2019/12/29(日) 00:25〜01:25 NHKスペシャル選「戦後ゼロ年 東京ブラックホール 1945−1946」[字]
ヤミ屋ですか?
ほかに当てがあんのか?
<ここで生き延びるためには何でもやるしかない>
100回を超える空襲で
東京は 市街地の5割を失った。
そこにヤミ市が出現し
瞬く間に全国へ広がっていく。
ヤミ市とは 非合法の自由市場。
最初に出現した ブラックホールである。
45年9月
新宿のテキ屋が広告を打ち→
ヤミ市への参加を呼びかけた。
広告を出したのは東京のカポネといわれた 大親分…
非合法だと分かっていても→
人々は ヤミ市で命をつなぐ。
だが ヤミ値は 時に
政府の統制価格の30倍にも及ぶ。
持たざる者には
残酷な運命が待っている。
おおっ 気を付けろよ。
お宝 積んでんだから。
一生もんのフライパン!
元は 兵隊さんの鉄かぶと。
<配給だけでは生きられない。→
ヤミ米を求め 農家に向かう。→
買い出し列車は命懸けだ>
大丈夫ですか?大丈夫です。 慣れっこよ。
<やっとの思いで戻ってきたら→
駅では 慈悲深いお巡りさんが待ち構えている。→
見つかれば没収。 泣くに泣けない>
ああ そうですか…。
<ヤミ市の手入れでも→
追われるのは崖っぷちの女ばかりだ。→
逃げる… 逃げる。→
必死で逃げる。→
捕まれば家族が飢える>
東京へ進駐した占領軍は→
皇居に面する建物を接収して
総司令部を置いた。
最高司令官 マッカーサーは
ほかにも800件の接収を命じた。
水洗トイレのある資産家の邸宅は
真っ先に接収され→
将校の家族の住まいとなった。
従軍カメラマン フィチェットが撮影した占領直後の東京。
最近公開された映像である。
焼け残った丸の内のビル。
全て接収され
日本人の立ち入りは禁止された。
映画館や劇場も軒並み接収された。
日比谷のアーニー・パイル劇場では→
天皇を主人公としたオペラを
兵士たちが楽しんだ。
占領に伴う経費は
全て日本政府が負担。
その総額は 396億円。
国家予算の1/3に達した。
オーストラリアで見つかった 珍しい映像。
占領軍の家族が開いた優雅なホームパーティー。
日本の芸人が呼ばれ
その経費も日本政府が負担した。
占領軍専用列車で 熱海や箱根へ→
ぜいたくな旅行を楽しむ家族も多かった。
♪♪~
これは 東京都が復興計画のために作った→
PR映画である。
100メートルの大通り 川と緑電信柱は地下へ。
ヨーロッパの都市をモデルとした
夢の計画であった。
しかし 占領軍は
東京の復興に関心はなく→
この計画を冷たくあしらった。
整然とした都市計画が実現される事はなかった。
無秩序にヤミ市だけが広がった。
<芋 豆 雑炊 ごった煮 密造酒。→
ヤミ市には えたいの知れない
食い物があふれていた>
<時に タバコの吸い殻の入った
名物 残飯シチュー。→
元は進駐軍の残飯だ>
<老いも若きも進駐軍の捨てたタバコを拾い→
ヤミ市へ持参する。
いい稼ぎになる>
<ねぐらといえば ガード下。→
土管の中。→
焼け跡に穴を掘って
寒さをしのぐ。→
防空ごうに潜り込む>
あ~っ あ~!
あ~ 助けてくれ。
<どこへ行ってもノミやシラミがついてくる>
<チフスやコレラが大流行した>
<毛虫やコオロギ何でも捕まえて食べる>
<飢えをしのぐため
コオロギを粉にして配給せよ。→
そんな事を言いだす医者さえ
現れた>
<俺が生きていた 70年後の東京。→
ダイエットだの グルメだの→
大量の食べ残しが