その多くは畑を囲う防風林に。
市街地の緑化にも使われました。
これがリスの食べものになり街なかでも暮らすようになったんです。
今や帯広の身近なアイドル。
多くの人たちの癒やしにもなっています。
２匹のわが子を
カラスに食べられてしまった→
お母さんリスの モモ。
生き残った子どもは１匹しかいません。
モモは 心なしか そわそわした様子。
子どもが襲われて以来とても神経質になっているんです。
そんなモモの巣の近くに…
あっ またカラス！
突然 モモが
木を降り始めました。
向かった先は カラスがいる木です。
お～っと モモがカラスに突進！
こんなリス 見たことありませんよね。
枝先を猛スピードで動き回り執ようにカラスを追いかけます。
体格は 断然カラスが優位。
しかしモモは みなぎる闘志で相手を圧倒します。
ついに カラスは退散。
モモは さらにカラスを追いかけていきます。
巣から８０ｍほど離れた木に
やってきました。
（鳴き声）
この木に カラスの巣があるんです。
巣の近くまで攻めてきたモモに
カラスは たじたじ。
モモは 木の幹を巧みに使って身を隠し
カラスを翻弄します。
そして 体当たり攻撃！
よそ見をするカラスの一瞬の隙を逃しません。
子どもたちを
カラスに奪われてしまったモモ。
「最後の１匹は守り抜く」という気迫が
伝わってくるようです。
こちらは モモの巣がある木。
あっ 子どもが出てきました。
１匹だけ残った モモの子どもです。
「コモモ」と名付けることにしました。
日が落ちたころ。
帰ってきたモモにコモモが お乳をねだっています。
親子水入らずのひとときです。
そんな ある日。
モモが小枝を折り取っています。
新たな巣を作っているんです。
木の股に 小枝や木の皮を重ねていきます。
新しい巣は ２日がかりで完成しました。
ところが そこに黒い影。
嫌～な予感がします。
あっ カラスが攻撃開始！
幸い この巣にはまだコモモはいませんが→
カラスは
どんどん巣を壊していきます。
徹底的に破壊されたモモの新居。
また作り直しです。
ちょっと待った！
なんですか ヒゲじい？
いや 壊した巣の中には
カラスの食べものは ないわけでしょ？
はい そのとおりです。
じゃあ なんで壊すんですか？
単なる嫌がらせじゃないですか？
そう その嫌がらせなんですよ。
えっ 嫌がらせ？ またどうして？
実は カラスにとって リスは→
獲物であると同時に
天敵でもあるんです。
うん？ リスが天敵。
どういうことですか？
先ほど カラスは
木の上に自分の巣を持っていましたよね。
あ～ はいはい。 お 卵ですな。
ちょうどこの時期カラスも子育てをしているんですよ。
実はエゾリスは このカラスの卵を
食べることがあるんです。
え～！ リスが卵を食べる！？
はい。 特に授乳中のメスに多いと言われています。
リスは草食動物ですが
授乳中は栄養を補うため→
動物性の食事をとることが
知られているんです。
先ほどもミミズを食べていましたよね。
あ～ はいはいはい。
カラスは天敵を遠ざけようと リスの巣を
壊したとも考えられるんですよ。
あ そうだったんだ。
カラスにはカラスなりの事情があったんですね。
いや～ カラスとリス
意外な関係があったんですな。
やられたら やりカラス
その執念に びっくリス。 なんちゃって。
５月。
モモの巣です。
おや？ なんだかモモが
落ち着きありません。
何度も巣を出たり入ったりしています。
あっ コモモも出てきました。
どうやら 引っ越しのようです。