2019/08/20(火) 04:02〜04:30 ダーウィンが来た!「東京生きもの調査!線路にタヌキ!街角に巨大カエル!」[解][字][再]


双眼鏡をのぞく こちらの男性。
いったい 何を見ているんですか?
銀座のツバメを観察し続けて45年→
金子凱彦さんです。

春を告げる おなじみの鳥…
近年 東京都心では
子育てする数が減っているといいます。
東京駅の周辺で行われた調査では→
80年代に半減したまま→
その後 数は


ほとんど回復していません。
銀座でも巣の数は減少。
去年はたった2か所しかなかったんです。
ところが 今年の5月
うれしい発見がありました。
今まで記録になかった場所で→
新たに 子育てしている巣が見つかったんです。
去年は たった2か所だった銀座の巣。
ところが今年 なんと6か所で子育てが始まりました。
こんなに多く確認されたのは
12年ぶりのことです。
なぜ 子育てするツバメが増えたのか。
金子さんは その理由は ツバメの獲物にあるのではないか と考えました。
そこで 親がどんな獲物を運んでくるのか
調査隊が張り込んで撮影しました。
すると 一番多かった獲物が こちら。
47回撮影したうち→
少なくとも
16回の獲物がミツバチと判明。
およそ1/3に及ぶ 高い割合だったんです。
でも 銀座にミツバチって→
そんなに いるんでしょうか?
その理由を ツバメの巣に程近いビルの屋上で発見しました。
実は ここで蜂蜜をとるための
養蜂が行われているんです。
街角にある 多くの花壇や街路樹。
そこで咲く花々から蜜を集め→
銀座産の蜂蜜を作るプロジェクトが
2006年から始まっています。
飼育されている ハチの数は年々増え

今では50万匹以上。
ツバメは 人が育てたミツバチを
獲物にしていたんです。
実際に 銀座の空を舞う
ミツバチを観察してみると…。
ビルの上空に ツバメが現れました。
群れ飛ぶハチに突っ込み獲物を探します。
そして… ナイスキャッチ!
こちらでも 次々に捕まえます。
開発が進み 虫が減った銀座は
ツバメが暮らすには 不利な環境。
そこに 人が育てる…
銀座のツバメが これほどミツバチを利用していることには→
研究者も驚きました。
全国でツバメの生態を調査している…
人間がつくりだした環境を
活用して子育てをする 銀座のツバメ。
復活の兆しが 見え始めています。
いや~ 銀座のツバメこのまま増えると いいですな~!
いや ヒゲじい
ちょ~っと待った!
喜ぶには まだ早いです。
え? どういうこと?
ツバメが 都会で子育てするには
ほかにも大事な条件があるんです。
大事な条件?
最近の建物の多くは 壁の表面が滑らかで 泥がくっつきにくく→
ツバメが巣作りしにくいんです。
そうなんだ。
今回 銀座でツバメたちが巣を作ったのは

例えば こちら。
見て下さい。
天井の照明器具の上に巣があるでしょ。
あ~ はいはいはい。
これ 照明器具の一部を切り取って→
平らに伸ばしてあるの わかりますか?
え? あ~ ほんとだ!
巣が滑り落ちないよう
土台を作っているんです。
しかも 巣が熱くならないよう
蛍光管まで外してあります。
ほ~ ツバメ専用ですか。
はい。 そして こちらの巣。
お~ この巣もしっかりした台に
のっかってますな。
こちらも 巣が落ちないように
壁に板が取り付けられています。
これなら安心ですよね~。
ほかにも 壁に人工の巣を用意したり→
銀座では ツバメが子育てできる場所を
増やす手助けが 行われているんです。
なるほど~
獲物が増えるだけじゃダメで→
人間の優しさが必要 というわけですな。
子育てを見守る人の優しさが→
大都会で ツバメが復活するためには
欠かせないんですね。
う~ん そういうことか。
銀座の人と ツバメたち→
いい関係が「いツバメも いツバメも」