2019/06/23(日) 19:30〜19:59 ダーウィンが来た!「熱帯のミステリー 踊る!漆黒の人面鳥」[解][字]


あらら つつかれてしまいました。
プロポーズは失敗。

簡単ではないようです。
不思議な踊りの目的はわかりました。
しかし あの 人の笑い顔のような姿は一向に見せません。
その時が来るのを待ち続けます。
メスは オスのどこを見て相手を選んでいるんでしょう?
枝の上に止まっているメス。
メスは オスの踊りを上から見ています。
ということは 踊りを上から観察すれば
何か見えてくるかも。
メスの目線で オスの踊りを見てみよう
という作戦です。
鳥がやってくるのは 朝と夕方。
昼間は いなくなります。
留守の間に撮影の準備。
小型カメラを鳥の邪魔にならない場所に取り付けます。
あ そうそうそう。
無事 設置完了。
あっ 踊りが始まりました。


上から見ると ホント真っ黒。しかも真ん丸です。
動きが止まりました。
うわっ 人面鳥!
踊りが終わると たちまち元の鳥の姿に。
まるで魔法が解けたかのよう。
もう一度 見てみましょう。
真ん丸な姿に変身したあと辺りを ふらふらと動き始めます。
小刻みに揺れる黒い物体は→
頭から伸びるかんざしのような羽の先です。
鮮やかに揺れていたんです。
オスの姿を目にしていました。
♪♪~
いったい なぜ 黒いのか?
そして
いったい なぜ→
漆黒の人面鳥の謎が
このあと 明らかになります。
撮影でお邪魔した森の すぐ近く。
標高2,000メートルの山のてっぺんに→
村があります。
ホガベ村といいます。
およそ400人が暮らしています。
実は パプアニューギニアの多くの村では燃料のまきや木材にするため→
けれども ホガベ村の人たちは
隣接する森を自然保護区として→
大切に守ってきたんです。
この森が清らかな水を蓄えてくれるおかげで→
自然保護区では 木の伐採だけでなく→
漆黒の人面鳥タンビカンザシフウチョウ。
メス目線カメラがとらえた→

オスのプロポーズ。
上から見ると 鳥の体には到底見えない
真ん丸な姿で踊っていました。
そして…→
人面鳥! 人の顔のような模様が突然 浮かび上がります。
♪♪~
横からの映像と見比べると何かわかるかもしれません。
最初の おじぎのあと…→
あっバレリーナのように踊る この姿が→
上からだと 真ん丸に見えていたんですね。
そして 問題の瞬間。
黄色く光って見えたのは 胸元の飾り羽。
首をすくめて 上に向けていたんですね。
顔が真っ黒なため
こんなふうに見えていたんですね。
ふだんは
とてもよく目立つんですが…。
踊りの直前 消えました。
いったい どうなっているんでしょう?
最初のおじぎに秘密があるようです。
おや? 何かが動いてますよ。
額の羽を動かして
白い部分を覆い隠すことができるんです。
こんな仕組みまで備えて
全身真っ黒にしていたんですねぇ。
しかも この黒 ただの黒ではないことが
最近の研究でわかってきました。
2018年に発表されたばかりの論文。
99%以上の光を吸収する→
世界で最も黒い羽を持つ鳥の→

一つだったんです。
黒い鳥といえば カラスですが→
比べてみるとカンザシフウチョウのほうがはるかに濃いですよね。
そこで カンザシフウチョウの黒さが
どれほどすごいのか→
実力を確かめてみることにしました。
茨城県にある この会社ではカンザシフウチョウと ほぼ同じ→
光の99%以上を吸収する物質を
開発しました。
それが こちらです。
レーザー光線を当ててみると…→
消えました。
今度は重ねてみます。
境目がわかりません。
まるで手品。
黒すぎて輪郭が見えないんです。
恐るべき 光の吸収率99%の実力。
いったい
どういう仕組みなんでしょうか?
その秘密は