2019/12/28(土) 22:00〜23:00 SWITCHインタビュー 達人達(たち)・選「舘野泉×中村桂子」[字]


例えば 左手用の曲を増やすため→
「左手の文庫(募金)」を設立。
集まったお金で作曲家に曲作りを依頼し→
これまでに 100を超える作品が生まれた。
最近は 左手のピアニストのため→
演奏会の企画にも精力的に携わっている。
♪♪~(演奏)
♪♪~

(拍手)
左手の音楽というのが→
最近 ステージとか→
1つの分野を作りましたからね。
そういう意味で→
新しく それを
いろいろと書いてくださる方が…。
例えば 本にする。 左手の音楽の世界でね。
そういう世界も必要だなとなるほど。思ってるんです。なるほど。
新しい そういうところを→
演奏だけじゃなくて いろんな形のものできちっとした分野に仕上げていく。
それは 随分大きな…


大変なお仕事ですね。
大変なことだと思うんだけど。
ええ。
でも それは大事なことですね。
いや まだまだ なさることがたくさん おありになって。
そうです そうです。
やることは いくらでもあります。
だから この年だと 普通なら→
「ちょっと静かにしてなさい」って言われるときですけど→
幸か不幸か…
そうそう…。ハハハハ…。
もうちょっと やらせてください
っていうのが→
共通の気持ちかもしれません。
「はい さよなら さよなら」とはいかないんですよね。
(笑い声)
後半は 舞台をスイッチ。
「生命誌」という新しい学問を切り開き→
科学を通じて人間を見つめ続ける中村桂子。
もともと化学を専攻していたが→
DNAの二重らせん構造に魅せられて以来→
分子生物学の道へ。
たんぱく質を合成するRNAの特別な働きを明らかにするなど→
多くの実績を残した。
湯川秀樹など著名な物理学者とも親交が深かったという。
そんな中村が 生命誌を研究する場として
立ち上げたのが…
研究室では チョウやクモ カエルなどで→
ゲノムDNAの研究が進められている。
そうした研究から分かる

生命の進化の歴史。
生命誌とは その歴史をひもとくことで→
人間の在り方そのものを見つめようという学問だ。
今年 開館27年目を迎える生命誌研究館。
最大の特徴は最先端の研究を行う場所でありながら→
一般にも公開しているということ。
こうした場所は世界でも類を見ないという。
うわ~ すごい!
すごく面白くて…。
いろんなことが学べる。
中村は ここを→
「科学のコンサートホール」と
表現している。
さきの対談から2週間。
今度は 舘野が中村の仕事場生命誌研究館に やって来た。
♪♪~
わあ…! ようこそ遠い所をありがとうございました。
しかも 今日 雨だったんですよね。
ありがとうございます。
中を見せていただくのを
楽しみにしてました。
ありがとうございます。
真っ先に 中村が案内したのは一枚の絵の前だった。
えっ? どれが始まり?
これが始まり。
これが 一番最初に始まったときに
描いた絵で→
「生命誌絵巻」っていうんですね。
38億年の月日をかけ地球上の生命が→
どのような歴史を

たどってきたのかを表した…
そうです そうです。
実は ご存じのように…
…っていうことは
もう 今 みんな知ってますのでね。
バクテリアだって キノコだって
人間だって→
みんな そうだっていうのが
偶然 起きたとは思えない。
ここから さまざまな生き物たちに→
38億年かけて なっていった。
でも みんな 祖先 一つですから
みんな 仲間で ということで。
この それぞれが どういうふうになって…
DNAの研究で生き物の どんな歴史が見えてくるのか。
面白く 深く伝えようと
試行錯誤を重ねてきた中村。
舘野に
ぜひ見てほしいという展示があった。
100分の1ミリほどの細胞の世界を→