今 新ルート開設に向けた飛行検査が行われている。
じゃあ パネルさん…
海とは違い 新宿 渋谷など→
超高層ビルが立ち並ぶ
都心上空の新ルート。
パイロットの緊張は増す。
飛行検査のために新たな設備が作られた。
新ルートを飛ぶ航空機に
電波を送るレーダー。
滑走路先の海に人工地盤を作り 設置する。
ギリギリまで拡張し尽くした羽田空港だが僅かなスペースをひねり出した。
やって来る人が増える分→
空港内でさばけないと目詰まりを起こしてしまう。
拡張ままならない空港が
活路を求めたのは 地下だった。
総延長2.4キロ。
空港の真下を貫く巨大トンネルだ。
国際線と国内線のターミナルを
最短で結び→
乗り換え時間を短縮し
目詰まりを防ごうというのだ。
トンネルの先端を掘り進むのは
直径12メートルの巨大シールドマシン。
鋭い刃先で土を削り取り
1分間で2センチを進む。
元は海だったところ。
地盤は弱い。
1.5メートル掘る度に 鉄枠のブロックで
トンネルをコーティングし 崩落を防ぐ。
しかし 埋め立て地ならではのトラブルが
続出していた。
金属片が詰まっていたのは→
シールドマシンが掘った土を地上へ送り出す 排泥システム。
ポンプからは 異音が聞こえていた。
中を開けてみると…。
詰まっていたのは 大きな金属片。
かつての埋め立て工事で使われた建築資材のようだった。
これまで 300個以上の金属片が
見つかっている。
数十年前に埋め立てた土地を
再び掘り返すことになるとは→
誰も 想定していなかったのだ。
そこで 2つの排泥システムを導入することにした。
一台のポンプが詰まっても すぐ切り替え
作業を止めずに 掘り進められるのだ。
苦心の末に 埋め立てた土地を→
再び苦心して掘り返すという工事が続いている。
海への拡張をし尽くした 羽田空港。
リボーンを果たすための格闘が人知れず続いている。
ちっぽけな東京。
自分の身の丈以上のものを求めているんじゃないか。
無理を重ねたあげく
積もり積もった矛盾が→
いつか噴き出さなきゃいいが…。
「人口減少時代に 人を呼び込み新たな活力にする」。
うたい文句はいいが
オリンピックが終わったら→
閑古鳥が鳴かなきゃいいがな。
いや… また 何か うまい話でもこしらえるつもりなのかもな。
4月。
東京港のコンテナターミナルがぴたりと動きを止めた日があった。
全国の港湾労働者が賃上げ
労働環境の整備を求めて→
一斉にストライキを行ったのだ。
港には 数百のコンテナが放置された。
事前に通告され 一日だけだったため
大きな混乱は生じなかった。
しかし 既に 受け入れの限界
ギリギリに近づいた 東京港。
いつ何時 ストップしてもおかしくない。
その時 私たちの生活は 絶体絶命となる。
その事態を回避するために建設されるのが
新ターミナル Y2。
そして そこと都心とを結ぶ
海底トンネルである。
その海底トンネル工事は
最終段階に入ろうとしていた。
7つの沈埋函を
海中でつなぎ合わせる難工事。
その最後の沈埋函を沈めるのだ。
最終函は 難易度が格段に増す。
これまで 6つの沈埋函が沈められている。
最終函は 既に沈められている5号函と7号函の間に→
寸分たがわず 収めなくてはいけない。
しかも 微妙にカーブしており少しでもズレると接合しない。
最終函を沈める 直前のミーティング。
最終函は 両側の函と同時に接合する工法で行われる。
受け止める両側の函は台形になっており
逆台形の最終函を降ろしていくと→
重量と水圧によって
ピタリと収まるように設計されている。
しかし やっかいなのは
片面が収まったとしても→
僅かなズレでもあれば
もう一方が はまらなくなることだ。
これまでよりも 更なる精度が要求される。
で 潜ってて この2日でできるの?
特に数ミリ単位の計測を任される
潜水士には 負担がかかる。
僅かな隙間に手を入れての計測は