2019/12/29(日) 00:25〜01:25 NHKスペシャル選「戦後ゼロ年 東京ブラックホール 1945−1946」[字]
強制されていた。
おかしいと思ったら
声を上げなきゃ駄目。
戦時中みたいに
何でも我慢してちゃ駄目なの。
はい… そう思います。
(みゆき)でも 駄目ね。→
偉い人は 女をバカにしてるし。
戦時中と変わりゃしない。→
進駐軍の方が ましかもしれない。
そんなにいいですか?アメリカ人って。
(みゆき)そりゃあ
ハンフリー・ボガートみたいな人なら。→
私の理想の人。
みゆきさん ひょっとしてアメリカ行きたいんですか?
(みゆき)バカね。
そんなお金が どこにあるのよ。
<廃虚の中で 暗いまなざしの
日本人ばかりを見ていた俺が→
初めて見た笑顔だった>
東京租界にはヤミ社会が恐れる中国人がいた。
1946年 中国軍のパイロットとして来日。
東京中で ヤミ市やキャバレーを拡大。ヤミ社会に君臨した。
その妻が保存していた
数百枚の名刺。
占領が終わったあとも
ばく大な資金力で→
政財界に食い込んでいた事が
うかがえる。
そこに この人の名刺もあった。
ジャーナリスト 田原総一朗。
テレビのディレクター時代に
ヤミ社会に関心を持ち→
王長徳を取材している。
あるキャバレーの開店祝には屋上から 札束を ばらまいて→
人々が奪い合う光景を
見下ろした。
♪♪「東京ブギウギ リズムうきうき」
♪♪「心ずきずき わくわく」
♪♪「海を渡り」
<ものおじしない みゆきさんはアメリカ兵にも人気があった>
<米軍の下士官に
プロポーズされたらしい。→
結婚して アメリカへ渡るとか
そんな噂も聞いた>
<しばらくして みゆきさんの姿を
見かけなくなった。→
もう アメリカに
行ってしまったのだろうか>
このころ 日米のカップルが→
結婚して アメリカへ渡る事が認められ1,000組に近いカップルが海を渡った。
(バーテン)気の毒だったな みゆき。
どうしたの?
(バーテン)ほら 例の進駐軍の。
帰っちゃったらしいよ アメリカに。
本当かい?
(バーテン)何にも言わないでさ。
そりゃ かわいそうだ。
遊ばれたんだろ 進駐軍に。
よくある話さ。
しょせん みゆきの分際じゃな。
その気になってた
みたいだけどさ…。
何すんだよ!
やめろよ こんなとこで! おい!
かっこつけんじゃねえよ てめえ!
文句があるなら進駐軍に言ってみろ!
♪♪~
<ここへ来て もうすぐ1年になる>
東京の治安は
急速に悪化していた。
暴力団 在日外国人。
巨大ビジネスになったヤミ市の利権を奪い合う→
血生臭い抗争が頻発する。
治安の悪化が暴動に つながりかねない。
占領軍は
ヤミ市を撤去する事を指示した。
だが ヤミ市の夢の跡が
復興の出発点となる。
例えば ラジオ部品のヤミ市だった
秋葉原。
世界最大の電気街に成長していく。
新宿 渋谷。
ヤミ市の無秩序なエネルギーは
高度成長に受け継がれる事になる。
アメリカの占領政策も
大きく変わる。
日本を
反共の防波堤にするために→
戦犯容疑者1万名の追放を
解除した。
追放されていた
政治家 資本家 文化人が→
祝杯を挙げる映像である。
政財界に生まれたブラックホールは温存された。
戦後 多くの事件を
引き起こす事になる。
「昨年 8月15日
日本は無条件降伏。→
あれから一年 日本の古きものは→