2019/12/08(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル シリーズ 体感 首都直下地震「災害に耐える社会へ」[字]
1人だと消せないかもしれない。
小野≫さらに加えてもう1つ
みんなでやれば
確実に食い止められることが
あるといいます。
≫首都直下地震で最も多くの
犠牲者を出すとされるのが
建物の倒壊と火災です。
中でも、火災による死者は1万6000人。
国は、初期の消火活動や
建物の漏電対策などが進めば
これを800人にまで
減らせるとしています。
その対策の重点地域が
古くからの木造住宅が密集するいわゆる木密地域です。
山の手線の外側に広がる
この地域は
東京23区の25%の面積を占め
180万人が住んでいます。
東京都は、7年前から
建物の倒壊と火災の延焼を防ぐため
道路の整備や建て替えの支援に
取り組んできました。
しかし、多くの地域では
取り組みは十分に進んでいません。
≫対策の壁になっているのが
住民の協力を得る難しさです。
道路を広げるには
長年住んでいる家の土地を削り
提供してもらう必要が
あるからです。
≫火事だ~!
≫そうした中自分たちで命を守ると
住民が率先して対策に
乗り出している地区があります。
≫ありがとう。
≫葛飾区・堀切地区。
都内でも古い木造住宅が
特に密集し、道幅も狭い地域です。
住民たちは
みずから道路の拡幅計画をまとめ
対策に乗り出しています。
住民が立ち上がったのは今から11年前。
防災の専門家から示された
被害想定の地図に
衝撃が走ったからでした。
建物の、実に半数近くが倒壊。
わずか6時間で
全世帯が火に包まれる町内会もあることが示されたのです。
≫長年住んできた街が
消えてしまうのではないか。
強い危機感を持った住民たちは
どうすれば火災が広がるのを食い止めることができるか
対策を検討しました。
最も危険な地域として浮かび上がったのが
避難所となる小学校がある
堀切二丁目。
道路が狭く消防車が通れないため
小学校もその周辺も消火活動ができないと
分かったのです。
そこで住民たちは4年間話し合いを重ね
どこを拡幅するのか
みんなが納得するルートをまとめました。
さらに、道路の拡幅にとどまらず
一時避難場所となる公園や駅前商店街の整備など
次々と対策を進めています。
小野≫いかがですか?
小芝≫もちろん
これが理想ですけど
私は今、マンションに
住んでいるんですけど
正直、同じマンションに
住んでいる人ですら
どういう方がいるかも分からない。
本当にコミュニケーションが取れていないので
なかなか難しいですね。
小野≫すごい人たちに見えますよね。
テリー≫堀切は下町で
人情味があるところなので成立しますけど
出入りの激しい住宅地だと
今、言われたみたいに
隣に誰が住んでいるか
分からない。
特に外国人の方も増えているので
こういうコミュニティーは難しそうです。
小野≫この取り組みの中に
もしかしたらヒントがあるかもしれない。
井上≫実は地域社会の
つながりだけじゃなく
ほかにもポイントがあります。
堀切地区の地図ですがまず、赤いところ。
全部古い木造住宅。
火災のリスクがある。
真ん中が小学校でして
ここが皆さんの避難所になるところなんです。
ただ、周りは赤い住宅で
囲われていますし
ひとたび火災が起きると
こういう危険がありました。
青いエリアが出てきましたが