子どもに近づく隙をうかがいますが→
うまくいきません。
すると1頭が バッファローに背を向けて走り出しました。
こうして 大人の気を引く作戦なんです。
そして 大人を子どもから引き離しました。
その間に仲間が狩りに成功。
見事なチームワークですねえ。
ハイエナは 他の動物から
獲物を奪うイメージがありますが→
それは誤解。
食べ物の半数以上は こうして自ら狩りをして手に入れるんです。
力を合わせ縄張りを守り
獲物を狩るハイエナ。
その結束力の強さは
独特の社会に秘密があります。
見てください。
ハイエナは群れの仲間と出会うと→
お互いの
お尻の匂いを 丁寧に嗅ぎ合います。
この行動は ハイエナの挨拶。
これで お互いの「順位」を確認しているんです。
重要なポイントは
どちらが先に足を上げるかということ。
先に足を上げたほうが順位が低いんです。
今 奥のハイエナが先に足を上げました。
つまり 手前のほうが順位が高いんです。
ハイエナの群れには厳格な順位があります。
頂点に立つのは1頭のメス。
その子や孫にも一頭一頭 順位が決まっており→
きょうだいの中でも年が若いほど
順位が高いんです。
そして 一番順位が低いのが
大人のオスたちです。
なぜ厳格な順位があるのか?
もし順位がないと群れは秩序が無くなり→
いつもケンカばかり
するようになります。
でも 順位が
はっきりしていれば→
上の順位のものを立て
下のものは従うという規律ができます。
つまり 群れの中での争いを避けられる
というメリットがあるんです。
だから こうして毎日の挨拶で
順位を確かめ合うことは→
群れの平和を守るのに欠かせません。
ハイエナの大繁栄の理由は群れの力を生み出す→
この独特な社会に秘密があったんです。
さらに 長年の研究から群れの頂点に立つハイエナの→
驚きの暮らしぶりも見えてきました。
このメスが フォレスト群れのリーダーいわば女王です。
名前は…
年齢は15歳。
8年以上 フォレスト群れを率いています。
群れの女王には一体 どんな役割があるんでしょう?
フォレスト群れの縄張りの中。
ハイエナが獲物を食べています。
この2頭で狩りに成功したようです。
しばらくすると群れの仲間たちがやって来ました。
みんな おなかをすかせていたのか
ものすごい勢いで食べ始めました。
その中の1頭が
獲物を持ち去っていきます。
独り占めするつもりのようです。
実は これは 女王のムカカティ。
1頭で悠々と食べ始めました。
群れのメンバーは誰も手出ししません。
群れの女王には 食べ物を
優先的に食べる権利があるんです。
おなかがいっぱいになったら
休憩の時間。
他のメンバーを押しのけて→
お気に入りのくぼみでのんびりお昼寝です。
さすがは群れの女王。
優雅な暮らしですねえ。
いや~ 女王は ほんとに
のんきなもんですなあ。
ですよね ヒゲじい。
でも ちょっと待った!
はい。
女王が偉いのは分かりましたけど→
威張ってるだけで 群れのために
何もしてないんじゃないですか?
いえいえ こう見えて女王は
大事な仕事の真っ最中なんですよ。
ホーナー博士の話を聞いてみましょう。
え? なになに?
子どもを産むのが役割?
はい。 子どもをたくさん産めばそれだけ群れのメンバーが増え→
群れの力を さらに強くできるんです。
ムカカティは これまでに13頭も子どもを産んでいます。
これは 他のメスの およそ3倍。
さ 3倍!? それはすご~い。
ハイエナの授乳期間は
1年以上にもなります。
母親にとって子育ては体力勝負。
だから 多くの子どもを産む女王は誰よりもたくさん食べて→
栄養をつけるんです。
なるほど~。
ンゴロンゴロで だてに ゴロンゴロンしてるわけでは