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2019/12/18(水) 00:35〜01:25 NHKスペシャル 食の起源(2)▽『塩』〜人類をとりこにする“本当の理由”〜[字][再]


そんなこと分かんの?
海辺なら 塩はいくらでも
手に入りそうなのに→
なぜ はるばる この地へ
岩塩を掘りにやって来たのか?
そうだね。
ソルトマンを虜にした透明な岩塩を分析すると→
当時 海水から作り出せる塩より
はるかに純度が高いことが分かりました。
へえ~ なるほど。
おいしいんだね。
混じりけのない その鮮烈な塩味は→
最高の調味料として人々を魅了したに違いありません。
命懸けでも

手に入れる価値があったのです。
塩通だったんですね このソルトマンはね。
それにしても祖先が これほどまで→
塩を使った食べ物の虜に
なってしまうとは…。
その理由は


私たちの舌に秘められていました。
思い出して下さい。
4億年前 祖先が陸上に進出したあと→
私たちの舌は
生きるために塩を探り当てる→
超高感度の塩センサーとして
進化したものでしたよね。
その舌には 単に塩味を
敏感に感じるだけではない→
不思議な能力が備わっていることが
最新研究で明らかになってきたんです。
舌の表面には 味蕾と呼ばれる
味を感じる器官が→
およそ1万個あります。
その一つ一つに収められたさまざまな味を感じる細胞。
実は どの味を感じるにも
塩が重要な役割を果たしていたんです。
例えば 甘みを感じる細胞の表面を
拡大してみると…→
無数のセンサーが口を開けていて
そこに糖分が取り込まれると…。
すげえ パチンコみたい。
センサーからの信号が 脳に伝えられ甘いと感じます。
驚くのは ここからです。
実は 甘みセンサーの中に糖分だけが触れても何も反応しないのに→
糖分とナトリウムが一緒に触れた時だけ→
口が開いて甘みを感じる→
特別なセンサーがあることが
発見されたのです。
これは 特殊な顕微鏡で撮影した

甘みを感じる細胞の断面です。
甘みに反応するほど
こんなふうに緑色に光りますよ。
まずは 糖分だけを口にした場合→
細胞の反応は この程度です。
ところが ここで糖分と塩を
一緒に口にすると…。
反応が およそ1.5倍に。
あの特別なセンサーも反応してより強く 甘みを感じました。
スイカに塩を振ると
甘みが強くなる理由は→
こんな舌の仕組みにあったのです。
同じように僅かでも塩が一緒に触れると→
うま味や 脂の味なども より強く
感じることが 分かってきています。
何のために
そんな仕組みがあるのでしょうか?
いや 不思議っすね~。
そもそも 私たちの祖先は→
ごく僅かな塩でも探り当てる
塩センサーとして→
舌を進化させました。
塩分は いろいろな食べ物に含まれています。
どんな味のものでも
そこに僅かでも 塩が含まれていれば→
取り逃す手はありません。
なるほど。
だからこそ 甘みであれ うま味であれ
少しでも塩分が伴っていれば→
脳を強く刺激。

「おいしい! もっと食べろ」と→
私たちに促す仕組みが備わったと
考えられるのです。
人間って すげえな~。
おいしさの快楽を得るためには→
塩も一緒に とらなければならない
という定めに→
私たちは あらがうことが できません。
あ~ す… すいません!
でも おいしさを求めれば求めるほど→
知らぬ間に脳は 塩の虜になっていく。
4億年前から 塩の乏しい陸上で
生き延びようとしてきた→
祖先たちの格闘が 塩なしに
おいしさを感じられない宿命を→
私たちに もたらしていたのです。
いや~…。う~ん。
今は 簡単にとれるようになったから
今度は逆の大変さです。
相乗効果で甘いものにも

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