国の登録有形文化財に指定されている。
≫客室は歴史を感じさせる
純和風のたたずまい。
≫こちらは、おかみの
小淵惠美さん、71歳。
仙人風呂の仕掛け人の1人である
息子の誠さんと
親子で切り盛りする宿だ。
≫宿の自慢は品数も豊富な薬膳料理。
豚肉と地元野菜を使った豆乳鍋や
南紀勝浦港で揚がった
マグロのカルパッチョ。
雑穀米は備長炭を入れて炊き上げている。
≫お客さんも大満足。
だが、亀屋旅館はこの1年厳しい経営状況に陥っていた。
≫去年8月
台風で大塔川が氾濫。
11軒もの宿が床上浸水し
営業できない事態に…。
≫なんと半年間もの休業を
余儀なくされた亀屋旅館。
実は、1階の客室は
いまだに復旧していない。
≫亀屋旅館にとっては
2年ぶりの仙人風呂。
おのずと言葉に力が入る。
≫翌朝…。
≫朝は、6時半から入浴が可能。
期待のあまり思わずスキップする男性。
≫大自然に囲まれ
昼間の喧騒が嘘のような
贅沢な朝風呂に、ご満悦。
≫おかみの小淵さんはこんな努力も。
≫外国人観光客を
おもてなしするために
空いている時間を見つけては
独学で英語の勉強をしているのだ。
≫シンガポールからの観光客に
仙人風呂もしっかりPR。
宿に甚大な被害をもたらした
川の氾濫。
それでも小淵さんは
その川の恵みである仙人風呂が
再び活気を取り戻してくれると
信じているという。
≫毎週土曜の夜は
ライトアップされる仙人風呂。
およそ50個の灯籠で照らされた
幻想的な雰囲気を楽しむことができる。
このイベントを目当てに
はるばる県外からやってくる人も少なくない。
≫湯けむり灯篭を堪能できるのは
午後8時から10時までの2時間だ。
危機からの復活にかける温泉街に
神奈川県からやってきた移住者が営む民宿がある。
≫切り盛りするのは
百合光平さん、48歳と
妻の清水紀久子さん、49歳。
この、民宿すみ家も
去年8月の台風で
大きな被害を受けた。
光平さんは今年4月に3代続いた
この宿を引き継いだのだ。
≫夫婦で腕を振るう料理は
イノブタのすき焼きなど
地元でとれた
山の幸や海の幸がずらりと並ぶ。
しかし、このご夫婦
飲食業や宿泊業の経験はなかったという。
≫そう、紀久子さんは大使館で
秘書として働いていたのだ。
堪能な語学を生かし
外国人客をおもてなし。
≫1泊2食付きで
8650円からとリーズナブルだ。
かつては
プロのミュージシャンとして
活躍していた光平さん。
自然豊かなところで暮らしたいと
故郷である和歌山への
Uターンを考えていたところ
この宿が
後継者を探していることを知り
名乗りを上げたのだ。
≫宿で提供する食材を調達するため
片道1時間半かけ
市街地のスーパーへ。
≫この地域では
よく食べられているというカメノテは甲殻類の一種。
本物の亀の手じゃありませんよ。
地元ならではの味で
もてなすことが
こだわりだという。
フランスと
イギリスからの観光客の反応は?
≫お口に合いますか?
≫この日、やってきたグループは仙人風呂のリピーターだという。
≫およそ20年にわたり
毎年のように仙人風呂を訪れているという男性たち。
≫何度来ても飽きることがない