2019/12/28(土) 15:05〜15:55 NHKスペシャル選「彼女は安楽死を選んだ」[字]
目の当たりにします。
病院を訪問してから間もなく。
姉の恵子さんがミナさんの部屋の布団の下に→
スカーフをつなぎ合わせたものを
見つけます。
姉たちに諭され
一旦は 思いとどまった ミナさん。
しかし その日の夕方 自殺を試みます。
体に力が入らず 未遂に終わりました。
その後も 自殺未遂を繰り返す中
ミナさんが すがったのが→
安楽死という最期のあり方でした。
ミナさんが登録を行った ライフサークル。
スイスにある安楽死団体の一つで
2011年に設立されました。
希望者は 団体に登録し
安楽死を受けるまで→
会員として待機することになります。
現在 会員数は およそ1,660人。
日本人は 3年前から 登録し始め→
がんや 神経難病の患者など17人に上ります。
日本では 患者の延命措置を中止したり
差し控えたりすることは→
消極的安楽死と呼ばれ
終末期医療の現場で行われ始めています。
一方で 患者に 致死薬を処方
または 投与する 積極的安楽死は→
国や医療学会のガイドラインで
認められていません。
これまで
医師が罪に問われたこともあり→
医療界では 踏み込んだ議論は
行われていません。
積極的安楽死を行っている
国や地域は→
世界でも限られ→
スイスでは 民間の安楽死団体が海外からも希望者を受け入れています。
スイスで 安楽死は 住民投票などを通じて
何度も議論されてきました。
その中で 死のあり方を選ぶのは
個人の権利だという考えが→
国民に広く支持され
法律の解釈で容認されています。
11月中旬
ミナさんが スイスの安楽死団体に→
「緊急に対応してほしい」というメールを
送ろうとしていました。
スイスの団体から 「希望者が殺到し
対応が遅れる」と伝えられ→
焦っていました。
妹が 安楽死を急いでいることを知っていた姉たち。
サンキュー サンキュー。
かわいらしくなったわね。
表向きは
ふだんどおりに接していましたが→
心の内では
妹と どう向き合うべきか分からず→
苦悩していました。
一方 安楽死を思いとどまるよう説得し続けた家族もいました。
ミナさんの妹です。
この日 ミナさんが読んでいたのは妹からのメッセージでした。
そこには
「鎧を脱いで 家族の助けを得ながら→
生きてほしい」と書いてありました。
家族の力を頼ろうとしない自分に気付かされたミナさん。
しかし 負担をかけて生きる将来を
思い描くことはできませんでした。
その後も
繰り返し ミナさんの説得を続けた妹。
その時の思いを 手紙で教えてくれました。
「姉の病気は大変重くて絶望しかないように思いがちですが→
『こんな私でも生きていていいんだ』と。→
『人の力を借りないと生きられない自分でもいいんだ』→
というふうに思ってほしかったのです」。
「安楽死でない方向へ気持ちが向いてほしい。→
その一心でした」。
体の機能を失って生きることに尊厳を見いだせないと語ったミナさん。
私は 生きることを選ぶ人たちの考えを
知りたいと思いました。
訪ねたのは ミナさんが医師に勧められ
姉と一緒に訪れた病院です。
そこでは
ミナさんと同じ病気の人たちの多くが→
延命措置を選んでいました。
5年前 多系統萎縮症と診断されました。
今は 体の僅かな動きで
意思を伝えています。
おやつ食べる?
目をつぶるのは 「はい」の合図です。
シングルマザーの道代さん。
タクシードライバーを務めながら一人娘を育ててきました。
娘が成長し これから自分の母親の老後を
支えようとしていたやさきに→
告知を受けました。
道代さんは この時 人工呼吸器による延命措置を選択するかどうかの判断を→
求められていました。
将来 人工呼吸器がなければ生きていくことが難しくなる道代さん。
母親の孝子さんと娘は→
本人の意思表示が難しくなる前に確認しなくてはなりません。
家族はこれまで 延命措置の話題について