保科さんは ひとつのことを決めた。
もう 逃げない。
有名ブランドからも直接依頼が来る職人になっていた。
自分の可能性に向き合う勇気が
持てなかっただけ。
そう言える強さが
今の保科さんには ある。
世界的なブランドバッグの修理を
次々と引き受け 蘇らせる…
保科も見たことのない…
…が施されていた。
購入してから およそ10年がたっている。
バッグ全体の色が これほどまでに退色してしまっているのは→
百戦錬磨の保科でも ほとんど経験がない。
新たな闘いの火ぶたが切られた。
そうですよね どうしようかなと思って→
全面を上塗りするのが対処法の一つだ。
だが それだと この限定品の持つ魅力は
半減してしまうのではないか。
あの… 例えばなんですけど…
保科が考えた戦略。
それは ダメージの激しいハンドルは
新たなものに換え→
ポイントのみ 色補修を施すというもの。
その補修ならば このバッグが持つ魅力→
そして 更には このブランドが持つ
雰囲気も表現できるのではないか。
保科は そんな修理法を提案し
客の了承を得た。
はい どうも。
早速 ハンドルに用いる革を探し始めた。
どんなものを選べば
ブランドのイメージを壊さないか。
入念に選ぶ。
理想的な色の革を見つけた。
バッグの縁やロゴを
塗っていくことにした。
ところが。
ハンドルの色は緑にグレーが僅かに入っている。
この色を出すのが
保科をもってしても ことのほか難しい。
思いどおりの色に たどりつかない。
ハンドルと同じ色にするには加えるべき もう一色があるはず。
だが 保科はいつも
たとえ苦しくなったとしても→
このバッグならではの良さを
少しでも残したいと考えてしまう。
保科は 絶対に逃げない。
答えは 不意に降りてきた。
ついに ハンドルと同じ色を出すための
色の組み合わせに たどりついた。
あとは 実際にバッグに色を塗るだけ。
しかし 想定外のことが起きた。
ほら リラックマさん始まったよ
そうちゃん。
こんにちは~ アハハ。
息子の蒼太朗くんが手足口病にかかった。
息子は母に面倒を見てもらい
自宅の作業部屋で→
あのバッグと向き合うことにした。
一筆一筆 心を落ち着かせ丁寧に塗っていく。
9日後。
バッグを手渡す日がきた。
傷みの激しいハンドルを交換し→
それに合わせ ポイントの部分にのみ色補修を施した。
バッグが生まれ変わった。
そうなんですよね そうなんですよね。
保科は 客の心を 満たした。
♪♪~(主題歌)
ありがとうございます。
♪♪~
職人と母親 自ら選んだ2つの道を→
保科は今日も 迷うことなく進み続ける。
♪♪~
いや ぶっちゃけ ほんとに→
日常生活全てで 仕事のことを中心に
考えてる人だと思うんだ。
やりたいことって多分
日常生活の中で たくさんあるでしょ。
遊びに行きたい
なんかね ダラけたいとか→
いろいろあると思うんですけど
それをせずに→
仕事のために時間も お金も労力も
かけられるっていうのは→
♪♪~
2019/08/27(火) 00:47〜01:37
NHK総合1・鹿児島
プロフェッショナル 仕事の流儀「革製品修復職人・保科美幸」[字][再]
エルメス、シャネルなど超高級ブランドの革製品を次々と蘇らせる職人に密着。今春反響を呼んだ肝っ玉母さん奮闘記、再び。
詳細情報
番組内容
エルメス、シャネル、グッチなど超高級ブランドの革製品を次々と蘇らせる職人・保科美幸に密着。その工房には腕を頼って全国から依頼が殺到する。だが、彼女には「私には何もない」と悩みぬいた時代があった。彼女はいかにして暗いトンネルを抜けたのか。今春反響を呼んだ肝っ玉母さん奮闘記、再び。
出演者
【出演】革製品修復職人…保科美幸,【語り】橋本さとし,貫地谷しほり
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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