2019/06/11(火) 22:30〜23:20 プロフェッショナル 仕事の流儀「笑顔に、笑顔は集まる〜メイド・hitomi」[解][字]


♪♪~
生半可な形で
ステージに上げるわけにはいかない。
結構 これが細くて…。

リボンのシワひとつ 妥協しない。
(hitomi)しっかり リボン
形 作るじゃん ここで。→
そしたら ここで
しっかり こっち側のこれ作る。
おお~!


パニエの動きが ふわあ ふわあふわあ ふわあ みたいな。 分かる?→
そう。 こっちいって くるっ。
こっちいって ぴょん。
息子の迎えは 夫に託していた。
だが 気にならないわけは ない。
あとは ほんと…
はい ありがとうございま~す!
ありがとうございました。
ただいま。
幼い頃のhitomiさんは 何の取り柄もない
普通の女の子だったという。
勉強も苦手 人に自慢できる特技もなし。
そんな人生が動きだしたのは 高校生の時。
当時 世に知られ始めていた
メイドカフェを映すテレビに→
目がくぎづけになった。
でも 面接の日 店は騒然となった。
当時のメイドカフェは→
同じ趣味を持つ人が集まる秘密基地的なお店。
金髪のギャルは どう見ても場違いだった。
結果は採用。アルバイトとして働き始めた。
でも 同僚メイドからは無視され
客からも拒絶された。
hitomiさんは めげなかった。
どんなに引かれようと話しかけ続けた。
「この人を絶対に笑顔にしてみせる」。
自分だけのフレーズを考えた。
せ~の 萌え萌え きゅ~ん!
一部のメイドからは冷めた目で見られたが心を開いてくれる客が少しずつ現れた。
そんな時 世間で起きたのが

空前の「アキバブーム」。
メイドカフェも にわかに脚光を浴び
新しい客が殺到した。
でも その人たちから向けられたのは
冷やかしの目だった。
萌え萌え きゅ~ん!
たとえ白い目で見られようとhitomiさんは自分を貫いた。
そして 一人一人 ファンにしていった。
(3人)萌え萌え きゅ~ん!
他のメイドも同調。
いつしか hitomiさんはメイドカフェの人気者になっていた。
hitomiさんは ようやく
自分の輝ける場所を見つけた。
同僚が次々と卒業しても メイドを続けた。
でも メイドになって4年その覚悟を問われる事件が起きた。
(実況)JR秋葉原駅前の現場です。→
路上に救急車が止まっています。
7人が殺害され
10人が重軽傷を負った。
現場は 店の目と鼻の先だった。
その日から 街は一変した。
凄惨な事件と
秋葉原のイメージが結び付き→
店から客の姿が消えた。
親に反対され 店を辞めるメイドもいた。
でも hitomiさんは辞めなかった。
「メイドであってこそ 私」。
客が少なくとも店に出て
声を張り続けた。
メイドとして 自分ができることは何か。

自問自答しながらhitomiさんは店に立ち続けた。
事件から2年ほどたった ある日のこと。
一人の常連客が事件以来 初めて店にやって来た。
事件を目撃してから
秋葉原に来られなくなっていたという。
なぜ また来てくれたのか尋ねると
客は言った。
こわばっていた客の表情は
しだいに笑顔に変わっていった。
hitomiさんは思った。
「ここで待ち続けることには 意味がある」。
「それが誰かの笑顔につながるのであれば
一生をかけるべき仕事ではないか」。
だから今日も hitomiさんは
あの言葉に ありったけの思いを込める。
hitomiさん行きつけの
パンケーキ屋さんで→
素朴な疑問をぶつけてみた。
hitomi部屋に 新人メイドがやって来た。
どうしても相談したいことがあるという。
はい hitomiです。 お願いしま~す。
憧れのメイドになったものの→
実際に店に立つと自信を失ってしまったという。
そっか。 でも全然
まあ そうだね… 何だろう…
はい。
大丈夫。 ねっ 泣かない泣かない笑おう笑おう フフフッ。→
ねっ? そっか。
ありがとうございます。よろしくね。
はい ありがとうございます。