2019/12/08(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル シリーズ 体感 首都直下地震「災害に耐える社会へ」[字]
これが消火できない場所。
テリー≫学校も
だめだということですか?
井上≫はい。含まれます。
道路が狭いため
消防車両が通れなかったりという
理由があって
こうなるんですが
そうすると、道路を作りましょうとなるとどうするか。
新しく作ったりしますよね。
でも、住民の皆さんはそうしなかった。
小野≫元にあった道ですか?
井上≫正解です。
元の道を広げる作戦に
出たわけです。
住民の皆さん、それぞれに
最大50cm幅の土地を提供してもらい
道路を広げたんです。
そうすることで消防車両が奥まで通れるようになったんです。
小野≫これで青いところの火が
消せるんですか?
井上≫さっきの
避難所がありますが
そこまで距離が
150mぐらいありますが
消防車両のホースは
140mぐらいあるんですね。
ですので、ここまでは来られる。
この辺りを消火することで避難所を
守れるというわけなんです。
どうして生かす作戦に出たかというと
家から立ち退いたりとか
新たに改築すると
誰かが大きな犠牲を
払うことになりますね。
そうすると計画も
なかなか進まないということで
それは、やめましょうと。
皆さんが妥協できる今あるものを生かしていくという方向で
ちょっとずつ、しましょう
ということを選んだと。
テリー≫自己負担なんですか?
井上≫自己負担になります。
小野≫すごい人たちだなという
気がしますね。
でも、なかなか…。
今まではうまくいってなかったわけでしょ。
この堀切の住民の皆さんが
よし、やろうとなったのは…。
中林≫もともと
地震が起きたら火事が怖いよと言ってきた街なんですが
具体的に
じゃあ何をやったらいいんだと
いきどまっていたんですね。
それを我々がお手伝いで入ったときに
じゃあ、どれぐらい燃えるか
燃やしちゃいましょうということで
シミュレーションで
さっきのような火事を起こしたんです。
皆さん、えーっ!
火事ってこんなんなの!って。
小野≫ふだんの火事なら
自分の家の前まで消防車がくると…。
中林≫1つの火事に消防車が
わーっとくると消えちゃうんですけど
地震のときの同時多発だと
間に合わなくなると。
小野≫それに、ほかの家の前に
消防車が来れないと
そこが消えなくて
自分の家まで燃えてくる意識は
なかなかふだん
持ち得ないですよね。
中林≫さっき、VTRの中で
燃えちゃったら出て行くかなと
おっしゃっていた方も
実は本音はとどまりたいんです。
燃えちゃったら
どうします?って聞くと本音は
ここに住み続けたいな
ということがあって、じゃあ
住み続けられるような街を
今から考えてみましょうと。
それは震災後の
復興の街にも
つながるんだからといって
出てきたのが、この計画です。
井上≫先ほど
自己負担といいましたが
一部負担ですね。
そういったものを
後押ししてくれると。
中林≫4mまでは自己負担ですが
そこから先は事業として
区がお金を出します。
小野≫新浪さんは
どうご覧になりました?
新浪≫すばらしいなと思いまして。
街を愛するからこういう動きになるんだなと。
マンションに住んでいる方や