しかし、それが脅かされる事態が起きました。
大雪山国立公園内を貫く
トンネルの建設計画です。
≫建設されれば
ここのナキウサギは
絶滅してしまう。
市川さんたちはナキウサギ裁判と呼ばれる
住民訴訟を起こしました。
≫裁判は市民の注目を集め
提訴のあと
北海道は事業中止を決めました。
≫そんな市川夫妻は
今年、一大決心をして
札幌から
北海道のほぼ中心に位置する
トマムの山の中で
暮らし始めました。
≫数多くの住民訴訟を
担当してきた市川弁護士。
山暮らしを決断したのも
自然を守りたい思いから。
≫大事なことを忘れてました。
≫市川夫妻が守り続けているナキウサギ。
声の方向を探すと…。
岩の上にちょこんと座っていました。
≫ナキウサギは
ここ大雪山だけでなく
北見山地、夕張山地
日高山脈での生息が
確認されています。
これまでナキウサギ生息地付近で
2つの道路と
3つの大規模林道の建設を
止めることはできましたが
スキー場の拡張工事は行われました。
今、市川さんたちが
目指しているのは
ナキウサギを国の天然記念物に
指定してもらうこと。
しかし
希少な動物にもかかわらず
行政は動きを見せません。
≫氷河期の生き残りといわれるエゾナキウサギ。
その生息地を守ってきた
市川夫妻は
国の天然記念物指定を
望んでいます。
しかし、文化庁に取材すると…。
これまで北海道の自治体から国の天然記念物にしたいという
意見具申はないということです。
≫北海道教育委員会に取材すると
開発との関係は
ありませんと否定。
生息地の一部は保護されている
指定の意見具申を計画する市町村があれば
助言などしますとのことでした。
ナキウサギを天然記念物に。
市川弁護士の妻・利美さんは
仲間とともに
ナキウサギふぁんくらぶを
立ち上げ
全国各地で写真展を開いて
ファンを増やす活動を続けています。
≫ナキウサギが
天然記念物に指定されれば
雄大な自然を守ることが
もっとしやすくなる。
その思いで
市川夫妻の活動は続きます。
≫氷河時代から
北海道で生き延びた
このナキウサギ。
次の世代に引き継ぎたいなと思いますね。
≫今月末に迫った
G20サミットに備えて
大阪府警は職務質問の極意を
ベテラン警察官が若手警察官に
教える取り組みを行っています。
人呼んで職質道場にカメラが入りました。
≫今日、福岡ではG20=
財務大臣・中央銀行総裁会議が
開幕しました。