それを共有できる仲間と 山本さんはこれからも歩んでいきたいと思っている。
♪♪~
山本のもとに特別な依頼が舞い込んでいた。
やって来たのは…
よいしょ。
視界いっぱいに 緑あふれる
美しい田園風景が広がっていた。
≪気持ちいいですよね。
(山本)うん すごい。
秋に この地で開かれる あるイベント。
その主催者から 農家など地域の生産者の魅力を表現しつつ→
山本らしい弁当を作ってほしいと
依頼された。
山本は 農家を訪ね
弁当作りのヒントを探す。
うん!
食材を提供してくれる 農家の一つ→
萱森さん家族が中心となって→
歓迎の餅つきをしてくれた。
それ! それ!
はい どうぞ。
これから2日間で 農家の畑などを回り
食材に当たりをつける。
単によいものを見つけるのではなく→
弁当に使って輝くものを見つけ出さなくてはいけない。
じゃあ 今日はいっぱい楽しみましょう!
ということで…。
それでは 乾杯!
(一同)乾杯!
お邪魔します! どうも!
夜 山本たちに地元の食材を使った料理が振る舞われた。
料理を作ったのは 農家の萱森さんたち。
伝統的な料理から創作料理までさまざまなものが並んだ。
(シャッター音)
すご~い。
(シャッター音)
山本は その野菜の豊富さに刺激を受けた。
≪ナス漬け?
えっ 違う違う これ。
あっ…
山本たち客人に楽しんでもらいたい。満足してもらいたい。
この地のもてなしの心を
山本は ひしひしと感じた。
翌日も山本は
野菜を作る農家を訪ね回っていた。
品種の特徴や 調理のしかたなどを
詳しく聞いていく。
うんうん… あっ でも ナスの味だ。
あっ ほんとだ。
山本の頭の中で 使う食材が定まってきた。
前日いろいろな話を聞かせてくれた萱森さんの畑も訪ねた。
来た。 やった やった。
2つ持って。
「今 とりました」的な。
♪♪~
山本は 食材を集め終えた。
この日じゅうに東京に帰り翌日には 弁当を作るスケジュールだ。
その夜。 東京に戻った山本は
料理を考え続けた。
翌日。 午前中の取材は 断られた。
料理のアイデアの総仕上げや仕込みに集中したいという。
昼過ぎ。
全ての準備が終わり 弁当作りが始まった。
今回は 金属加工が盛んな
燕三条で作られた→
弁当箱を使うことになっている。
この弁当作りを紹介する本のための撮影も行われる。
山本は このオクラのエビしんじょうを
はじめとして→
地元の野菜を主役にした
さまざまな料理を用意していた。
みずみずしいホワイトアスパラガス。
新鮮な野菜は 春巻きが一番おいしいというのが 山本の考え。
当初の予定どおり アスパラを
山本の弁当の象徴である 春巻きにする。
いつもどおり 2枚の皮を使って 巻く。
いよいよ料理を詰めていく。
夜の食事で出会った糸カボチャは
塩漬けにしたものを入れる。
そして 萱森さんの枝豆を使った
テリーヌを盛り込む。
揚げ出しのナスは
汁けをしっかりしぼって入れる。
♪♪~
弁当が完成した。
ところが…。
まだ 弁当に詰めていないおかずがある。
求められていたのは 1つの弁当だったが
もう一つ作るという。
最後に弁当の上に散らしたのは
現地でもらったラベンダーの花。
♪♪~(主題歌)
地域の魅力を表現しつつ同時に山本らしさも という→
要望に応えた二つの弁当。
そこに込めたのは現地で見た美しい緑の風景。
そして 楽しいもてなしをしてくれた
地域の生産者たちの温かな心だった。
(取材者)お疲れさまです。
お疲れさまです。 ちょっと待って…。
(取材者)ひと言 手応えを…。