つまり、ロシアも
中国も
この地域に絡んできている。
こういった東アジア全体の
安全保障への影響が非常にこれは
今回のバツ印によって
不安定化するのではないかという懸念があるわけですが
古川さん、これは
どうご覧になっていますか?
古川≫もともと韓国は
日本とGSOMIAを
締結するのを見送ったことが
2012年にありました。
このときの最大の理由というのは
中国の反発だったんですね。
中国が韓国が
アメリカ、日米同盟に
近づくことを
許さないということで中国が
かなりプレッシャーを
韓国にかけ
それに応じて韓国は
日本との
GSOMIAの締結を
4年もずらしたわけです。
つまり、GSOMIAというのは
今の時点では
北朝鮮のことばかりが
日本の観点からすれば出ていますが
もともとこれは
それにとどまらない。
中国、ロシアも含む。
アメリカからすればGSOMIAをベースにして
この同盟国による
ミサイル防衛システム
あるいは中国潜水艦に対する
作戦能力の向上などにつなげていきたい。
そういう枠組みが
発展できなくなったということが
一番大きな問題だと思います。
渡辺≫アメリカはポンペオ国務長官は
今回の韓国の決定に
失望したと
こう言っているんですが
アメリカにとっては
どういう影響が出てきますか?
古川≫本来であればGSOMIAというのは
機密情報を共有する枠組みで
それをベースにして北朝鮮、中国
あるいは、ロシアも含めて
海軍、あるいは空軍も含めて
こういう動きを
封じ込めていくための情報共有
それをベースにして
更に作戦面でも日米韓が
緊密に協力している。
これがもともとの
計画だった。
アメリカとしては
相当本音では怒っているのでは
ないかと思います。
渡辺≫アメリカと
覇権争いしている中国
それから当事者となる北朝鮮は
今、どうこの動きを見たんでしょうね。
古川≫北朝鮮や中国にとって
これは非常においしいうれしい展開になっています。
中国政府は特に
何も声明は出していませんが
まさに
アメリカの軍事同盟の進化に
歯止めをかけ得るということで
一番喜んでいるのはもしかしたら中国かもしれません。
北朝鮮も
安心はしていると思いますが
ただ今のところ彼らの目的は
もっと更に突っ込んで
制裁をやめさせるとか
そういうところにいこうとしますが
そのための第1ステップとして
韓国と日米の間に楔を打った。
もっと打たなければいけない
そういう心情であろうと思います。
渡辺≫ここと接近をしていく
また、北朝鮮との関係もある。
そして韓国もある。
日本は
今後、各国の思惑が
入り乱れる中で
どういう影響を
一番受けるでしょうか。
韓国もひょっとしたら
孤立化させるんじゃないかという
そういう見方も
出てきているようですが。
古川≫最近
複数の専門家、あるいは研究機関が言っていますが
38度線における防衛ラインが
38度線、まさにこれが対馬列島のところまで
下りてくるんじゃないかと